ニュース
Huluが5月17日にリニューアル。スマホで生配信の視聴が可能に
~UI全面見直しでコンテンツもフルHDに高画質化
2017年4月20日 16:38
HJホールディングス株式会社は20日、オンライン動画配信サービスとして展開するHuluを、5月17日より全面リニューアルすると発表した。
モバイルデバイスからの視聴が強化され、これまでPCのみでの視聴に限られていた音楽ライブ/イベントやスポーツ中継などのリアルタイム配信がスマートフォンやタブレットから視聴できるようになる。
リニューアルにともない、以下の改善も行なわれる。
- 日本市場の多様な嗜好性に対応するために絞り込みや検索機能を強化
- Webサイト/モバイルアプリ/TV/ゲーム機など各デバイス向けインターフェイスを最適化
- 1つのHuluアカウントで複数のプロフィールを設定可能に
- 大人と同じ視聴方法でも年齢制限コンテンツが再生されないようにキッズ対応を強化
- サービスすべてに暗号化通信のSSLを採用
Huluで視聴可能になるリアルタイム配信番組は以下のとおり。
- FOXチャンネル
- ナショナル ジオグラフィック チャンネル
- Baby TV
- ジャイアンツLIVEストリーム
- BBCニュース
なお、今回のリニューアルによってコンテンツ保護の観点から一部サポートが終了するデバイスが発生する。非サポートとなるデバイスについてはHuluのリニューアルに関するページで確認可能。また、5月15日19時から5月17日8時までリニューアル作業につき入退会ができない。
リニューアル記念として「Happy Onキャンペーン」を展開。会員を対象に、Hulu視聴可能なデバイスを割引価格で提供。Chromecastが10%オフの4,478円、Air stickは20%オフの8,467円で購入できる。
オンライン動画配信サービスの百貨店を目指すHulu
全面リニューアルの発表に伴い、HJホールディングス株式会社はメディア向け説明会を都内にて開催。同社代表取締役社長の於保浩之氏らが登壇し、新しくなるHuluについて説明を行なった。
於保氏はまず、日本でのHuluは順調に会員数が増えており、2016年12月時点では約151万2,000人、現在では41,521本のコンテンツを配信するにいたっているとし、2011年にHuluジャパンとして参入し、2014年4月に日本テレビの傘下となり、今年(2017年)年4月より合同会社からHJホールディングス株式会社となったその経緯も振り返った。
Huluのシステムは米国本社のものを利用しており、Webサイトの自由な作り替えができなかった。そのため、日本のユーザーに合ったサービスを提供できず、同業他社が機能やユーザービリティを高めているなか、そういった進化に対応できずじまいだったとする。
今回のリニューアルによって、バックエンドからインフラまでシステムは完全に日本独自のものとなり、自由度は大幅に高まったという。
日本のHuluではモバイル(スマートフォン)での視聴がもっとも多く、ついでリビング(TV)、PC、タブレットとなっている。リニューアルはモバイルデバイスでの使い勝手を重視しており、前述のとおりリアルタイム配信が視聴可能になるといった強化が行なわれている。また、特にページの作りが寂しかったiOS版のサイトは大きく変更されることになる。
コンテンツの配置方法なども見直され、ドリルダウン絞り込み機能を採用。19xx年代の映画、フランス映画、特撮など、ユーザーがその場で何となく見たいと思った方向性のコンテンツを手軽に探せるようになっている。作品名や俳優などから番組を探すことも可能に。
また、これまで字幕版と吹き替え版の両方が別々に扱われていたところをひとまとめにし、動画視聴中に字幕/音声切り替えが行なえるようになっている。このほかにも、Huluスタッフの知見を活かした特集なども盛り込まれ、独自性を高める。日テレとも協力し、コンテンツの幅を広げていく予定だという。
ユーザービリティを高めるため、マルチプロフィール機能も実装され、1つのアカウントにつき6個のプロフィールを登録可能になる。そのため、家族ごとにプロフィールを使い分けることができ、プロフィールの切り替えには暗証番号が必用になることからプライバシー効果も高まり、家族からは視聴履歴がわからないようにもなっている。なお、複数プロフィールでの同時視聴はできない。
子どもが安心してHuluを視聴できるようにキッズ専用ページが実装され、子どものプロフィールでサインインした際はキッズ向けコンテンツしか表示されないようになった。
このほかにも、動画視聴の際に1時間あたりどの程度の通信量が発生するか「約0.9GB」などと表示されるようになり、LTE利用時での親切な設計が取り入れられた。配信がフルHDでの配信に切り替わり、画質も向上しているという。
現時点では動画のダウンロードや4Kのサービスコンテンツは提供されないが、今後のユーザーのニーズを見て導入を検討していくという。最近ではDAZNといった専門チャンネルの人気もあるが、於保氏はHuluは専門店ではなく、多くの人が満足できる“百貨店”を目指していくとし、リニューアルに向けての意気込みを語った。