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「The Microsoft Conference 2014」が開幕、最新技術が多数登場

 10月23日、日本マイクロソフトは「The Microsoft Conference 2014」を開催した。23日、24日の2日間の会期となり、日本でのマイクロソフト独自イベントとしては最大のものとなる。23日に日本マイクロソフトの代表執行役社長である樋口泰行氏が基調講演を行ない、マイクロソフトのテクノロジーを活用した導入事例、新しいテクノロジー、デバイスなどが紹介された。

 基調講演は、最新デバイスを前にして代表執行役社長である樋口泰行氏によるプレゼンテーションと、業務執行役員 エバンジェリストの西脇資哲氏によるデモンストレーションで、マイクロソフト製品の活用事例、新しいテクノロジーが紹介された。

日本マイクロソフト株式会社 代表執行役社長 樋口泰行氏
4K Windowsタブレットを手にした日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリスト 西脇資哲氏

 Windowsタブレットについては、法人市場で導入が加速していることを紹介。「あらゆるニーズに応えたラインナップが揃っているのがWindowsタブレットならでは。中には4Kタブレットも登場している」とタブレットのラインナップが拡充し、幅広い導入事例が登場していることが披露された。

 コンバーチブルのPCを1,500台導入し、スーパーバイザーが本部から店舗オーナーへの情報伝達を強化したローソン、一度はMRにiPadを導入したものの、別途PCとルーターなどを持ち歩く煩雑さから、全社へのWindows 8.1導入を機にWindowsタブレットPCにリプレースした中外製薬が紹介された。

 Windowsの4Kタブレットを導入したユニークな事例となったのが三井住友銀行とTBS。三井住友銀行では営業窓口に3,700台の20型4Kタブレットを導入し、顧客への商品説明に利用している。平置き、高精細で視野が広い4Kタブレットの特性を活かすことができる。「日本企業はA3サイズの紙にまとめることを好む傾向があるが、4Kタブレットなら紙の置き換えが実現するのではないか」と樋口社長は語る。

 TBSでは、番組中に利用するフリップを電子化する際に4Kタブレットを導入。ニュース番組の天気予報でひまわりの衛星画像が、TVでそのまま利用できる高いクオリティになることが大きな特色で、スタジオだけでなく中継現場でも利用されている。

 また、小田急電鉄ではバックオフィスにWindows技術を活用するだけでなく、駅員にタブレットを配布。電車の遅れがあった時にはダイレクトにタブレットに情報を送ることで、紙に書いて情報共有する場合に比べ、伝達ステップを減らし、正確な情報をいち早く客に伝達できるという。

加速する法人市場でのタブレット導入
法人向けWindowsタブレットの幅広い選択肢
ローソンのWindowsタブレット導入事例
中外製薬のWindows 8.1導入事例
三井住友銀行の4K Windowsタブレット導入事例
TBSの4K Windowsタブレット導入事例
小田急電鉄のWindowsタブレット導入事例

 こうした事例と共に、壇上に並んだ最新デバイスを樋口社長と西脇氏が紹介した。壇上に並んだ多数の製品の中で西脇氏が最初に紹介したのは、VAIO株式会社の参考出品製品。これは先日開催された「Adobe MAX 2014」の会場で披露された最新製品で、樋口社長が手に取ってペン入力の使い勝手を確かめた。

 多数並んだ3万円以下の端末「CTE(China Technology Ecosystem)」は、低価格で、手に取りやすいことが強み。手軽にWindows 8デバイスに接するきっかけとなる。

 一体型マルチ決済機能付きタブレットは、端末としての機能に加え、SaaSによって複数の決済機能を保有している。防滴、防塵仕様となっているため、屋内だけでなく屋外で利用することもできる。カードリーダだけでなく、非接触型のポイントカードにも対応しており、本格的な決済端末として利用できる。

Adobe MAX 2014のイベントで参考展示されたVAIO株式会社の試作モデルを手にした樋口社長
3万円以下と低価格のCTE端末
一体型マルチ決済機能付きタブレット
一体型マルチ決済機能付きタブレット非接触型ポイントカードを登録

 3Dプリンタを使ったデモンストレーションは、これまでWindowsが培ってきたエコシステムが活かされていることが紹介された。WindowsのCADを利用し、3Dプリントするデータを作成、修正し、それを直接印刷できる。

 Surfaceで、ある場面ではタブレットとして、別な場面ではノートPCとして利用し、さらに「Office 365」、「Microsoft Dynamics」を活用してこれまでとは異なる情報共有、新しい働き方を提案するデモも行なわれた。

 オフィスの外で働く場合にはSurfaceをタブレットとして利用し、搭載されたカメラで店舗出店の調査写真を撮影する。撮影したデータは即クラウドにアップロードされ、地図とのリンク、社内のスタッフとも情報共有できる。社内に戻って分析を行なう際には、Surfaceとキーボード、マウスを利用しExcelで編集する。

 社内で出店計画案を立てる際には、最適と思われる場所の写真を撮影したスタッフを探し出し、Lyncによってそのスタッフが在籍しているかを確認。話ができる状態であれば、すぐにコンタクトを取ってリアルでも、オンライン会議にも持ち込むことができる。オンライン会議の際は自分のデスクトップ画面を相手と共有し、1つの画面を見ながら話し合いを行なうことも可能となった。

