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PCでPlayStationのゲームが遊べる「PlayStation Now for PCアプリ」
~Windows向けサービス提供が2017年春より開始
2017年2月24日 11:00
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)は、「PlayStation Now (PS Now)」のPC向けサービス提供を発表した。サービス開始予定日は2017年春の見込み。
PS Nowは、PlayStationのタイトルをインターネット経由でプレイできるクラウドゲーミングサービス。
SIEは、クラウドゲームサービスを提供していた米企業Gaikaiを2012年に買収しており、PS Nowはその技術を使用している。具体的には、クライアント側で操作の送信を行なうと、サーバー側で実行されているゲームに反映され、その結果が動画としてクライアントに返ってくるというもの。安定したネットワークと動画再生能力があれば、クライアント側の処理能力に依存せずゲームをプレイできるため、非ゲーミングデバイスでも遊ぶことができるのが大きな利点となる。
既にPlayStation 4(PS4)やPlayStation Vita(PS Vita)、PlayStation Vita TV、ソニー製TV(ブラビア)などを対象に、2015年より国内でもサービスが開始されている。
2月16日には、PS Vitaやブラビアなど一部製品へのサービス提供が今夏で終了すると発表されており、Windows PC向けのサービス開始と入れ替わる形となるようだ。なお米国などでは、既に2016年7月よりWindows向けのサービス提供が開始されている。
Windows向けサービスは、専用アプリケーション「PlayStation Now for PC アプリ」上で提供される。提供済みのPS4向けサービスと同様に、180本以上のタイトルがプレイ可能。
サービスの利用には、アプリケーションと推奨環境PCのほか、「DUALSHOCK 4ワイヤレスコントローラ(有線/無線接続)」または「DUALSHOCK 3ワイヤレスコントローラ(有線接続)」、5Mbps以上のネット接続環境、PlayStation NetworkアカウントとPS Now定額制サービスの加入(7日間の無料体験期間が用意される)が必須。加入ユーザーは、PCだけでなくPS4などほかの対応デバイスでもサービスを利用できる。
推奨PC環境は、Core i3(3.5GHz以上)またはAMD A10(3.8GHz以上)プロセッサ、メモリ2GB以上、ストレージ空き容量300MB以上。OSはWindows 7 SP1/8.1/10をサポートする。なお、マウスやキーボードを使ってのゲームプレイには対応していない。
クラウドゲーミングの欠点として、ゲームをローカルで実行していないため、操作から画面の表示までに遅延が発生するという問題がある。ネットワーク環境に依存する部分が多い問題だが、短時間ながら実際にプレイする機会に恵まれたため、インプレッションを記しておきたい。
まずプレイした「みんなのGOLF 6」では、動くバーに合わせて打つティーショット時も、目押しでタイミングを合わせることができ、ほぼ違和感なくプレイができた。
続いて対戦格闘ゲーム「DEAD OR ALIVE 5 Last Round」のプレイでは、こちらはよりリアルタイム性の強いタイトルということもあってか、若干の遅延を感じた。実機プレイであれば「ボタンを押したら蹴りが出る」ところ、PS Nowでは「ボタンを押して離したところで蹴りが出る」という感覚だ。
音楽ゲームや格闘ゲームなど、シビアなタイミングの入力を要求されるタイトルでは遅延を感じるかもしれないが、大半のゲームは違和感なくプレイできるだろう。そもそも、PC向けのディスプレイと異なり、液晶TVでは倍速補完や画像処理などで映像入力から表示までに遅延が発生している(遅延を縮める「ゲームモード」などを備える製品もあるが)場合が多数あり、そういった背景を鑑みると、PS Now for PCアプリではPC向けディスプレイに出力されるため、従来の“TVにPS3を接続している”のに近いプレイ環境とも言えよう。
品質の最適化については、解像度や映像のビットレートの変更など、具体的な制御の内容は伏せられたが、「(最適化を)実施している」とのこと。別ユーザーとの対戦ゲームの場合には、より低いユーザーに合わせて品質が最適化されるという。
PC向けサービスは、専用アプリケーション経由ということもあり、現時点でのサービス提供はWindowsのみだが、前身とも言えるGaikaiはWebブラウザ経由でサービスを提供しており、MacなどOSを問わず利用できた点も特徴だった。
ソニーの担当者によると、そのほかのプラットフォームへの対応については「具体的に話せる内容はない」とした上で、アプリ経由で提供するのか、Webブラウザ経由で提供するのかは、まだ社内で検討している段階とのことだ。