NECパーソナルコンピュータ、仙台に個人向けPCのサポート拠点を開設
~「AKK74」で全国からの問い合わせ増加に対応

121コンタクトセンター仙台が入居する仙台市内の仙台トラストタワー

11月1日 開始



 NECパーソナルコンピュータは1日、宮城県仙台市に、個人向けPCの商品使い方相談窓口「121(ワントゥワン)コンタクトセンター仙台」を開設。同日午前9時からサポート業務を開始した。

 同社では、2012年1月から、電話相談の無償化を予定しており、今回の新コンタクトセンターの開設は、そのサービスに向けての体制強化の1つと位置づけている。

NECパーソナルコンピュータ カスタマーサービス本部の鳥谷部秀喜本部長

 NECパーソナルコンピュータ カスタマーサービス本部の鳥谷部秀喜本部長は、「2012年1月以降のサポート無償化によって、4割ほどコール数が増加すると考えている。仙台に新たにサポートセンターを開設することで、コール数の増加に対応していく。また、東京・大森や大阪などの既存のコールセンターの陣容も拡大する」と語る。

 121コンタクトセンター仙台では、NEC製PC購入後のPCおよび周辺機器、搭載ソフトウェアの基本的な設定方法や使い方などに対応。営業時間は、年中無休で午前9時から午後7時まで。

 問い合わせ番号は全国統一となっており、利用者はどのセンターにつながっているのかはわからない。仙台のコンタクトセンターでも全国からの問い合わせに対応することになる。

 121コンタクトセンター仙台で実際の業務を行なっているのはサポート専門会社のキューアンドエー。長年に渡り、NECと協力関係にあり、NECパーソナルコンピュータの出張サポートサービスなども委託している。仙台市内では複数のコンタクトセンターを運営しており、今回のサポートではその1カ所を利用する。

 7月に委託契約を行ない、その後、キューアンドエーが仙台市内での雇用を開始。当初は74人体制でスタートする。

121コンタクトセンター仙台の内部の様子オペレータの机はこんな形になっているサービス開始5分前に自分の席につくオペレータたち
オペレータは全員が121コンタクトセンターのロゴが入ったユニフォームを着用するキャッチフレーズは「仙台から安心と感動を全国のお客様に発信しよう」オペレータが休憩時間に利用できる部屋には畳もある

 鳥谷部本部長は、「121コンタクトセンター仙台が入居している建物が、震災対策に優れており、東日本大震災の際にも夕方には、電気、水道が復旧したと聞いた。自信を持って仙台に拠点を置いた」としたほか、「仙台は大きな大学もあり、いい人材を確保できる。やさしく、粘り強いという県民性にも期待している」と語った。

 2012年3月までに、用意された100席をフルに活用する体制に拡張し、2交代で対応できるように、パートを含めて200人体制に拡大するという。また、今後のコンタクトセンターの利用状況を見ながら増強を図る計画もある。

 なお、レノボ・ジャパンから委託し、10月1日から同社が行なっているレノボ製品のコンシューマ向け電話サポートサービス「レノボ・スマートセンター」の対応は、仙台の拠点では行なわない。

 11月1日午前8時20分から、仙台市内の121コンタクトセンター仙台で行なわれた開所式では、NECパーソナルコンピュータ カスタマーサービス本部の鳥谷部秀喜本部長が挨拶。「売り上げは会社の元気の源、利益は事業の自信の証、シェアは信頼の証。信頼を支えているのがコンタクトセンターである。NECパーソナルコンピュータは、レノボグループとして世界第2位のシェア、日本では圧倒的第1位のシェアを持つ。その製品のサポートを担っている誇りと自信を持ってほしい。サポートではみなさんが主役になる」とした。

 来賓の挨拶として、宮城県震災復興・企画部情報産業振興室の大山明美室長は、「121コンタクトセンター仙台が入居する仙台トラストタワーは、最高水準の耐震性と非常用電源を確保しており、意欲と誇りを持って、安心して勤務できる環境にある。持てる力を十分に発揮して欲しい。東日本大震災以降、宮城県内における雇用環境が悪化しており、とくに事務系の求人が少ない。そうした中、コンタクトセンターは、立地から立ち上げまでの期間が短く、性別や年齢に関係なく雇用が生まれる。雇用状況の改善には即効性がある。今回の121コンタクトセンター仙台の開設は宮城県としても期待するところが大きい」とした。

 また、仙台市経済局産業政策部の福田洋之部長は、「仙台は人材レベルでも高い水準にあると考えている。今回の121コンタクトセンター仙台の開設は、人材面での評価をいただいたと思っている。仙台市内の雇用の創出につながるものと期待している」と語った。

 一方、キューアンドエーの小山琢取締役は、「国内ナンバーワンシェアのメーカーの製品をサポートしていくという自信を持って取り組んでほしい。3月に仙台市内を訪れた時にはホテルではお湯が出なかったが、半年間で大きく復興した。仙台の復興の勢いをさらに加速するという点でも、仙台のコンタクトセンターの取り組みに期待している」とした。

 さらに小山取締役は、「NECパーソナルコンピュータでは、安心、簡単、快適なパソコン使用環境の提供を経営方針に掲げている。安心、簡単、快適は社内ではAKKと略している」という鳥谷部本部長の言葉を引用。「121コンタクトセンター仙台の最初のメンバーは74人。AKB48ならぬ、AKK74のセンターとしてかんばろう」と呼びかけた。

 121コンタクトセンター仙台の門馬圭吾センター長は、「すばらしい立地において、仙台の仲間とともに121コンタクトセンター仙台を立ち上げることができた。今日からセンターが稼働するが、全国のお客様からいただいた電話に対して、最高の品質、感動を提供し、NECパーソナルコンピュータに対して最高の実績として還元したいと考えている。スタッフ一同最大限努力していく。仙台から安心と感動を全国のお客様に発信しよう」と語った。

宮城県震災復興・企画部情報産業振興室の大山明美室長仙台市経済局産業政策部の福田洋之部長キューアンドエーの小山琢取締役
開所式で行われたお祓いの儀。社員が全員参加した
玉串奉てんを行なうキューアンドエーの小山琢取締役開所式でテープカットを行なう(左から)仙台市経済局産業政策部の福田洋之部長、NECパーソナルコンピュータ カスタマーサービス本部の鳥谷部秀喜本部長、キューアンドエーの小山琢取締役、宮城県震災復興・企画部情報産業振興室の大山明美室長121コンタクトセンター仙台の門馬圭吾センター長

(2011年 11月 1日)

[Reported by 大河原 克行]