富士通、リアルポケットサイズPC「LOOX U」をアピール

佐相秀幸執行役員常務

1月18日 開催

価格:オープンプライス



 富士通株式会社は18日、2010年春モデルPCとして、“Real Pocket Size PC”「LOOX U」シリーズをはじめとする、8シリーズ17機種を発表した。

 富士通 執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ長の佐相秀幸氏は、「昨年10月のWindows 7の発売以降、個人向けPCは堅調な動きを見せている。今回の製品で、2010年のスタートダッシュを図りたい」と語り、「今回は力作揃いであり、実際に製品を手にとって、富士通らしさや、Wow!感といったものを実感してもらいたい」とした。

富士通のPC事業における4つの取り組み

 冒頭、佐相執行役員常務は、富士通のPC事業では、現在、4つの観点取り組んでいるとして、「富士通シーメンス・コンピューターズ統合によるグローバルシナジーの追求」、「わくわく感のある骨太特長の創出による差別化の追求」、「ヒューマンセントリック社会におけるフロントエンド・クラウド技術の統合による新たな価値創造」、「日本でのものづくり『MADE IN JAPAN』へのこだわり」について、それぞれ説明した。

 佐相執行役員常務は、「富士通シーメンス・コンピューターズを100%子会社化した富士通テクノロジーソリューションズは、サーバーとPCを主体とした会社であり、これにより、これまで一本化されていなかったグローバルなプラットフォームを共通化でき、共通のサービス、サポートを提供できる。富士通のPCがグローバルで通用するように取り組んでいく。また、ここ数年、Wow!感のあるものが出せていなかったが、世界初、PC初といったキーワードを持った製品を開発していきたい。携帯電話事業では、骨太の特徴という言い方をしているが、ひと言でいえる特徴を持った、富士通らしいPCをこれからも投入していきたい」とした。

 また、「富士通は、今後の方向性としてクラウドへの取り組みを打ち出している。ここでは、BtoBが中心となるが、その先には必ずC(コンシューマ)がある。PCは、ヒューマンセントリックコンピューティングを実現するフロントエンド機器であり、そうしたことを念頭において富士通の技術戦略を定める必要がある。さらに富士通は、国内生産にこだわり、お客様に安心して使っていただくための品質を実現している。これが1番のキーである。日本でのきめ細かな品質を実現するというだけでなく、スパコンのシミュレーション技術を使って、落下、衝撃、静電気といった課題を解決することもできる。技術に裏打ちされた品質を、開発と製造が一緒になって作り込んでいる」などとした。

齋藤邦彰本部長 富士通のFMVシリーズの開発コンセプト

 一方、富士通 パーソナルビジネス本部の齋藤邦彰本部長は、「FMVはライフパートナーとして、多くの方々に、多くの場所で、多くの時間にPCを役立てていただけることを目指す」とし、「開発コンセプトには、わくわく感のある商品の提供、超軽量、超小型を追求する『Innovative』、Made in Japanにある安心感を実現する『Trustworthy』、かんたん、使いやすさを追求した『Comfortable』の3点を掲げ、FMVライフパートナーを実現する」と語った。

新LOOX Uを公開する齋藤本部長

 これまでにも、こうしたコンセプトへの取り組みが、デジタル放送をHD解像度のまま、視聴、録画、ダビングを可能するPCを日本で初めて2005年に投入したこと、2006年の世界最小となるコンバーチブルPC「LOOX U」の投入、さらには初心者やシニア層向けに投入した2008年の「らくらくパソコン」や、2009年のWindows 7で実現した指先ひとつでかんたんに操作できる「タッチソリューション」のいち早い搭載などにつながっているとする。

 特に、今回の春モデルでは、モバイルPCのラインナップを一新しているのが特徴。なかでも、Real Pocket Size PCとする新LOOX Uは、「真のライフパートナーを目指す上で、モバイルの領域でどんな進化をしたらいいのかを考えた製品」と、齋藤本部長は位置づける。

 同社の調査によると、モバイルPCを選択しなかった理由として、本体重量の問題が30%、価格が24%、本体の厚さが21%と上位を占めていることを示す一方、重量や厚さなどの携帯性に優れた携帯電話でPCサイトを見ない理由として、パケット料金が高いことが65%、見たいコンテンツがないことが20%、正しく表示できなことが多いが20%となっている結果を提示し、「携帯電話で問題となっている部分を満たす機能を、妥協せずに搭載し、重量、サイズ、使いやすさを追求した製品の投入が、モバイルユースそのものを伸ばしていくことになる」と、新LOOX Uシリーズの開発に対する基本的な考え方を示した。

 Real Pocket Size PCとして、ジャケットの内ポケットに入る超小型、軽量の実現、どこから見てもきれいなデザイン、タッチ機能によるインターネットの使いやすさを実現することを目指し、「鞄なしでもLOOX Uを持ち運んで歩けること、電車のなかで立ったまま路線検索が可能なこと、街中で立ち止まってお店や地図の検索が可能なこというように、いつも持ち歩いて使えるライフパートナーとしての要素を実現した。ネットブックは価格訴求が重視される製品だが、LOOX Uは持ち運びにこだわった製品」とする。

