東芝、急速充電池「SCiB」の量産工場を建設開始

柏崎工場の外観イメージ

3月19日 発表



 株式会社東芝は19日、二次電池「SCiB」(Super Charge ion Battery)の量産工場を、新潟県柏崎市の柏崎フロンティアパークに建設開始したと発表した。10月に竣工し、2011年春からの量産開始を計画する。

 SCiBは、5分間で90%以上の容量を急速充電できる新型の充電池。独自の負極材、セパレータ、電解液などにより優れた特性バランスを実現している。急速充電以外の特徴として、3,000回の急速な放充電を繰り返しても容量の劣化が10%未満に収まる長寿命性能、新材料により内部短絡や熱暴走を起こしにくい安全性、高い入出力性能、-30℃の環境でも十分な放電が行なえる低温性能などを備えている。

 当面は、電動車両用途のSCiBセルモジュールの生産を計画。月産は量産開始時に50万セル、2011年度中に生産能力を順次拡大する。

CEATEC JAPAN 2008での参考出展

 新工場は設備を自由に配置できる「ボールルーム方式」を採用。需要や品種の変化に対応できる構造にする計画で、ノートPC用途のSCiBも期待される。SCiBは2007年12月に事業化を発表し、2008年のCEATEC JAPANでは、ノートPC用SCiBを参考出展をしていた。

(2010年 3月 19日)

[Reported by 山田 幸治]