UQ、WiMAXサービスを7月1日に正式スタート
~月額4,480円、一日600円のコースも

UQ WiMAX

7月1日 開始



UQコミュニケーションズ代表取締役社長 田中孝司氏

 UQコミュニケーションズ株式会社は6月8日、WiMAXサービス「UQ WiMAX」を7月1日に正式スタートすると発表した。

 6月8日に都内で開かれた記者会見では、同社代表取締役社長 田中孝司氏が、UQ WiMAXサービスの概要や今後の展開について説明した。


●オープン化

 冒頭で同氏は、2月26日に開始した試用サービスから紹介し、「試用サービス開始当初から、7月1日の正式スタートを目指してやってきたが、約束を果たすことができた。この4カ月の間、ユーザーから“高速で快適である”といった評価から、“もっとエリアを拡大して欲しい”という声を得ることができた」と話した。

 続いて、WiMAXのオープン化について説明。従来の携帯電話市場は、通信事業者がサービスや製品、流通などを統合してきたが、WiMAXでは標準規格に合わせてサービスや製品が自由に流通できる。これによって「デバイスのオープン化」と「ネットワークのオープン化」が実現するとした。

 携帯電話では、まずキャリア事業者を選んでから、デバイスを選ぶという制限がユーザーに課されていたが、WiMAXではユーザーがデバイスを購入してから、好きなオペレータを選択することができる。これによりユーザーはデバイスを選択する自由が得られるとした。

 一方、MVNO(仮想移動体サービス事業者)についても、業種や業界を超えた新しいオペレータが登場。その一例として、ISPの@niftyやBIGLOBE、家電量販店のヤマダ電機やビックカメラ、通信キャリアのKDDI、商社のDiSなどを紹介した。

オープンな市場の形成リテールデバイスの登場によりユーザーにデバイスを選択する自由が生まれる購入後のオンライン登録で好きなオペレータを選択することができる

●料金プラン

 料金プランについては、予告通り7月1日より開始する月額4,480円の「UQ Flat 完全定額プラン」のほかに、任意の日に1日600円で利用できる「UQ 1day 1日利用プラン」を追加し、10月1日よりスタート。また、最大3台までのデバイスを1台あたり200円で追加できる「機器追加オプション」を7月1日より提供する。

 このうちUQ Flatは登録料2,835円が必要だが、UQ 1dayと機器追加オプションは登録料無料となっている。また、UQ FlatとUQ 1dayプランは、10月1日開始予定の地下鉄や新幹線内、空港ラウンジで無線LAN接続する「UQ Wi-Fiオプション」が無料で利用できる。

月額4,480円の定額プラン600円で1日だけ利用できるプラン
2台目移行は追加200円で利用可能定額プランと1日プランではWi-Fiオプションが利用可能

●エリアの拡大

 サービスの提供エリアについて田中氏は、「7月1日のサービス開始時点において、首都圏では主要エリアはすべてカバーする。まだ多摩地域、埼玉、千葉において未カバーエリアが多いが、順次増やしたい」とした。

 名古屋はまだ穴があるもののほぼすべてカバーしたという。一方、苦戦しているのは京都、大阪、神戸などの関西方面で、カバーしていないエリアが多い。

 ユーザーの利用エリアが対応かどうかの不安を抹消するために、“Try WiMAX”キャンペーンを7月1日から提供する。ユーザーがUQ WiMAXホームページで申し込めば、データ通信カードまたはWi-Fiゲートウェイセットを無償で貸与し、15日間無料で利用できる。

 また、7月以降、ピンポイント住所からWiMAX提供エリアかどうかを調べられるホームページを公開し、ユーザーに対して提供地域を明確にしていく方針を明らかにした。

首都圏のカバーエリア名古屋のカバーエリア
関西のカバーエリア15日間利用無料で機器を貸し出すサービスも

●WiMAXは第3の波
Intel 主席副社長 兼 最高セールス&マーケティング責任者のショーン・マローニ氏

 Intel 主席副社長 兼 最高セールス&マーケティング責任者のショーン・マローニ氏も発表会で登壇し、IntelとUQの協業について語った。

 同氏は、'80年代に普及したEthernetによってインターネットが発展し、'90年代後半に普及したWi-FiによってノートPCが発展した過去を挙げ、そして「WiMAXが第3の波になる」と指摘。携帯電話と比較して、スマートフォンのデータ帯域幅が30倍、PCでは450倍に上るとし、「現在ではインターネットが生活に溶け込むようになっているので、WiMAXが不可欠だ」と説明した。

 特にネットブックの勢いはグローバルで伸びており、2009年末には100近いモデルが出荷されると予測。WiMAX搭載も必須になるだろうとした。また、アメリカを含む世界各国でもWiMAXの需要があり、現在4億3,000万人をカバーしているが、2010年までには8億人を目処にカバーしたいとした。

 WiMAXを利用したデモとして、車で都内を巡回し、撮った動画をリアルタイムにWiMAX経由で送信してセンターで管理する様子を紹介し、「今後もこういったアプリケーションが増えると期待している」と語った。


Ethernet、Wi-Fi、そしてWiMAXの普及広帯域幅へのニーズの拡大
ネットブック市場の拡大WiMAXを利用した動画ストリーミングのデモ
WiMAX対応機器やソリューションを開発した12社の代表。

 発表会の最後で、WiMAX対応機器、またはソリューションを開発した12社の代表が登壇。WiMAX正式サービススタートを祝辞し、自社の製品を紹介した。なお、各製品については別記事を参照されたい。

 質疑応答では、「イー・モバイルのように100円PCのような展開はするのか」という質問に対し、田中氏は、「イー・モバイルによってネットブック市場環境が形成されたので、尊敬はしている。しかし我々は前述のようにオープンなデバイスとネットワークを構築しているため、我々UQとしては“ありえない”」と答えた。


(2009年 6月 8日)

[Reported by 劉 尭]