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サンディスク、カートレーサーでも知られる南明奈さんらを招いたCF新製品発表会

~256GB版追加や既存モデル高速化などラインナップ刷新

11月8日 発表

 サンディスク株式会社は8日、同社製CFの最上位モデル「サンディスク エクストリーム プロ コンパクトフラッシュカード」に256GBモデルを追加。併せて、既存モデルも転送速度を向上してリニューアルする。価格は全てオープンプライス。発売は12月。

既存のCFラインナップ
新しくなったCFラインナップ
新製品のパッケージ
サンディスク エクストリーム プロ コンパクトフラッシュカード

 同社のCF製品の最上位モデルとなる「サンディスク エクストリーム プロ コンパクトフラッシュカード」は、最大256GBを新たにラインナップ。読み出し速度は最大160MB/sec、書き込み速度は最大140MB/sec。

 また、すでに発売されている16GB/32GB/64GB/128GBモデルも転送速度を向上して再発売。読み出し速度が最大160MB/sec、書き込み速度が最大150MB/secと256GBモデルよりやや高速に書き込めるようになっている。なお、従来版は読み出し速度が最大90MB/sec、書き込み速度は128GBモデルが最大100MB/sec、16~64GBモデルが最大90MB/secとなる。

 さらに、CompactFlash Associationが定めるビデオ機器で利用する際の持続的な記録を保証するVPG(Video Performance Guarantee)規格の対応についてもアップデート。従来モデルが20MB/secでの記録を保証したのに対し、新モデルでは65MB/secでの記録へと高速化した。

 このほか、UDMA7対応、データ復旧ソフト「レスキュープロ デラックス」の1年間使用権が付属するといった特徴は継承する。

 店頭予想価格は、新モデルとなる256GBが15万円前後、128GBが9万円前後、64GBが55,000円前後、32GBが39,000円前後、16GBが25,000円前後の見込み。

サンディスク エクストリーム コンパクトフラッシュ カード

 中位モデルの「エクストリーム コンパクトフラッシュ カード」は金色を基調としたデザインへ変更。従来モデルは黒を基調としていた。

 新たに128GBモデルをラインナップしたほか、16GB/32GB/64GB/128GBモデルについては読み出し速度を60MB/secから120MB/secへ高速化した。書き込み速度は全モデル60MB/sec。

 転送モードは8GBがUDMA、16~128GBがUDMA7。VPGは20MB/secを保証する。データ復旧ソフトの1年間使用権が付属する点はエクストリーム プロと同様。

 店頭予想価格は128GBが73,000円前後、64GBが43,000円前後、32GBが25,000円前後、16GBが15,000円前後、8GBが9,900円前後の見込み。

 下位モデルの「ウルトラ コンパクトフラッシュ カード」もデザインを刷新し、グレー調からシルバー基調のものへ変更された。

 4GB/8GB/16GBの3モデル展開は従来モデル同様だが、最大転送速度を変更。従来モデルは全モデルが30MB/secであったのに対し、8GBおよび16GBは50MB/secへ高速化。4GBモデルは25MB/secへ低速化している。

 店頭予想価格は16GBが11,000円前後、8GBが7,500円前後、4GBが5,300円前後の見込み。

2020年には2010年に使われた全データと同容量のフラッシュが必要

サンディスク代表取締役社長兼SanDiskシニアバイスプレジデントの小池淳義氏

 同製品の発表に当たって都内で開催された発表会では、サンディスク代表取締役社長兼SanDiskシニアバイスプレジデントの小池淳義氏が、同社の取り組みを紹介。

 米SanDisk本社が今年で設立から25周年を迎えるそうで、現在は年間60億ドルを売り上げる会社へ成長。その売り上げのうち約10%を研究開発に当てる「技術を重視している会社」であることを強調。

 フラッシュの現状と今後についても説明。2010年に人類が生成した全データ容量1.2ZB(ゼタバイト)のうち、約1%の0.011ZBにフラッシュが使われた。そして2020年には人類のデータ容量は40ZBになり、そのうち1.183ZBにフラッシュが使われると予測。2010年の100倍以上、かつ2010年に生成された全データと同容量のフラッシュが2020年に必要なることを示している。

 個別の市場についてはスマートフォンに搭載されるフラッシュの平均容量は2012年から5年間で3.5倍、タブレットは同じく6.5倍、PC用SSDは5倍、エンタープライズ分野では10倍へと成長するほか、フラッシュの有効市場規模の2012年の280億ドル規模から380億ドル規模へと拡大するとの見通しを示した。

 この市場拡大に対応すべく、継続的に微細化を進めるほか、浮遊ゲート型における電気/電子的な限界が発生しても適応できるよう、3Dスタッキング型やReRAMの開発も進めていることを明らかにした。

人類が生み出したデータは2010年で1.2ZB。2020年には全データが40ZBとなり、フラッシュだけで1.2ZBほどが必要になるという
スマートフォンに搭載されるフラッシュ平均容量の予測
タブレットに搭載されるフラッシュ平均容量の予測
SSD搭載PCで利用されるフラッシュ平均容量の予測
エンタープライズ向けフラッシュの予測
市場規模は5年間で280億ドルから380億ドル規模へ

