シャープ、PC生産から撤退、GALAPAGOS事業に注力

ネットブック「Mebius PC-NJ70A」



2007年に発売された“インターネットAQUOS”「PC-AX80V-W」。液晶TVとの組み合わせによる製品

 シャープが、PC本体の生産を終了していたことが判明した。

 シャープのパソコン事業は、4bit CPUマイコンキットに始まり、半完成品キットのMZ80Kを経て、完成品としては1980年に発売された8bit CPUのMZ80Cシリーズが最初の製品であった。

 以来、MZシリーズとは別系列のX1/X68000シリーズを経て、近年はMebiusシリーズのノートPCと、大型液晶ディスプレイと組み合わせた「インターネットAQUOS」が主力となっていた。

 現時点では、2009年10月に発売されたネットブック「Mebius PC-NJ70B」、「同80B」が最新製品となっている。

 シャープでは、弊誌の取材に対し「今後は、従来のハードを中心としたパソコン事業から脱却し、ハードとコンテンツ配信を融合させた当社ならではのGALAPAGOS事業を展開していきます」とコメントしており、9月に発表された、電子ブックサービス事業へ注力する方針を明らかにしている。

 シャープのパソコンは、8bit時代のクリーンコンピュータ思想、X1以来のTVとの親和性の高さ、最新液晶技術の導入、非Intel系x86 CPUの積極的な採用など、多くの特徴があり、PC本体からの撤退は惜しまれる。今後のGALAPAGOS事業でも、新しい技術へ挑戦する伝統が生かされることを祈りたい。

(2010年 10月 22日)

[Reported by 伊達 浩二]