ハギワラシスコム、民事再生法の適用を申請

3月31日 発表



 株式会社ハギワラシスコムは3月31日、名古屋地方裁判所へ民事再生法の適用を申請したことを明らかにした。負債総額は107億円。

 同社は、半導体メモリを利用したコンピュータ関連の製品や、サービスの企画、開発などを行なう専業会社。USBメモリやSDカード、CFなどのフラッシュメモリで代表されるコンシューマのほか、産業機器組み込み用ストレージ製品、危機管理サービスなどの法人ビジネス向製品の企画や開発、販売などを行なっていた。

 1995年に企画開発したデジタルカメラ向けのフラッシュメモリ製品がヒットし、それ以降フラッシュメモリ製品の企画や開発、販売などを事業の核として展開し、ピーク時の2004年5月末の決算期で約319億円の売上高を計上していた。

 しかし、コンシューマ向けフラッシュメモリ関連ビジネス市場の伸びが鈍化し、多数の競合企業が参入して競争が激化。さらにフラッシュメモリ製品の販売単価が下落するとともに、取引先から販促および在庫対策として多額のリベートの支払いを要請された。

 そのため、安定した収益が確保可能な法人ビジネス向け事業への転換を図ったが、想定より事業の立ち上がりが遅れ市場の開拓に手間取った。また、リーマンショック以降のコンシューマ市場の低迷と、事業リストラクチャリングや販売管理コストの見直しが遅れ、さらに業績が悪化した。

 そこでリストラクチャリングを実施する一方で、2010年から取引先に対して弁済猶予などを願い出たが、取引先金融機関の与信姿勢が厳しさを増し、結果的に資金繰りが以前に増してタイトとなった。さらに2011年3月に、資金繰りの上で予定していた金融機関から融資が得られないことなどから、今回の民事再生手続開始の申立てに至ったという。

(2011年 3月 31日)

[Reported by 劉 尭]