インテル、第2世代Coreプロセッサー・ファミリーを紹介
~インテル・フォーラム 2011を開催、500人の業界関係者が参加

インテル・フォーラム 2011

1月18日 開催



 インテル株式会社は18日、第2世代インテル Core プロセッサー・ファミリーを紹介する「インテル・フォーラム 2011」を、東京・六本木のグランドハイアット東京で開催。約500人の業界関係者が来場した。

基調講演に登壇したインテルの吉田和正社長

 基調講演に登壇したインテルの吉田和正社長は、第2世代インテルCore i5プロセッサーをはじめとする最新マイクロプロセッサーを紹介。これによって実現される新たなビジュアルライフについて説明した。

 冒頭、吉田社長は、83%という数字を提示し、これは何かと会場に質問した。

 答えは、五感における情報認識の83%がビジュアルであるということ。吉田社長は、コミュニケーションにおいてビジュアルの共有が重要であり、ビジュアルこそが日常のコミュニケーションの大半を占めていることを示してみせた。

 さらに、全世界において20億人を超えるインターネット利用者が、122億ものオンライン動画を視聴している実態や、25億もの画像が毎月Facebookにアップロードされていること、2013年にはIPトラフィックの90%がビデオになるといった予測などを示しながら、「これらを編集したり、見て感動するといったことはPCだからこそできるものであり、PCによる優れたビジュアル体験を提供することが必要。PCの役割はますます重要になり、PCの進化は加速する」と強調した。

五感における情報認識の83%が視覚20億人のインターネット利用者が、多くの動画や写真を視聴

 また、吉田社長は、今後の世界を「ビジュアルの共有から、共体験へ」と定義し、「目の前で体験しているような臨場感のある新次元のビジュアル体験が、PCのパフォーマンスとの融合によって実現する。そして、その世界は、これからはもっとエキサイティングになる。リアルとデジタルの境界を越えるユーザー体験が可能になる」などとした。

 第2世代インテル Core プロセッサー・ファミリーについては、「新たな革新の始まり」としながら、43のCPUやチップセットなどがインテルから用意されること、これらが500を超える製品に搭載される予定であることを紹介。さらに、インテル ターボ・ブースト・テクノロジー2.0をはじめとする機能強化によって、「スマート・パフォーマンス(スマートな性能)」と「ビルトイン・ビジュアル(優れたビジュアル体験)」として強化。この2つの側面から、第2世代インテルのCore プロセッサー・ファミリーが、ビジュアル面で大幅に強化していることを紹介した。

第2世代Coreプロセッサー・ファミリーのウェハを持つ吉田社長第2世代Coreプロセッサー・ファミリーを見せる吉田社長

 「3年前のPCに比べて3.6倍の高速化を実現している。また、1年前のPCに比べても1.6倍の高速化を実現した。30分かかっていた作業が5分で、5分かかっていた作業が1分で済む」などと語る。

 デモストレーションでは、オンラインゲームやHD動画の編集作業のほか、インテル ワイヤレス・ディスプレイ(Wi-Di)により、インターネットコンテンツを、大画面で手軽に表示できる様子を示してみせた。

 「インテル ワイヤレス・ディスプレイによって、PCを使用して自分で作ったものを、ワイヤレスで大画面TVに飛ばし、それを家族や友人と共有できる。こうしたビジュアル体験も簡単にできるようになる」とする。

 吉田社長は、「スマート・パフォマーンスとビルトイン・ビジュアルによって、『Visibly Smart』の世界がやってくる。直感的な操作で、スマートに利用でき、表現の仕方、コンテンツの作り方が変革され、新たな世界を実現する」と語った。

第2世代Coreプロセッサー・ファミリーの特徴や性能を紹介

 また、「これはPCだけにとどまらず、街や駅、店頭といったサイネージの領域にまで広がり、あらゆる場面でビジュアルライフを楽しむことができる」とし、ここで、東京スカイツリーのライティングデザイナーである有限会社シリウスライティングオフィスの戸恒浩人社長がゲストで登場した。

 2011年12月に竣工し、2012年春に開業を予定している東京スカイツリーのライティングは、「永遠に続く江戸の心の光で表現し、過去100年・未来100年、みんなの心に届く光をデザインしたい」をコンセプトにしたと説明。江戸が持つ「粋」と「雅」という2つのラインティングを用意していることを紹介した。また、CGを活用して照明シミュレーションを行ない、それが実際の試験のときには同じ結果が出たことなどを示し、「こうしたテクノロジーに支えられて、強い気持ちで東京スカイツリーのライティングを実現できる」とした。

