株式会社東芝は29日、米Western Digital(WD)の3.5インチHDD製造設備を取得し、東芝のタイ製造拠点をWDへ売却する契約を結んだと発表した。関係当局の認可を経て3月下旬までに資産取引を完了させる予定。

　本契約により、東芝はWDが所有する3.5インチのデスクトップPC/家電向け一部製造設備、および知的財産、ニアライン向けの一部製造設備を譲り受ける。一方、東芝のHDD製造拠点の1つである東芝ストレージデバイス・タイ(TSDT)の全株式をWDに譲渡する。

　なお、この資産取引は、WDが従来から進めている日立グローバルストレージテクノロジーズの株式取得完了、および関係当局の認可が前提となる。

　東芝は、既存HDD製品ラインナップに3.5インチHDDを加えることで、HDD全分野の製品提供が可能となる。また、今後サーバー市場の拡大に伴う市場拡大が見込まれるニアライン向けの供給能力を増やす。

　一方WDへTSDTの株式売却をすることにより、東芝はフィリピンの製造拠点と中国の生産委託先に生産を集約することで効率性を高め、コスト競争力を高めるとしている。