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NEC・レノボのイベントで子どもたちがプログラミングやMakerを実体験

~厚切りジェイソンがゲスト出演

 2017年8月5日、東京秋葉原のDMM.make AKIBAで、NECパーソナルコンピュータ株式会社/レノボ・ジャパン株式会社主催の「NEC Lenovo Programming Summer Camp」が開催された。このイベントは、小学生の親子を対象としたプログラミングワークショップであり、2020年以降のプログラミング教育必修化に伴う、プログラミングへの関心が高まっていることを受けて開催されたものだ。

 このイベントは、午前クラスと午後クラスの2回に分かれて実施されたが(内容は午前、午後ともに同一)、その午前クラスの様子をレポートする。

参加者の大半が初めてのプログラミング体験。まずは「Hour of Code」から

最初にNECパーソナルコンピュータ株式会社の鈴木正義氏が、挨拶を行なった

 最初にNECパーソナルコンピュータの鈴木正義氏が、開会の挨拶を行ない、プログラミングの重要性を語った。次に、子ども対象のプログラミング教育を行なっているNPO法人「CANVAS」の寺田篤生氏が、講師として登場。午前クラスには、17組35名が参加していたが、熱心に寺田氏の説明に耳を傾けていた。最初に寺田氏が参加者に「プログラミングの経験ある人?」と訊いたところ、数名が手を挙げており、参加者の大半にとって、このイベントが初めてのプログラミング体験であったようだ。

 今回のワークショップは合計2時間程度であったが、3つのパートに分かれていた。最初のパートは、「Hour of Code」を使ってプログラミングの考え方と学ぶというものだ。Hour of Codeは、非営利団体のCode.orgが運営している無料のプログラミング学習サイト「Code Stduio」のコンテンツの1つであり、初めてプログラミングに取り組む子どもにも興味が持てるように、「マインクラフト」や「STAR WARS」、「アナと雪の女王」、「モアナと伝説の海」といった有名コンテンツの世界でプログラミングを学習できることが特徴だ。今回は、子どもに大人気のサンドボックスゲーム「マインクラフト」の世界でプログラミングを学べる「Minecraftアドベンチャー」を利用していた。

 Hour of Codeでは、命令ブロックをワークスペースに並べるだけでプログラムを作ることができるので、キーボードに慣れていない子ども達でも気軽に取り組むことができる。各ステージには目的が設定されており、プログラミングによってキャラクターを動かし、その目的を達成すれば、ステージクリアとなる。最初のステージを使って、寺田氏が進め方を解説し、それ以降は、参加者のペースで自由に進めてもらう形でワークショップは行なわれた。

 最初は目的も命令ブロックも単純だが、ステージが進むにつれ、プログラミングで重要な考え方である、繰り返しや条件分岐などの命令ブロックが登場し、難易度も上がっていくが、参加者達は親子で相談し合いながら、次々とステージをクリアしていた。

講師を務めたNPO法人「CANVAS」の寺田篤生氏
最初に寺田氏が参加者に「プログラミングの経験ある人?」と訊いたところ、数名が手を挙げていた
今回のワークショップは、3つのパートに分かれていた
最初のパートでは、「Hour of Code」の「Minecraftアドベンチャー」を使って、プログラミングの考え方を学んだ
Hour of Codeでは、命令ブロックをワークスペースに並べてプログラムを作ることができる
最初のステージを使って、寺田氏がHour of Codeの進め方を解説。それ以降は、参加者のペースで自由に進めてもらっていた
赤いTシャツを着用しているのが参加者で、水色のTシャツを着ているのが、サポート担当のCANVASやNECの方だ
CANVASやNECの方が丁寧にサポートしていた
ワークショップ用に用意されたNECやレノボのPCは、すべてタッチパネル搭載であり、指で画面にタッチしてプログラミングを行なう子どももいた
ステージ12の解答例。条件分岐と繰り返しをうまく活用することで、9ブロックでクリアできる(8ブロックでのクリアも可能)

Viscuitを使って、自分で描いた絵を動かすプログラミングに挑戦

 次のパートは、Viscuitを使って、自分で描いた絵を動かすワークショップが行なわれた。Viscuitは、NTT基礎研究所の原田康徳氏が開発したビジュアル言語で、絵を描くだけでプログラミングができることが特徴だ。