 このほか、サンディスク代表取締役マネージング・ディレクターの青柳マテウ氏が製品ラインナップについて、SanDiskディレクター、リテール製品マーケティングのスーザン・パーク氏が新製品の戦略を、それぞれ紹介した。

 青柳氏は1998年に初めて発売したCF製品と現在を比較。4~96MBの11モデルをラインナップしていた。今は16/32/64/128GBと本日発表の256GBへラインナップを集約しているものの、容量は1,300倍。速度については、2001年に初めてスピード表記された際の2.8MB/secから100MB/secクラスへと35.7倍以上も高速化している。

 また、リテール市場において世界1位の地位を築いているが、それ以上に、2012年8月の調査で85.5%のプロカメラマンがSanDisk製品を“安心のブランド”として評価したことを強調。このことを誇りに思っていると同時に、この評価を継続的に得られるようフォーカスしていくとした。

 パーク氏も同様にプロユーザーに向けた製品であることを強調。プロ分野では速度と容量に対する用途が静止画、動画問わず重視されているとし、特に普及が見込まれる4Kビデオにおいては、1分間のビデオ撮影に4GBが必要で、62.5MB/secの転送レートが継続的に必要になるという。今回発表されたエクストリーム プロのVPG65であれば対応できることをアピールした。

 また、プロフェッショナルビデオの分野に対しては、CFast 2.0製品についても紹介。米国で9月に発表されたもので、読み込み最大450MB/secの高速なフラッシュメモリカードとなる。海外ではビデオカメラなどにバンドルしてすでに販売しているそうだが、国内での発売は未定。発表会でも参考展示に留まった。

サンディスク代表取締役マネージング・ディレクターの青柳マテウ氏
SanDiskディレクター、リテール製品マーケティングのスーザン・パーク氏
国内発売は未定だが、ビデオ分野のプロフェッショナル向けカード「CFast 2.0」準拠製品
1998年に発売されたリテール向けCF
昨日までの最大容量である128GBと比較すると最大容量は1998年の1,300倍
転送速度も表記を始めた2001年と比較して飛躍的に向上した

 発表会の後半では、モーターフォトグラファーとして知られる熱田護氏やスポーツフォトグラファーの水谷たかひと氏、タレントの南明奈さんを招いてのトークセッションが開かれた。

 熱田氏と水谷氏は、写真家をサポートするためにサンディスクが結成した「エクストリーム・チーム」のメンバー。サンディスクの広告に使われた両氏の写真などが紹介された。

 その写真について両氏は、「8月の鈴鹿のレースで撮ったもの。5,000枚ぐらい撮った中の1枚。5,000枚のうち何枚が使える写真かは恥ずかしくて言えません(笑)。でも自分で気に入る写真はそんなにはないですね」(熱田氏)、「600mmのレンズに2倍のエクステンダーを入れて1,200mmで撮ったもの。2,000枚ぐらい撮りましたが、この1カットだけがお気に入り。会心の1枚ということで使ってもらいました」(水谷氏)と撮影秘話を紹介。

 メモリカードについて考えを聞かれると、水谷氏は「カメラ、レンズも大切だけど、メディアも選定が重要なものになってきている。熱いところや寒いところへ行って、過酷な状況にあるのはメディアも同じで、サンディスクは100%信頼しています。これだけは自信を持って言えます」と太鼓判。新製品については「一足早くテストさせてもらったんですが、PCに取り込む時間がとにかく早い。取り込みが5分早くなるだけでも全然違う。本当に助かります」と紹介した。

 熱田氏は「2年ぐらい前なんですが、朝から30人ぐらいでCMのロケ撮影をしていて、お昼ごろにファミレスに入ったときに、メモリカードを水に落としてしまったんです。すごく長く感じたけど1分ぐらいでしょうか。そのカードには朝からのみんなの苦労が詰まってるわけですね。それを取り出して、無駄とは思いつつも読み込みを試してみたら、ちゃんと読み込めたんです。それがサンディスクのカードでした」とエピソードを披露した。

 アッキーナこと南明奈さんは、カートレーサーとしても知られており「スピードを追い求める究極の姿が重なる」としてサンディスクの発表会に招待された。カーレースの撮影についても、以前に水谷氏と共演して挑戦したことがあるそうで、「最初は止まって見えてスピード感が出なかったけど、水谷さんに教えてもらい、上手く撮れててビックリしました」とコメント。一方で水谷氏は「ピントを合わせて、徐々にシャッタースピードを落として……ということを普通の人は何年もかけて練習するのに、アッキーナはすぐに身に付けたんですよ」と、そのセンスの良さに脱帽していた。

トークセッションに登壇した(左から)南明奈さん、水谷たかひと氏、熱田護氏
熱田さんと水谷さんの作品と、この写真を撮影したときの状況を紹介
“高速なスピード”のイメージから招かれた南明奈さん
南明奈さんはカートレーサーの腕前にも定評
サンディスク青柳氏から南さんにエクストリーム プロをプレゼント

(多和田 新也)