 樋口社長は、「かつては出張に出たらこっちの勝ち! という時代があった。出張先へは連絡の取りようがなく、羽が伸ばせた。最近はそうはいかない。どこにいても一緒に仕事ができる。最近は飛行機の中へも連絡することが可能となり、Lyncで飛行機の中から会議している社員もいるくらい」とコミュニケーションの取り方が変わり、仕事のやり方も大きく変わっていると紹介した。

3Dプリンティングのデモ
SurfaceとOffice 365を使ったデモ。Surfaceをタブレットとして活用しカメラで出店予定地を撮影。その後は、キーボードとマウスを使ってOffice 365で情報の共有やTV会議などを実施できる

 また、Microsoft Dynamics、Yammerを利用することで、相手の状況を見ながら、SNSで情報交換が可能となるなど、新しい情報共有を提案するデモも行なわれた。

 新しいアプリケーション「Project Siena」は、正式リリース前の製品だが、Windows Storeからダウンロードできる。タッチ操作でタッチアプリケーションを作成することが可能だ。

 今回デモされたOffice 365は、一部の機能ではあるが、iPad上でも利用できるようになる。会場ではiPadを使ったデモンストレーションが行なわれ、樋口社長が「我々のイベントでこんなにApple製品が登場することがあるとは、全く思ってもいなかった」と苦笑いする一幕も。

Dynamics CRMではYammerを使ってSNSで情報共有も
Windows Storeで提供中のOffice 365の新アプリ「Project Siena」
Office for iPad

 ナデラCEO体制下で核となる事業と位置付けるものの1つとしてのクラウドについては、Microsftでは17のAzureデータセンターリージョンを持つ。「この数はGoogleの5倍、AWSの2倍になる」と樋口社長はアピールした。

 なお、政府の干渉が噂されるデータセンターのデータについては、「MicrosoftのCOOであるケビン・ターナーがデータプライバシーとセキュリティに関するコミットメントを出している」と外部からのデータ閲覧疑惑を否定した。

 Internet of Things(IoT)の最新動向としては、マシンが生成したデータの安全な接続、取得したデータの管理、取得、変換を行なう「Microsoft Azure Intelligent Systems Service」によって実現する。この利用例として、ロンドンの地下鉄網で、内部施設の異常などを事前に検知するシステム、日本では竹中工務店の次世代建物管理システムが紹介された。

データプライバシー及びセキュリティに関するマイクロソフトのコミットメント
Internet of Your Thingsの創造
ロンドン地下鉄で使われているIoT

 デバイスの種類が増えるに伴い、各デバイスに最適なメディア配信を行なうことは容易ではないが、Microsoftではクラウド上で個別のメディアワークフロー構築するための部品群「Azure Media Services」を提供。

 これを活かした事例として、ワールドカップ ブラジル大会の際に配布したアプリケーション「リアサカLIVE」のJリーグ版「リアサカLIVE Jリーグ」、「Jリーグ 動画アーカイブ」が紹介された。

 Jリーグ 動画アーカイブの再生は、「こうしたデモを行なう際には、ぜひ、Xboxを使ってください! というリクエストを行なうことも多い。今回、Xboxでデモをさせてもらう」と西脇氏がXboxを使って動画アーカイブを再生してみせた。

Windows Azure Media Services
メディアサービスの価値とは
Jリーグと提携し発表されたアプリ「リアサカLIVE Jリーグ」
Jリーグの動画アーカイブをXboxで再生
Azure Media Indexer
Azure Media IndexerとBing Translatorを使ったデモ

 今後登場する新しい技術としては、Azure Media IndexerとBing Translatorが紹介された。Azure Media Indexerは、会場内で撮影したストリーミング映像に、Bing Translatorによって各国語の字幕を付けることができる。Microsoft Researchでは音声データのリアルタイム変換の研究が進められている。将来的にはオンライン会議をリアルタイムで通訳することを目指し、言葉の壁がなくなる世界を作ることが目標となっている。

 また、現在開発中の新しいアプリケーション「SWAY」も紹介された。新しいプレゼンテーション、ビデオといったものを作る、従来のカテゴリでいえば、オーサリングソフトウェアと言えるジャンルのアプリケーションとなる。

 「この製品については、開発していることは公表されているが、リリース時期など詳細はまだ明らかにされていない」(西脇氏)。

開発中のアプリ「Sway」のデモ

 今後登場するものとしては、Windows Phone 8.1とWindows 10も簡単に紹介された。

 Windows Phone8.1は、音声ガイド「コルタナ」、新しい文字入力が紹介された。

 Windows 10については、新しい画面が紹介され、「すでにTechnical Previewが10月1日から公開されている。ぜひ、お時間がある時にそちらで体験してほしい」(西脇氏)とアピールされ、基調講演が締めくくられた。

 なお、イベントは24日にも行なわれ、多数のセッションが実施されるほか、展示会場では最新デバイスやソリューションが展示されている。

Windows Phone 8.1の音声の音声サービス「コルタナ」
Windows Phone 8.1の新しい文字入力システム
Windows 10のデモなど
今後のカンファレンス予定
展示会場では最新デバイスと普段は目にする機会が少ない業務用専用端末も展示されている

(三浦 優子)