レノボ、WiMAX内蔵「ThinkPad T400s」の優位性をアピール

WiMAXモジュール内蔵のThinkPad T400s

7月28日 開催



 レノボ・ジャパン株式会社は28日、都内で記者説明会を開催し、22日に発売したWiMAXモジュール内蔵の「ThinkPad T400s」について説明した。

 冒頭では、ゲストとして招かれたインテル株式会社 プラットフォーム&ソフトウェア・マーケティング・グループ ネットワーク・プロダクト・マーケティング・マネージャーの梅野光氏が、インテルのWiMAXに対する取り組みについて説明した。

 インテルは2003年に、Wi-FiをノートPCの標準として取り入れたCentrinoプラットフォームをリリースし、モバイルインターネットの推進を逐次図ってきたが、今回のWiMAXもその一環であるという。同氏は、「WiMAXは、Wi-Fiではカバーできない広範囲でのモバイルインターネットの利用を可能にし、Wi-Fi技術の補完するもの」と説明した。

 なぜインテルがWiMAXを選び、推進するかという理由については、低コスト化の可能性や柔軟なサービスプラン、新しいアクティベーション方法、IPベースのネットワークによるWi-Fiとの親和性、高速通信が可能な点について挙げた。

梅野光氏 モバイルインターネットの推進 WiMAXの技術的な優位性

 実際にインテルが行なってきたWiMAX推進活動としては、「WiMAX/WiFi Link 5150」などの製品の展開だけでなく、標準化活動への取り組み、相互接続性の検証、半導体企業やシステム/インフラ/通信事業者への投資、および周波数帯域の確保などを紹介した。

 その結果、アメリカ、日本、ロシアの各企業からWiMAXへの対応が表明されているほか、今後5年間で主要国への導入が飛躍的に増加すると見込まれる。2012年には、全世界で約13億人の人口をカバーできるとした。

インテルのWiMAXへの取り組み WiMAX/WiFi Link 5150のモジュール。通常サイズとハーフサイズが用意され、ハーフサイズは両面実装のため厚みがある 世界でのWiMAXの今後の予測

●USBドングルに対するThinkPad T400s内蔵WiMAXモジュールの優位性

 続いて、レノボ・ジャパン株式会社 ノートブック開発研究所 無線通信技術 担当部長の藤井一男氏が、ThinkPad T400sのWiMAX技術について説明した。

 同氏は'88年に日本IBMに入社し、2000年にThinkPadに初めて無線LANを搭載して以来、継続的に無線技術について研究してきたが、9年間の間に無線技術が大幅に進化し、多様化したと説明。中でもWiMAXについては、「3Gの複雑な契約手続きや料金体系を簡略化しつつ、Wi-Fiよりカバーエリアが広く、3GとWi-Fiのお互いの弱点を補える技術である」と述べた。

藤井一男氏 無線技術の進化 WiMAXと3G/Wi-Fiとの比較

 ThinkPad T400sに搭載されているWiMAXについては、特にアンテナ部を工夫した。ThinkPad T400sでは6つのワイヤレス技術をサポートするために7つのアンテナを内蔵しているが、Wi-FiとWiMAX使用のアンテナは共有化されており、液晶上部の左右に1個ずつ設けられている。

 天板で採用されている素材の大半は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用しているが、CFRPは導電性があり、アンテナの電波を吸収してしまうため、アンテナ部周辺はGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を採用することで問題を回避。さらに、CFRPとGFRPの間は継ぎ目のない、フラットで美しい天板を実現したという。

 アンテナ配置の配慮やGFRPの採用の結果、同社でアンテナの電界強度シミュレーションを行なったところ、優れたゲインパターンを示した。一方USBドングルタイプについては、前方(ユーザー側)には良いパターンを示すものの、背面は液晶ディスプレイが邪魔して弱くなり、接続性が劣るという。

液晶上部の左右にアンテナを1基ずつ装備 CFRPとGFRPを融合した天板の採用 アンテナの電波強度分布シミュレーション
WiMAX通信時の3Dゲインパターン USBドングルタイプの電波強度分布シミュレーション USBドングルタイプではノートPC背面のゲインパターンが悪くなり、WiMAXモジュール内蔵よりも数値が低い

大和研究所での実際の実証実験

 実証実験でも、ホームページ上ではサービス提供エリア外とされ、「接続臨界点」に位置する大和研究所においても、ThinkPad T400s内蔵タイプの場合では問題無く接続でき、さらに窓際から2m奥のテーブルでも利用できたという。一方、USBドングルタイプではWiMAXに接続できても時間かかったり、途中で通信が途切れたりし、「WiMAXモジュール内蔵のほうが可用性が高い」とアピールした。

 また、新たに搭載した「ThinkPad Access Connections」ユーティリティにも、WiMAX機能を統合し、Wi-Fiの電波が切れると、自動的にWiMAXへシームレスに接続を切り替える機能を搭載し、ユーザビリティを高めた。なお、WiMAXからWi-Fiへはアンテナを共有しているため、WiMAXの電波がある状態では自動的に切り替えできず、手動でWiMAXをいったん切断する必要がある。

 WiMAXの初回接続でも、接続するとサービスプロバイダの選択画面へ自動的にジャンプする機能を備え、ユーザーが簡単にWiMAXを始められる。また、USBアダプタが本体外へ出っ張ることによる機械的なダメージや、アダプタの紛失や盗難などを防げることなどについても触れ、内蔵化のメリットを語った。


WiMAXに対応したThinkPad Access Connections Wi-Fi環境からWiMAX環境へのシムーレスな切り替え 初回接続時にサービスプロバイダを選択できる
プロバイダの選択画面 実際の接続デモ。会場では約15秒前後でWiMAXへ接続できた メモリモジュールの下に搭載されているのがWiMAX/WiFi Link 5150
WiMAX/WiFi Link 5150のフルサイズ(左)とハーフサイズ(右) 液晶の上部に装備されているアンテナ

(2009年 7月 28日)

[Reported by 劉 尭]

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