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AMD、2020年までにAPUの電力効率を25倍向上させる計画

6月16日(中国時間) 発表

 米AMDは16日(中国時間)、中国・大連で開かれた「China International Software and Information Service Fair(CISIS)」の基調講演において、2020年までにAPUの電力効率を現在の25倍まで向上させる計画を発表した。

 同社はこれまで過去6年間で電力効率を10倍に向上させた。多少乖離はあるもののムーアの法則にほぼ則っており、プロセス技術の進化によって実現できたという。

 しかし今後6年間に関しては、プロセス微細化のみならず、ヘテロジニアスコンピューティングの利用、および一般処理における処理の最適化を施すことで、ムーアの法則を70%上回る電力効率を実現するとしている。

 ヘテロジニアスコンピューティングによる向上は、まさしく現在同社が推進しているGPUを利用するHSAの仕組みを示す。GPUの演算ユニットを汎用処理に用いることで電力効率を向上させる。

 一方、Webブラウジングやワープロ/表計算ソフトなどの一般利用時では、より速く処理を終わらせるように電力や熱のバランスを見ながらクロックを向上させるTurboCOREを取り入れつつ、終了後プロセッサを早くアイドル状態に移行させる仕組みを取り入れることで平均消費電力を削減する。

 2020年には、約260億ものデバイスがインターネットに接続すると予測されており、PC/サーバーともに電力問題が深刻になると予想される。AMDはこれに対応する戦略を打ち立てたことになる。

過去10年の電力効率向上
CPUの性能よりもGPUの性能向上が著しい
APUはCPUとGPUを1つのダイに統合
熱や消費電力を考慮したTurboCOREの仕組み
TurboCOREで速く処理を終わらせることで、早くアイドル状態へ移行
ムーアの法則を70%上回る電力効率改善を実現

(劉 尭)