 今回のワークショップのテーマは、参加者が好きな海の生き物を描いて、それを1つの水槽の中で泳がせて、水族館を作るというものであった。今回のイベントで子ども達に用意されたNECやレノボのPCは、すべてタッチパネル搭載であり、指で画面にタッチして絵を描けるので、子ども達も思い通りの生き物を描くことができたようだ。水槽は、プロジェクタを使って壁に投影されており、自分で描いた生き物が水槽を泳ぐ様子を皆嬉しそうに見ていた。

続いて、Viscuitを使って、自分で描いた絵を自由に動かすワークショップが行なわれた
Viscuitでは、自由に絵を描いてそれを動かすことができる
タッチパネルで絵を描く際には、Yogaのテントモードが便利だ
子ども達がそれぞれ海の生き物を描き、動きを作って、同じ水槽に入れて動かしている様子
壁に3台のプロジェクタを使って、水槽が表示されていた
子ども達が描いた生き物で水槽が賑やかに

「Makey Makey」を使った身のまわりのモノを楽器にするデモも

 最後のパートとして、「Makey Makey」と呼ばれるインターフェイスボードを使って、身のまわりの電気を通すものを楽器にするデモが行なわれた。Makey Makeyを使えば、スプーンやバナナなどの身のまわりのものをスイッチにすることができるのだが、寺田氏はまず子ども達を4名選んで前に呼び、その子ども達の身体をスイッチとして使い、音を鳴らすデモを行なった。

 このデモで使われたプログラムは、Scratchを使って作成されたもので、Scratchの特徴についても解説を行ない、世界中の仲間が作ったプログラムを自由に改造できることを説明した。

最後のパートとして、「Makey Makey」と呼ばれるインターフェイスボードを使って、身のまわりの電気を通すものを楽器にするデモが行なわれた
まず、子ども達が4名選ばれ、その子ども達が電極を握らせた。寺田氏が子ども達にタッチすることで、さまざまな音が出た
Makey Makeyを使えば、スプーンやバナナなど身のまわりのものをスイッチにすることができる
電気を通すコムギ粘土にタッチすることで、音が鳴る
デモでは、Scratchによるピアノプログラムを利用していた

 また、参加者には、インプレスの「できるシリーズ」の特別版「できる パソコンではじめるプログラミング教育」が配布された。できる パソコンではじめるプログラミング教育は、プログラミングを学習するメリットから、今回のイベントで使われたHour of Codeの始め方まで、わかりやすく解説されており、寺田氏も家に帰ったらよく読んで欲しいと伝えていた。

参加者にはインプレスの「できるシリーズ」の特別版「できる パソコンではじめるプログラミング教育」が配布された
できる パソコンではじめるプログラミング教育の中身。イラストが多用されており、わかりやすい
今回のイベントで使われた「Hour of Code」の始め方なども解説されている

特別ゲストの厚切りジェイソン氏が登場。プログラミングの意義を熱く語る

 最後にサプライズでの特別ゲストとして、テレビで活躍中の厚切りジェイソン氏が登場した。厚切りジェイソン氏は、日本語が堪能なタレントとして人気だが、17歳でミシガン州立大学に飛び級で進学し、コンピューターサイエンス学科の修士課程を修了、現在はIT企業の役員も務めているなど、プログラミングに関する造詣も深い。NHKのEテレのプログラミング番組「Why!?プログラミング」のレギュラーでもあるジェイソン氏は、自分の子ども時代のプログラミング経験を語り、プログラミングの楽しさや、プログラミングで学ぶ考え方は、将来どんな職業に就くにしても役立つことを力説した。ジェイソン氏は、BASICで書かれたゲームプログラムを書き換えて、プログラミングを学んだそうだが、「BASICは簡単という意味なのに、ちっとも簡単じゃない!」と言って、参加者の笑いを誘っていた。

特別ゲストとして厚切りジェイソン氏が登場。自らのプログラミング経験を熱く語ってくれた
参加者はジェイソン氏のユーモアあふれるトークに耳を傾けていた
最後にジェイソン氏と参加者全員で集合写真を撮影した

全国の家電量販店500店舗にプログラミング体験コーナーを展開

 なお、NECパーソナルコンピュータでは、このイベント以降も、プログラミング体験の機会を創出するために、全国の家電量販店と協力し、今回のイベントで配布された「できる パソコンではじめるプログラミング教育」の小冊子を無料配布するほか、Hour of Codeが体験できるプログラミング体験コーナーを全国約500店舗に展開予定とのことだ。さらに、2017年8月26日と27日には、ヤマダテックランド足立店とヤマダテックランド駒生店で、プログラミング体験イベントが実施されるほか、8月15日から、子どものパソコン学習ポータルサイト「LAVIE for Kids ~つくろう、こどもの未来。~」を開設する。