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NVIDIAの最新ドライバでFermi世代のGPUがDirectX 12対応に
~3年越しに公約を果たす
2017年7月4日 18:33
NVIDIAが2017年6月27日にリリースした最新ドライバ「GeForce Game Ready Driver 384.76」で、古いFermi世代のGPUがDirectX 12に対応したことが明らかとなった。
Fermiは2010年3月に発表したNVIDIA初のDirectX 11対応GPUで、最初はハイエンドのGeForce GTX 480とGTX 470が投入された。同年11月にリファイン版のGTX 500シリーズも発売されている。
一方、MicrosoftはWindows 10の発売に合わせて、新しいグラフィックスAPIとしてDirectX 12を2014年3月に発表し、2015年7月に投入した。NVIDIAは2014年の発表時点で、FermiをDirectX 12に対応させるとしていたのだが、実はこれまで対応がなされてこなかったのである。
確認のため、編集部で唯一残っているFermi世代のGPU、「GeForce GTX 560 Ti」でテストしてみた。
まずDirectX診断ツールを実施したところ、2017年6月7日リリースの382.53ではDirect3D DDIは「11」としてレポートされるのだが、384.76では確かに「12」としてレポートされることが確認できた。
Futuremarkが配布している3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」も試してみた。382.53ではDirectX 12専用のベンチマーク「Time Spy」がエラーで実行できず、「API Overhead feature test」もDirectX 11のテストしか実行できない。一方、384.76ではちゃんとTime SpyとAPI Overhead feature testのDirectX 12テストが実行できるようになり、スコアを残すことができた。
加えて、Windowsストアアプリとして配布されているDirectX 12専用のレーシングゲーム「Forza Motorsport 6: Apex」も、382.53ではシステムの必要条件の1つであるDirectXの項目をクリアできなかったが、384.76ではクリアできるようになった。ただしこのゲームは2GB以上のビデオメモリを要求するため、ビデオメモリが1GBしかないGeForce GTX 560 Tiの環境ではインストールできない。おそらく、ビデオメモリが2GB以上あるFermi世代のGPUでは問題なくインストールできると思われる。
競合のAMDは、初のDirectX 11対応GPUであるRadeon HD 5000シリーズやHD 6000シリーズでDirectX 12に対応できず、2011年のGCNアーキテクチャの世代でサポートを始めたため、NVIDIAにとってFermiの対応を急ぐ必要がなかったのかもしれないが、発表から3年でようやく公約を果たしたことになる。
もっとも、いまどきのDirectX 12ゲームは7年前のFermiにとって重荷であることは間違いなく、快適にゲームをプレイしたいのであれば最新世代のGPUに買い替えたほうがよいのは言うまでもない。