KDDI、高速赤外線技術を使ったUSB 2.0の無線化に成功

7月14日 発表



 株式会社KDDI研究所は14日、高速赤外線技術を使い、USB 2.0を無線化することに成功したと発表した。

システム構成

 この技術は、USB 2.0の電気信号を赤外線信号に変換し、赤外線通信を行なうもの。変換器にUSBの通信をエミュレートする機能を持たせており、既存のUSBホスト/デバイスにソフト/ハード的変更を加えることなく利用できるという。

 USB 2.0の規定では、送ったデータに対する返答が約1.5μs以内に帰ってくる必要がある。しかし、電気信号と赤外線信号の変換には一般的に1.5μs以上の時間がかかる。そこで、同社は変換装置に仮想USBデバイス/ホスト機能を組み込み、変換装置に応答させることで、接続相手と通信を行なっているように見せかけることで問題を解決した。

 実験にあたっては、USBホストとデバイス双方に外付けの変換装置を接続したが、将来的には内蔵も可能。赤外線通信モジュールの通信速度は1Gbit/secと高速で、一般的赤外線通信にも利用できるので、1つのモジュールでUSBと赤外線の通信が行なえる。また、通常のUSB機器同様、ホットスワップが可能で、事前の接続認証も必要としない。

 同技術は7月22日より東京ビッグサイトで開催されるWireless Japan 2009に展示される。

(2009年 7月 15日)

[Reported by 若杉 紀彦]