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懐かしの8088 CPUも飛び出したJ&Pテクノランド店頭イベント

〜孫正義氏やビル・ゲイツ氏のエピソード話も

J&Pテクノランド
4月5日 開催

 大阪・日本橋の上新電機J&Pテクノランドは、4月5日〜6日の2日間、ソフトウェア/ハードウェアメーカー各社協賛によるユーザーイベント「Windowsジョイントパーティ」を実施。5日には、各社のプレゼンが行なわれたので、その模様をお伝えする。

 5日のプレゼンイベントは、13時から開始され、15時までがコアユーザーに向けた「2〜3台目のWindows PC/Tabletの必要性」、15時から17時までがライトユーザーに向け「楽しいTabletの使い方」と題した2部構成で行なわれた。

セッションプログラム
セッションは多数のユーザーで盛況だった

 トップバッターはインテルの石井昌弘氏で、タイトルは「Windows Deviceについて」。石井氏は、タブレットにはiOSやAndroid、Windows 8搭載品などがあるが、Windows 8機なら、タブレットでもキーボード/マウスを繋げてPCとしても使えOfficeも利用可能、豊富なPC用周辺機器が使える、スナップ表示で複数のアプリを同時に起動できると言った点を訴求。また、その際、Atom Z3700搭載機なら、過去のネットブックとは違い、ネットの閲覧や高画質動画もスムーズだとアピールした。

インテルの石井昌弘氏
Windowsタブレットの3つのオススメポイント
WindowsタブレットにUSBメモリでデータをコピーし、Officeファイルを開くデモ

 続いて、日本シーゲイトの奥村桂一氏が「HDDトレンド」について解説。HDDは1997〜2001年にかけては年平均148%の勢いで容量が増加。その後も、面内磁気記録方式の登場で2002〜2005年は30%、垂直磁気記録方式によって2005〜2009年は45%増加していったものの、2010〜2015年は現行技術の限界により成長率が鈍化することが見込まれる。理由の1つは、現在のHDDがディスクとヘッドの間隔がDNA螺旋の直径と同じ2nmほどしかなく、これよりも近づけることが困難だからだという。

 そういった中、奥村氏は容量増のニーズにはすぐには答えられないが、ハイエンドユーザーに今お勧めできる製品としてSSHDを紹介。HDDの大容量/低価格という特徴やフォームファクタ/インターフェイスはそのままに、小容量のNANDフラッシュメモリに頻繁に利用するデータ/プログラムを記録することで、SSDに近い高速性も得られるとした。

日本シーゲイトの奥村桂一氏
HDDは近年容量の伸びが鈍化
容量は増やせないが、SSHDにすると、HDDでSSDのメリットが享受できる

 続いて、ワコムの高台秀樹氏が「ペンとWindows Device」と題して同社のペン技術を解説。同社の最近のペンタブレットは静電結合方式による指のタッチにも対応するが、同社が得意とする電磁誘導方式のペンを使うと、筆圧やペンの傾きを使った表現もできることを紹介した。

ワコムの高台秀樹氏
タブレット独自の機能。ワコムのペンタブレットは筆圧に加えて、筆の傾きも検知可能。また、複数のペンを使うことができるので、ペン毎に色やペン先を指定しておけば、持ち帰るだけでスムーズに表現を変えられる

 他のセッションより比較的長い時間を割いて、日本マイクロソフトセンター所長の澤円氏とインテルの渥美和彦氏の2人が「未来のWindowsとDeviceテクノロジー」と題したセッションを行なった。

日本マイクロソフトセンター所長の澤円氏
インテルの渥美和彦氏

 “未来の”と言いつつも、両氏はまずコンピュータの歴史の紹介から始めた。澤氏は黎明期のコンピュータとして1940年代に開発された「ENIAC」を紹介。そのサイズは体育館ほどもあったが、1975年にビル・ゲイツ氏が「全ての机と家庭にコンピューターを」というスローガンの下、Microsoftを創業。そして、1981年にIBMが、現在のx86 PCの元となるデスクトップ型「IBM PC」を発売した。

ENIAC
Microsoftの創業メンバー。左が若きビル・ゲイツ氏
IBM PC

 ここで渥美氏は当時発売した貴重な「CHMOS 8086/8088 Design Kit」の実物パッケージを紹介。この製品はインテル社内でもほとんど知られてなく、社内にもおそらく1つしか現存してないのだという。

「CHMOS 8086/8088 Design Kit」
その中身。チップセットまで全て揃っているのはとても貴重だとか

 続けて澤氏がWindows 1.0の画面写真を紹介すると、渥美氏は当時のプロセッサであるi386、そして486、486DX、486SX、486DX2、486DX4、Pentium Pro、Pentium、回収されたバグ付きPentium、MMX Pentium、Pentium II Xeonなどのこれまた懐かしいCPUの実物を披露。Windows 95の時代に、初のP6アーキテクチャ採用で鳴り物入りで登場したPentium Proは、32bitに特化したため、まだ16bitコードが多かったWindows 95ではPentiumより遅かったという逸話も話した。

Windows 1.0。ウインドウ式ではあるが、ウインドウを重ねることはできなかった
i386
486と486DX
486SX
486DX2と486DX4
Pentium Pro
Pentium。右はバグ付き
MMX Pentium
Pentium II Xeon

