キヤノンは、インクジェット「PIXUS」シリーズを刷新し、10月上旬より順次発売する。価格はすべてオープンプライス。

　2012年モデルのテーマを「心地よい生活提案」としており、特にフラグシップ最上位の「MG6330」の開発に注力した。また、全モデルWi-Fi対応とし、スマートフォンやタブレットとの連携を強化。Wi-Fi経由のPictBridgeにも対応した。

　MG6330は、店頭予想価格が3万円前後のフラグシップモデル。10月上旬発売。

　デザインの面では、台形をモチーフとした独特のデザインで、高さを148mmに抑えた「ロースタイル」を採用。2011年の「MG6230」からは約25mm低くなった。前面パネルを底面と並行して持ち上げるタイプのカバーに変更することで、インクカートリッジ交換時の高さも従来から123mm抑えた182mmとした。

　また、本体色はブラック、ホワイト、ブルー、パープル、グリーンの5色展開による「Newカラーコンセプト」を採用。ホワイトモデルはシンプルな1色だが、ブラックモデルはアンバー、ブルー/パープル/グリーンはそれぞれの色をアクセントカラーとしたグラデーションとなっている。このグラデーションの実現は、それぞれのアクセントカラーをベースとし、上から半透明なブラックの素材をかぶせ、徐々にブラック素材を薄くしていくことで色が現れるような工夫をこらしている。

ブラック	ホワイト	ブルー

パープル	グリーン

　使いやすさの面では、無線LANによる自動電源ON、印刷時の自動排紙トレイオープン、前面の2段カセット給紙、自動両面印刷などに対応。印刷速度もモノクロ15ipm/カラー10ipmに向上した(従来はそれぞれ12.5/9.3ipm)。さらに、騒音を約51.6dBから39.6dBに低減するサイレントモード、操作に必要なキーだけバックライトがつく「インテリジェントタッチシステム」、赤～オレンジ～黄色の再現性と容量が向上した新インクなどを取り入れた。アプリケーションでは新たに印刷やスキャン、画像加工、ファイル管理が一括で行なえる「My Image Garden」を用意した。

インク交換時の高さも抑えられた	2段給紙のカセット	上段にはがきをセットしたところ
印刷時は自動的にトレイがオープンする	新しくなった6色のインク	インテリジェントタッチシステム

　プリンタ部の主な仕様は、最大解像度が9,600×2,400dpi、最小インク量が1pl、ノズル数が合計6,656本、インクが6色、対応用紙がA4～B5、レター、リーガル、L判、はがきなど。給紙枚数はトレイ下段が普通紙125枚、上段がはがき40枚。

　スキャナ部の主な仕様は、センサーがCIS、解像度が2,400×4,800dpi、出力階調がモノクロ8bit/カラー24bit。対応用紙はA4～レター。

　3.5型のタッチ対応液晶ディスプレイを搭載する。インターフェイスはUSB 2.0、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN、Ethernet。本体サイズは約466×369×148mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約8.4kg。

　「MG5430」はMG6330に似た台形をモチーフとしたデザインを採用するが、液晶はタッチとインテリジェントタッチシステム非対応の3型に変更され、インクが5色、ノズル数が計5,120本となる。また、カラーはブラックのみで、Ethernet対応も省かれている。それ以外の仕様はほぼ共通。店頭予想価格は28,000円前後の見込み。10月上旬発売。本体サイズは約455×369×148mm(同)、重量は約8kg。

　MG5430のプリント部をベースにしたインクジェット単機能プリンタ「iP7230」も同時発売する。店頭予想価格は17,000円前後の見込み。本体サイズは約451×368×128mm(同)、重量は約6.6kg。

MG5430	iP7230

　「MG4230」、「MG3230」は丸みを帯びたスクエアデザインのシンプルな4色インクモデル。店頭予想価格はそれぞれ16,000円前後、1万円前後の見込み。10月上旬発売。

　プリンタの解像度が4,800×1,200dpiとなり、インクサイズは2pl、ノズル数は計1,792本となる。また、給紙トレイは1段のみで、自動両面印刷は普通紙のみ対応、はがきは非対応となっている。Wi-Fiによる自動電源ONをサポートするが、排紙トレイは手動で開く。MG4230は2.5型液晶ディスプレイを搭載、MG3230は非搭載。スキャナも解像度が1,200×2,400dpi止まりとなる。インクカートリッジはカラーが3色一体型で、上位モデルのように色毎の購入はできない。

　本体サイズは共通で約449×304×152mm(同)、重量はMG4230が約5.7kg、MG3230が約5.5kg。

MG4230	MG3230

　「PRO-10」および「PRO-100」はプロ向けのA3ノビに対応したインクジェット単機能機。店頭予想価格はそれぞれ9万円前後、6万円前後の見込み。11月上旬発売。

　現在12色インクシステムの「PRO-1」が発売中だが、PRO-10では10色、PRO-100では8色にすることで価格を抑え、新たにIEEE 802.11b/g/n対応無線LANに対応した。解像度はいずれも4,800×2,400dpi、インクサイズはPRO-10が全弾4pl、PRO-100が全弾3pl。

　インターフェイスはUSB 2.0、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN、Ethernet。本体サイズは約689×385×215mm(同)、重量はPRO-10が約20kg、PRO-100が約19.7kg。

PRO-10	PRO-100