ベンキュー、液晶ディスプレイ/プロジェクタ新製品を展示
~LEDバックライトのVAパネルを訴求

VW2420H

9月8日 開催



 ベンキュージャパン株式会社は8日、都内で新製品展覧会を開催。同日発表のプロジェクタ新製品や、発表済みもしくは今後発売予定の液晶ディスプレイを展示した。本稿では主に液晶ディスプレイについてレポートする。

●LEDバックライト+VAパネル

 まず、発売済「VW2420H」と、近日発売予定の「EW2420」の2製品を展示した。

 VW2420Hの詳細については過去記事を参照されたいが、発売予定のEW2420と同様に、LEDバックライトとVAパネルの組み合わせを採用したのが最大の特徴。ベンキューは液晶パネルメーカーであるAUOと同じグループ企業のため、他社に先駆けて製品化することができたという。

 VAパネルの特徴としては、素子に電圧をかけない状態で黒を表現するため、逆の仕組みであるTNパネルより深みのある黒を再現できる。これにより、標準コントラスト比3,000:1、最大コントラスト比2,000万:1を実現した。

 両製品ともに、24型のサイズで、解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)だが、EW2420はVW2420HからHDMI入力端子を1基から2基に増やしているほか、電源を内蔵して利便性を高めた。一方VW2420HはACアダプタを利用しているが、その代わり最薄部15mmを実現。傾斜のある円形の台座を採用し、デザイン重視のモデルとなっている。両者ともにミニD-Sub15ピンとDVI-D入力も備える。

 展示会場ではTNパネルモデルとの画質比較や、CCFLモデルとの消費電力比較などが行なわれた。

VW2420HEW2420VW2420HとTNモデル(V2420H、写真右)の画質比較
EW2420とCCFLバックライトモデル(E2420HD、写真左)との消費電力比較VW2420Hは薄型でデザイン重視EW2420は電源内蔵のため厚みがあるが、機能性重視となっている

●液晶の参考展示モデル

 日本での発売が未定な製品として、ビジネス向けの4モデルを展示した。

 中でも目玉となるのは「BL2400PT」で、上記の2モデルと同様にLEDバックライトとVAパネルを採用しながらも、エコセンサー、ピボット/スイベル/昇降機能付きスタンドと、DisplayPort入力を備えるなど、ビジネス向け機能を付加させた。液晶サイズや解像度、コントラスト比などの仕様は上記2モデルと同じ。

 エコセンサーは、ディスプレイの前から人がいなくなると、約40秒程度でバックライトをOFFにするもので、これにより未使用時の消費電力を抑えられる。ユーザーとの距離は3段階で調節可能という。また、周囲の環境に合わせて輝度を自動調節でき、目への負担を減らせるとしている。

BL2400PT人が検出されないと一定時間でバックライトがOFFになる

 「BL2201」は、1,680×1,050ドット(WSXGA+)表示対応の22型液晶ディスプレイ。BL2400PTと同様にピボット/スイベル/昇降機能付きのスタンドや、LEDバックライト、エコセンサーなどの機能を搭載するが、パネルはTNを採用。コントラスト比は1,000:1(最大1,200万:1)。インターフェイスはDVI-D、ミニD-Sub15ピンの2系統。

 このほかLEDバックライトを搭載するローエンドモデルとして、フルHD表示対応の22型「GL2230M」、1,366×768ドット表示対応の18.5型「GL930M」も参考展示された。いずれもインターフェイスはDVI-D、ミニD-Sub15ピンの2系統。

BL2201GL2230MGL930M

●プロジェクタや電子ブックリーダなど

 同日付けで発表されたプロジェクタは、いずれも短焦点レンズを採用するのが特徴。いずれも10月上旬発売で、価格はすべてオープンプライス。

MS612ST

 「MS612ST」は800×600ドット(SVGA)に対応したモデル。店頭予想価格69,800円前後の見込み。2,500ルーメンや5,000:1のコントラスト比を実現し、1mで55型相当の投影が可能。120Hzでの投影も可能で、別売りの専用3Dメガネ(実売価格13,000円前後)と組み合わせることで3Dを実現できる(ただしHDMIは120Hz非対応)。

 インターフェイスはミニD-Sub15ピン、S端子、コンポジット、HDMI入力などを備える。USB端子を備え、保存されたJPG/GIF/BMP/TIFF/PNG形式の画像を直接投影可能。本体サイズは312×244×104mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.65kg。

 「MW811ST」は1,280×800ドット(WXGA)に対応したモデル。店頭予想価格は99,800円前後の見込み。2,500ルーメンや4,600:1のコントラスト比を実現し、1mで95型相当の投影が可能。120Hzで3Dに対応するほか、ユニークな機能として「LANディスプレイ機能」を搭載。Ethernet端子を備え、LAN上にあるPCの画面を投影できる。最大4画面の同時投影も可能。

 インターフェイスはミニD-Sub15ピン×2、S端子、コンポジット、Ethernet、USBなどを備える。本体サイズは290×252×128mm(同)、重量は約3.4kg。

 「MX812ST」は1,024×768ドット(SXGA)に対応したモデル。店頭予想価格は198,000円前後の見込み。3,500ルーメンや4,600:1のコントラスト比を実現し、1mで81型相当の投影が可能。120Hzで3Dに対応し、LANディスプレイ機能を備える。

 インターフェイスはMW811STとほぼ同じ。本体サイズは290×252×128mm(同)、重量は約3.3kg。


MW811ST/MX812ST(筐体は共通)
オプションの3Dメガネ。アクティブシャッター式3D映像を映し出せる

 このほか、展示会場で電子ブックリーダを参考展示。最大の特徴はタッチパネルを搭載したことで、PDF中のハイパーリンクを画面の上から直接選択することができるようになっている。日本での発売時期は未定。

参考展示された電子ブックリーダ。タッチパネルを搭載するUSB端子を備え、充電が可能。また、ヘッドフォン端子を備え、MP3の再生も可能

(2010年 9月 8日)

[Reported by 劉 尭]