【動画】スーツの内ポケットからLOOX Uを取り出す齋藤本部長

持ち運びに最適化した新LOOX U

 同社では、紳士服売り場で、実際にジャケットのポケットを測り、奥行きと厚さの外周が130mmであれば、実測した540個のジャケットのうち、91%のジャケットに入ることを検証。小型軽量化の観点では、財布や文庫本、デジタルカメラ、ペットボトルなどを調べることで、感覚的に500gに、持ち歩くか、持ち歩かないかの境界線があることなどを調べ、500gを切る495gの重量を実現したという。

 デザインの観点からもこだわり、女性が持ちやすいルビーレッドカラーのほかに、ヴィンテージゴールド、モカブラックの3色を用意し、裏面部にも同じ塗装を施す、360度の塗装とした。

 さらに、デザインの観点では、A BATHING APEとのスペシャルコラボレーションモデルも用意し、富士通WEB MARTで限定販売する。

新LOOX Uの特徴 LOOX Uでは電車のなかで立ったまま使うことも想定している 背広のポケットのサイズを調査してサイズを決めた
持ち運びの境界線が500g以下にあるとした 495gを実現している デザインについてもこだわったという
A BATHING APEとのコラボレーションモデルも用意 ポケットに入るリアルポケットサイズを打ち出す 胸のポケットからも取り出すことができる

 また、使いやすさという点では、タッチ操作を可能としたほか、携帯電話で採用している予測変換機能を搭載。少ないキータッチ数で検索ワードを入力できたり、ページメモを容易に行なえる範囲指定による画面キャプチャ機能などを搭載している。

 そのほか、LOOX Uでは、無線LANへの対応のほか、いつでも、どこでもを実現するためにモバイルWiMAXを内蔵。「WiMAXは、つながるところではつながる状況になってきた。リーズナブルにモバイルブロードバンドを実現するものとして、まずは、WiMAXから始めることにした」という。

 なお、スマートフォンとの差別化については、「富士通は、PCと携帯電話が同じグループで取り組んでいる。それぞれを補完する形で成長していきたい」(齋藤本部長)、「昨年、ユビキタスビジネス戦略室を設置した。PCがやるのか、携帯電話がやるのかといったポテンヒットが起きないように調整していく。むしろ、試行錯誤の段階にあり、携帯電話とPCの棲み分けがあるのならば、ぜひ教えてほしい」(佐相執行役員常務)などとした。

携帯電話で培った変換方式など、独自のインターフェイスも採用 LOOX Uの内部構造。薄型のバッテリパックを採用している

 一方、ネットブックながら、今回の製品から、島根県の島根富士通で生産することになったLOOX Mについては、「安心のMADE IN JAPANのほか、インターネットを表示画面範囲を大きくできる1,366×768ドットの高解像度を実現した、ひとクラス上のネットブックを実現しているほか、上下左右の操作がしやすいスクロールパッドを採用している。使いやすさと安心を実現したネットブック」(齋藤本部長)と位置づけた。

 また、佐相執行役員常務も、「勘合部や塗装などをみただけでも、日本の品質ははっきりと違う。日本の消費者は非常に厳しい。あらゆる観点からの幅広い商品品質の高さを実現していきたい」とした。

LOOX Mシリーズ LOOX Mは国内生産を行なうことで安心のネットブックを実現

 そのほか、据え置いて利用することも想定したMGシリーズでは、一人暮らしを始める大学生や社会人に最適とし、「PCとしてのスペックには妥協をせずに高性能を実現しながらも、モバイル性も兼ね備えている」としたほか、ハイビジョンフラッグシップノートのNW/G90Tでは、「家庭内で持ち運びや収納ができるノートPC。AVに特化し、地デジも楽しめる」とした。

MGシリーズ MGシリーズでは高性能とモバイル性を両立

 富士通では、「モバイル」と並ぶ、春モデルのもう1つの特徴として「地デジ」をあげる。

 代表的なモデルが、DESKPOWERのF/G90Dになる。

 齋藤本部長は、「リビングのTVは53%がデジタル化しているが、個室のTVのデジタル化は22%に留まっている。今後、個室の地デジ化が進行することになるだろう。また、2009年冬のボーナスで購入したいITデジタル家電では、薄型TV、PC、BD/DVDレコーダが上位3製品となっている。春モデルでは、この3つの機能を一体化したFMVを提供する。1台3役で、TVとしても、レコーダとしても十分に使える機能を、お得な価格で提供できる。また、PCのCPUパワーを生かして、顧客の嗜好を分析したお勧め録画や、キーボード、マウスを使ったPCならではの画像編集作業の容易性も訴えていく」などとした。

地デジソリューションでは、1台3役を標榜した 地デジソリューションではPCならではの使い方の提案も
デスクトップPCのFシリーズ 地デジソリューションの対応したNWシリーズ
メインストリームとなるNFシリーズ らくらくパソコン

(2010年 1月 18日)

[Reported by 大河原 克行]

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