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FPGA技術によって蘇るZilog Z80Aマシン「ZX Spectrum Next」

~カセットテープに記録可。Raspberry Pi Zeroで機能拡張可能

ZX Spectrum NextのCAD設計図

 クラウドファンディングサイトKickstarterで、1980年代のイギリス発のホームコンピュータ「ZX Spectrum」と完全互換性を保ったコンピュータ「ZX Spectrum Next」のプロジェクトが出資を募っている。

 キーボードや筐体を除いたボードを入手するのに必要な出資額は99ポンド、本体を入手するのに必要な出資額は175ポンド。目標は25万ポンドであるが、プロジェクトが発足してから約1カ月ですでに65万ポンドを超える資金が集まっており、あと少しでプロジェクトへの出資応募が終了する。製品の出荷は2018年1月。

 ZX Spectrumはイギリスの電子機器メーカーSinclair Researchが開発/設計したホームコンピュータ。アメリカ製の「コモドール64」に対抗する製品である。3.5MHz駆動のZilog Z80A CPUを搭載し、16KBのROM、そして16KBまたは48KBのRAMを搭載していた。

 今回開発されたZX Spectrum Nextは、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)技術によって、オリジナルと完全な互換性を保ちながら、さらなる拡張性を手に入れた。プロセッサはZ80の3.5MHzモードに加え、7MHzモードでも動作。メモリは512Kbで、内蔵では1.5Mb、外付けによって2.5Mbまで拡張可能。また、256色モードを備えたハードウェアスプライトも備えている。

 インターフェイス周りも現代的なものとなっており、ミニD-Sub15ピンやアナログRGB出力に加え、HDMI出力も可能となり、ストレージにSDカードも使える。ジョイスティックやPS/2ポートも備える。さらに、音声入出力を使いカセットテープに記録可能だという。

 もっとも、本製品のユニークなところは、別途シングルボードコンピュータの「Raspberry Pi Zero」をスレーブとして装着し、ZX Spectrum Next自身を“アクセラレート”可能な点。Raspberry Pi Zeroを装着すると、ZX Spectrum Next上からそれのCPU、メモリ、そしてGPUが利用可能になるといい、OpenGLも使用可能になるという。

ZX Spectrum Nextの基板
筐体のイメージ図