ゲストで登壇した有限会社シリウスライティングオフィスの戸恒浩人社長「永遠に続く江戸の心の光で表現し、過去100年・未来100年、みんなの心に届く光をデザインしたい」がコンセプト

 吉田社長は、「ビジュアルの象徴である東京スカイツリーにおいても、ITの力が大きく生かされている。東京スカイツリーのライティングの話からも、PCにはさらに性能が必要であり、そして、それを活用した新たなイノベーションを実現できるのが日本であると感じた。新たなテクノロジーを通じて、イノベーションを生み出したい」とまとめた。

ポール・オッテリーニCEOのビデオレター

 また、ポール・オッテリーニCEOがビデオレターで登場。「第2世代のCoreプロセッサー・ファミリーはすばらしい体験を提供する。PCメーカー、ソフトウェアメーカーの支援に感謝する」とした。

 最後に吉田社長は、「最新のプロセッサによって、パートナーとともに、新たな一歩を力強く踏み出したい」と締めくくった。

 基調講演終了後の報道関係者を対象にした質疑応答では、「日本の市場は、上位製品から出ていく傾向がある。秋葉原の発売でも上位モデルから売れている。日本は、アプリケーションやメディアが他の国に比べてリッチであり、第1世代においても、日本におけるi5の比率は日本が最も高い国だっただろう。第2世代における日本での訴求として、性能、ビジュアル、アプリケーションとの組み合わせによる訴求をしていく」などと語った。

第2世代インテルCoreプロセッサー・ファミリーを搭載したPCメーカー各社の首脳陣が登壇基調講演終了後の質疑応答の様子

 また、マイクロソフトのWindowsがARMに対応することについては、「新しい技術が市場に広がっていくことは、業界にとっても大切であり、インテルにとっても重要。Windowsが、インテルとは異なるアーキテクチャーに展開することはこれまでにあまり例がなく、Windows CEの時にあった程度。イノベーションは1社ではできない。Windowsが新たなアーキテクチャーでサポートされたことによって、競争が起こり、付加価値が加速される。インテルの付加価値を最大限発揮できるようになる。イノベーションが起こりやすい環境であり、これはインテルにとって価値がある」などと答えた。


 別会場では、第2世代インテルCoreプロセッサー・ファミリーを搭載した各社の最新PCやデモなどが展示された。

ASUSが参考展示したG73Sw。Core i7-2630QMプロセッサーを搭載アプライドではサイレントアーマーを展示。Core i7-2600プロセッサーを搭載しているオンキヨーは一体型PCのE723を参考展示。Core i5-2400Sプロセッサー搭載
NECパーソナルプロダクツはCore i7搭載のVALUESTAR LとCore i5搭載のVALUESTAR Lを参考展示デルはCore i7-2720QMプロセッサーを搭載したALIENWARE M17xなどを展示した
東芝はCore i5プロセッサーを搭載したdynabook Qosmioを参考展示エプソンダイレクトではCore i7-2620QMプロセッサーとCore i7-2620Mプロセッサー搭載のノートを参考展示した
日本ヒューレット・パッカードはHP Pavilion Desktop PC PE-580jp/CTなどを展示パナソニックは、Let'snote Sシリーズを参考展示富士通は発表したばかりのFMV LIFEBOOK AH77/Cなどを展示していた
日本エイサーはAspire Predator AG3600など3製品を参考展示した
マウスコンピューターはLUV MACHINESシリーズなどのほか、G-tuneのNEXTGEAR-NOTE i940PA1を参考展示クレバリーはCOORDY'S I Standard Slim VL6を展示
KOUZIROではFRONTIERシリーズの新製品を展示していたサイコムではRadiant G-Master LanceIIIなどを展示サードウェーブではPrime Galleria XFなどの製品を展示
Project WhiteではG-GEARおよびeX.computerエアロストリームを展示ユニットコムではLesanceシリーズの製品を展示レノボ・ジャパンはThinkPad Edge E520を参考展示していた
ソフトウェア・ショーケースではカプコンやコーレルなど8社が第2世代Coreプロセッサー対応アプリケーションをデモストレーションインテル ワイヤレス・ディスプレイの展示も行なわれた組み込みソリューションでは参考展示が目白押し。これはアドバンスクリエートの3D疑似水槽システム
Worldbridge T&TのMEDIA BOARD。マルチタッチデジタルサイネージブイシンクの3Dデジタルサイネージパイオニアソリューションズのディスカッションテーブル
第2世代のインテル Core i7プロセッサー

(2011年 1月 18日)

[Reported by 大河原 克行]