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日本HP、税別8,800円からのインクジェット複合機
(2014/8/25 17:11)
日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は、低価格な個人向けインクジェット複合機「HP ENVY」、「HP Officejet」シリーズを9月中旬より順次発売する。価格はすべてオープンプライス。
対応OSはWindows XP/Vista/7/8/8.1、およびMac OS X 10.7以降。「HP ENVY5640」、「HP ENVY5530」、「HP Officejet 7612」の3モデルはMac OS X 10.6にも対応する。
税別8,800円からの家庭向けモデル
“家庭向け”として位置付けられるのは、「HP ENVY4504」、「HP ENVY5530」、「HP ENVY5640」、「HP Officejet 5740」の4モデル。いずれも9月中旬より順次発売。HP Directplusでの税別価格は順に8,800円前後、11,800円前後、15,800円前後、18,800円前後の見込み。
全機種に無線LAN機能を搭載し、スマートフォンやタブレットから無線経由で印刷できるモバイルプリント機能を搭載。プリンタ専用メールアドレスに文書を添付してメール送信するだけで印刷できる「HP ePrint」、ルーターがない環境でも印刷できる「ワイヤレスダイレクト」に対応。
上位の「HP ENVY5640」、「HP Officejet 5740」は、Android 4.4にプリインストールされている「HP プリントサービスプラグイン」に対応しており、別途専用アプリを使わずとも、Androidの設定メニューから有効にするだけでホームページの印刷が可能。HP Officejet 5740ではさらにNFCによる「NFCタッチ to プリント」機能を備える。
インクのタンクとヘッドを一体化したシステムを採用し、インク交換のたびに新しいプリントヘッドに交換されるため、インクの目詰まりによる画質/性能低下を防げる。これは印刷頻度が高くないユーザー向けへの配慮としている。加えて、黒とカラーのどちらかのインクが切れても印刷を継続できる「シングルカートリッジモード」をサポートする。
HP ENVY4504はエントリーモデルで、1万円を切る低価格が特徴。タッチフレーム付きの2型モノクロ液晶を搭載。筐体は黒とシルバーのツートンカラーを採用した。印刷速度はカラー約5.2ppm/モノクロ約8.8ppm。給紙トレイの給紙枚数は普通紙100枚。インターフェイスはUSBおよびIEEE 802.11b/g/n対応無線LAN。本体サイズは445×334×120mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.5kg。
HP ENVY5530は中位モデルで、HP ENVY4504をベースに、2.65型のタッチ対応カラー液晶に変更し操作性を向上させ、SDカードからのダイレクトプリントにも対応。こちらも筐体は黒とシルバーのツートンカラーとなっている。インターフェイスはUSB 2.0およびIEEE 802.11b/g/n対応無線LAN。本体サイズは445×334×120mm(同)、重量は5.56kg。
HP ENVY5640は上位モデルで、HP ENVY5530から給紙トレイが普通紙125枚になったほか、L判を15枚内蔵できるフォトトレイも備えた。印刷速度はカラー約8ppm/モノクロ約12ppm。液晶はタッチ対応の2.65型カラー。インターフェイスはUSB 2.0およびIEEE 802.11b/g/n対応無線LAN。本体サイズは454×410×161mm(同)、重量は6.8kg。
HP Officejet 5740はFAXやADFを備えたハイエンドモデル。HP ENVY5640と同じく給紙枚数は普通紙125枚+L判15枚。液晶はタッチ対応の2.65型カラー。インターフェイスはUSB 2.0、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN。本体サイズは454×410×193mm(同)、重量は7.7kg。
4モデルともにプリンタ部の主な仕様は、解像度が4,800×1,200dpi、インクが4色(カラー3色一体型)で、モノクロは顔料系、カラーは染料系。対応用紙はA4~A6、はがき、L判など。自動両面印刷機能を備える。スキャナ部はセンサーがCIS、解像度が1,200×1,200dpi、出力階調が24bit。
在宅ワーカー向けのビジネスモデル
震災後増えているという“在宅ワーカー”向けのモデルは、「HP Officejet Pro 6230」と、「HP Officejet 7612」の2モデルが用意される。HP Directplusでの税別直販価格および発売時期は、前者が11,800円前後/10月中旬、後者が29,800円前後/9月中旬。
HP Officejet Pro 6230はカラー約10ppm/モノクロ約18ppmの単機能インクジェットプリンタ。主な仕様は、印刷解像度が4,800×1,200dpi、インクが4色でいずれも顔料系。対応用紙はA4~A6、はがき、L判など。自動両面印刷機能を備える。インターフェイスはUSB 2.0、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN。本体サイズは464×385×145.5mm(同)、重量は5.1kg。
HP Officejet 7612はA3対応のインクジェット複合機。主な仕様は、印刷解像度が4,800×1,200dpi、インクが4色でいずれも顔料系。対応用紙はA3ノビ~A6、封筒、はがき、L判など。A4印刷速度はカラー約8ppm/モノクロ約15ppm。自動両面印刷機能を備える。スキャナ部はセンサーがCIS、解像度が1,200×1,200dpi、出力階調が24bit。インターフェイスはUSB 2.0、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN。本体サイズは625.2×505×297mm(同)、重量は17.6kg。
市場のニーズに応えた製品
製品発表に合わせて、都内で記者説明会を開催し、同社 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 プリンティング事業統括本部 統括本部長の島田昌彦氏が、製品投入の背景について説明した。
同社は1984年にインクジェットプリンタを投入してから、今年(2014年)でちょうど30周年となる。この間は常に顧客のニーズに耳を傾け、そのニーズに応えた製品を市場に投入してきたとする。今回のモデルについても、3つのポイントでニーズを捉えているとした。
1つ目はスマートフォンやタブレットの普及に伴い、それらのモバイル端末からの印刷を強化した点。「スマートフォンやタブレットから直接プリンタに出力できる」ことに対するユーザー認知度の低さは課題ではあるが、「出力できるのであれば印刷したい」というニーズを捉え、上位機種で対応する「HP プリントサービスプラグイン」で潜在的な市場ニーズに応えるとした。
2つ目は、震災後増加しつつある在宅ワーカー向けラインナップの拡張。家庭での印刷ニーズの多様化に対応しつつ、ADFやFAXの搭載でビジネスにも使えるHP Officejetシリーズの投入で応えていく。
3つ目はヘッド一体型インクの強化。ヘッド一体型インクはインク独立型と比較するとコストは高くつくものの、ヘッドのクリーニングなどのメンテナンス作業の煩わしさや、目詰りによる故障が少なく、印刷頻度が低いユーザーに好適とした。
また、既に投入している「HP Officejet Pro 6830」、「同8620」、「同8610」と合わせて、ローエンドからハイエンドまで多くラインナップし、顧客のニーズに合わせてプリンタを取り揃えたことをアピールした。