 現在では厚さ10mm以下のタブレットが登場するに至っており、この小ささでも360度の全方位写真を撮影したりできるなど、集積度/性能が何桁も向上した。そして澤氏は、Microsoftが考える近未来のデバイスのあり方を描いた動画を紹介した。

Microsoftが作成した動画。フィクションではあるが、ここに登場する技術は、現行の延長線上にあるもので、Microsoftでも研究/開発を行なっている

 第1部の締めくくりには、上新電機株式会社代表取締役社長の中嶋克彦氏が登場した。J&Pテクノランドは1981年に創業。当時のパソコンはPC-8001や、Apple II、コモドールなど10機種程度しかなく、中嶋氏は、「どうやって売り場を埋めようかと思案していたたころ、上新電機と取引がしたいと直談判に来た20代の青年がいた。それが今のソフトバンクの孫正義社長です。J&Pが孫さんの取引第1号なのです。当時孫さんは週3回はJ&Pに足を運んでいたけど、今ではアポを取れば会ってはもらえるけど、こちらが腰が引けてしまうような大人物になられた」というエピソードを明かした。また、ビル・ゲイツ氏も1991年、そしてWindows 95発売のタイミングでJ&Pに来店している。

 中嶋氏は、「この33年間でパソコンやそれを取り巻くビジネスは大きく様変わりした。私は92年からいったん上新電機を離れ2年前に戻って来たのだが、33年前のような革新的で提案ができる売り場を再度構築したい。そして、孫さんやビル・ゲイツが今では雲の上の人になったように、J&Pに行っておくと、何かが起きるかもしれないと思われるようなお店にしたい」と抱負を語った。

上新電機社長の中嶋克彦氏
1991年にビル・ゲイツ氏が来店したときの様子。左が中嶋氏

 第2部は日本マイクロソフト物部慶幸氏による「Windowsギフトカードを楽しもう!」で始まった。Windows 8.1には標準で、動画、音楽、ゲーム、アプリの購入ができるマーケットアプリが搭載されているが、これらはクレジットカードのほか、専用のWindowsギフトカードでも購入可能。物部氏は、例えば、子供にコンテンツやアプリを買わせてあげたいが、クレジットカードの番号は教えたくないといった場合に、プリペイドカードのWindowsギフトカードが役に立つとアピールした。

日本マイクロソフト物部慶幸氏
Windowsギフトカード

 続いて、トレンドマイクロの法村慎也氏が「セキュリティの重要性」を解説。最近では、ユーザーが普段利用しているサイトが悪意ある者によって改竄され、そこから不正なプログラムを勝手に入れられてしまう場合がある。そういった被害を水際で防ぐために、不正プログラムを検知するだけでなく、改竄された不正サイトを検知し、接続をブロックする同社の「ウイルスバスター」が役に立つとした。

トレンドマイクロの法村慎也氏
最近はWebサイトの改竄攻撃が増加
ウイルスバスターは従来型ウイルスだけでなく、サイトの改竄にも対応可能

 3番目として、AOSテクノロジーズの市川剛氏が「スムーズなデータ移行方法のご紹介」として「ファイナルパソコン引っ越し11plus」を紹介した。通常、PCを買い替えた際のデータ移行は、時間や知識が必要だが、同ソフトを使えば、ウィザードに答えていくだけで、移行すべきデータが検出され、コピー作業についてはPCの前に張り付いていなくても、自動で行なってくれる。また、同ソフトはデータだけでなく、アプリについても移行可能なものは自動的に移行してくれるという特徴も持つ。

AOSテクノロジーズの市川剛氏
ファイナルパソコン引っ越し11plusはお任せでデータ移行が可能。加えてソフトも移行できる

 続けて、日本マイクロソフトの斎藤良太氏が「旅レットタブレットでわがままな旅を楽しもう」と題して、現在実行中のキャンペーンを紹介。キャンペーンの詳細は関連記事を詳細されたい。

日本マイクロソフトの斎藤良太氏
ツイートするだけで、300万円分の旅行ができる、旅レット8キャンペーンを実施中
石川の観光特使による郷土紹介も行なわれた

 第2部の最後は、J&Pテクノランド店長の川井彰氏が挨拶した。川井氏は、「J&Pはオープンから33年が経過し、周辺の町並みも大きく変わったが、J&Pがまだあるのはユーザーに支持されている証。当店は、3,300平方mの延べ床面積があるが、一般の家電を含まない情報機器専門店としてこれは日本最大規模。ただ、あいにく当社は宣伝が下手で、良さを伝え切れてないところがある。今回のイベントを機に、創業当時に立ち返って、メーカーなどと協業しながらこれからも頑張っていきたい」と述べた。

 このほか、イベントでは、協賛の周辺機器メーカーが、自社製品を無料でユーザーにレンタルする試みも行なわれた。周辺機器を買いたいが、自分の環境で動くか不安なユーザーは事前に無料で試すことができ、店舗やメーカーにとっては、返却時にまた来店してもらえる、実売に繋げられるという点で、うまいやり方だと言える。また、イベントの参加者やPC購入者に向けたくじ引きも行なわれた。

J&Pテクノランド店長の川井彰氏
セッション参加者はくじ引きに参加できた
Windows PC購入者には別の抽選も
協賛各社の特設展示コーナー
一部の周辺機器は無料貸し出しも行なっていた

(若杉 紀彦)