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ジャストシステム、“iOS史上最高の日本語変換”を謳う「ATOK for iOS」を公開
(2014/9/22 10:01)
株式会社ジャストシステムは、9月17日(米国時間)に「iOS 8」の配信が開始されたのを受け、“iOS 8向けATOK”こと「ATOK for iOS」を発表した。
6月に開かれたAppleの開発者会議であるWWDCで発表された通り、サードパーティによるソフトウェアキーボードが開放されたことが1つのトピックとなる。日本語変換システム「ATOK」の開発・販売を行なう株式会社ジャストシステムも、WWDCでの発表直後より、ティザーサイトや専用のTwitterアカウントを通じて“iOS版ATOK”の開発を表明していた。
アプリの提供はApp Storeで行なう。価格は1,500円。ジャストシステム側で決済しているATOK Passportでの提供には、現時点で対応していない。ただし、ATOK Passportでの提供については、今後、なんらかの形で提供したいとしている。
対応OSはiOS 8のみ。動作可能なデバイスはiPhone 6/6 Plus/5s/5c/5/4s、iPad(第3世代/第4世代)、iPad 2、iPad mini、iPad Air、iPod Touch(第5世代)となる。インストールには90MBの容量が必要。
キーボードは、iPhone向けにテンキーによるマルチタップとフリック入力、iPad向けにQWERTYキーボードを提供する。iOS標準キーボードを使っている人に違和感がなく、“日本語を入力する”という本来の目的をシンプルに捉えたものにしたと言う。現状は各フォームファクタで固定されたキーボードが提供されるが、今後のアップデートでバリエーションを増やす予定になっている。
ちなみに、メモアプリなどにインライン入力(直接入力)することはできず、キーボード上の入力エリア内で文字列を入力、変換していき、確定した時点でアプリに入力されるスタイルとなる。これは、現在のiOSの仕様の中で最善と考えられる手法として採用したものとのことで、入力エリアと変換候補表示エリアのサイズのバランスなども検討を重ねたものとしている。
Android版などで提供されているカーソルキー機能「らくらくカーソル移動」や、BackSpaceキーのフリック操作で利用できる句読点などの区切りで一定範囲を全削除する「まとめて削除」機能も継承。
ただし、iOSの仕様の関係などで、範囲選択にカーソルキー機能は利用できないほか、Bluetooth接続キーボードなどでの入力にATOK for iOSを利用することもできない。
日本語変換エンジンは、Android版とは異なり、Windows/Mac版で使用されている「ATOK EV Engine」をiOSに移植、チューニングしたものとなるのがiOS版の特徴となる。ベースとなったのはATOK 2014世代のエンジン。前後の文脈から正しい漢字を判定したり、誤入力した際に正しい変換候補を推測して表示する機能などを搭載する。
なお、辞書の更新については、当面はアプリのアップデートという形で新版を提供していくとしている。
今回のATOK for iOSについては、6月のWWDCでの発表後から開発を開始し、およそ3カ月で提供を開始した。iOS 8配信開始に合わせることを優先した部分もあったとしており、今後、さまざまな機能拡張が予定されている。
まず、最初の機能拡張として、各プラットフォームに対するキーボードバリエーションの増加や、iPad向けの大画面への最適化を、2014年度第3四半期(2014年10月~12月)中に行なう。
その後、ユーザー登録辞書をPCと共有できる「ATOK Syncアドバンス」への対応や、時事的な新語を配信する「ATOKキーワードExpress」、電子辞書連携などの機能追加を行なっていく予定としている。