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GIGABYTE、Kaby Lake対応マザーボード7製品を1月6日より投入

~ハイエンドゲーミングは「AORUS」ブランドへ

 GIGABYTEは、Intel 200シリーズチップセット搭載のマザーボード7製品を、1月6日より発売する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は10,820円前後から。

 Intel 200シリーズチップセットは、“Kaby Lake”こと第7世代Coreプロセッサに対応したチップセットで、コンシューマ向けではZ170がZ270、H170がH270に、ビジネス向けではQ170がQ270、Q150がQ250、B150がB250へと更新されている。H110は更新されない。

Intel CPUのロードマップ
コンシューマー向けデスクトップPC用チップセットのロードマップ
ビジネス向けデスクトップPC用チップセットのロードマップ

 デスクトップ向けの“Kaby Lake-S”プラットフォームの特徴は、「Intel Optane Technology」の対応、BCLKを変更してのオーバークロック(以下OC)、4Kコンテンツのサポートなどがある。

Kaby Lake-Sの概要

 Optane Technologyは、スタック構造によりスケーラブルかつ、NAND比で1,000倍高速という不揮発性メモリ「3D XPoint Technology」を使用し、高速かつ低レイテンシでアクセスできる不揮発性メモリ領域を用意するというもの。

 PCにおいて、記憶領域のレイテンシは、CPU内のL1/L2キャッシュが1ns以下、L3キャッシュが10ns以下、DRAMが100ns以下と続くが、不揮発性記憶領域となるNAND SSDで100,000ns(100μs)以下、HDDでは10,000,000(10ms)以下と、揮発性メモリに対し、差が大きく開いている。

 3D XPointでは、NANDの10分の1となる10,000ns(10μs)以下のレイテンシを謳っており、Optane Technologyでは、3D XPointをストレージのキャッシュとして利用することで、NVMe SSDと比較して最大10分の1という低レイテンシを実現する。

 「PCMark Vantage v1.2」のストレージテストの結果では、1TB HDDが1、PCI Express(以下PCIe) 3.0×4接続のNVMe SSDが23.2に対し、1TB HDDと16GB Optaneメモリの組み合わせは27.3で、NVMe SSD比で13%高い性能を記録したという。なお、Optane SSD単体では60.9となっている。

 Optaneメモリは、フォームファクタがM.2 2280/2242の片面実装で、容量は16/32/60/120/180GBが用意される。なお、利用には200シリーズ(Z270/Q270/H270/Q250/B250)またはC236チップセットかつ、Kaby Lake-S CoreまたはKaby Lake世代のXeon E3プロセッサを搭載する環境が必要となる。

3D XPoint Technology
DRAMとNANDの間に位置する
Optane Technology
PCMark Vantage v1.2のストレージテスト結果
対応環境

 Kaby Lake-Sは、Skylake-Sと同様のソケットLGA1151を採用することから、チップセットも双方向の互換性を持っており、Skylake世代の100シリーズチップセットでもKaby Lake-Sプロセッサの搭載に対応するほか、逆に200シリーズチップセットでもSkylake-Sプロセッサを使用できる。

100シリーズチップセットでもKaby Lake-Sプロセッサを使用可能。

 OCについては、Kaby Lake-Sは高いOC耐性を謳っており、BCLKを変更してのOCや高倍率でのOCで、空冷環境でも5GHz超までブーストできるという。

空冷でも5GHzで動作

 4Kコンテンツへの対応は、メディア再生支援/出力機能の強化で、Rec.709の従来のダイナミックレンジ(SDR)映像に加え、HDR映像(Rec.2020)に対応。インターフェイスもHDMI 2.0から2.0aへ更新され、4K/HDR出力に対応した。

 ハードウェアデコード/エンコードも強化され、10-bit HEVC/VP9のデコードに対応し、NetflixのUHD再生、4K/60HzのYouTubeおよびGoogle Hangoutビデオ再生、ChromeブラウザでのVP9のハードウェア再生支援をサポートする。

 著作権保護機能についても新たにGoogle Widevine(post-TTM)とSGX-CPなどに対応し、EdgeやChromeブラウザ、UAPなどでプレミアムコンテンツへアクセスすることなどが可能となった。

メディア再生関連機能
4K HDR映像
HDRコンテンツの違い
10-bitでは8-bit映像より階調表現が滑らかに

フラッグシップマザーボードは「AORUS」ブランドに

 今回、GIGABYTEでは、従来のゲーマー向けシリーズ「Gaming」、一般向けの「Ultra Durable」に加えて、最上位のゲーミングモデルを新たに「AORUS」シリーズとして投入する。

 AORUSブランドは、すでにノートPCや、キーボード/マウスなどの周辺機器などが展開されているゲーミングブランドで、そこにマザーボードが追加された形となる。今後同社では、そのほかのパーツも追加していく予定。

 今回1月6日より発売されるのは「Z270X-Gaming 7」(税別店頭予想価格33,420円)、「Z270-Gaming 5」(同25,460円)、「Z270X-Ultra Gaming」(同21,800円)、「Z270-HD3P」(同17,820円)、「H270-HD3P」(同15,590円)、「Z270M-D3H」(同16,230円)、「B250M-D3H」(同10,820円)の7製品。

 そのほか、同社ではAORUS最上位モデル「Z270X-Gaming 9」や、OC向けの「Z270X-Gaming SOC」、Gamingブランドより「Z270MX-Gaming 5」、「Z270N-Gaming 5」、「H270-Gaming 3」、Durableブランドより「Z270N-WIFI」、「B250N Phoenix-WIFI」なども投入を予定している。

製品ロードマップ

 AORUSシリーズマザーボードでは、「見た目の美しさ」、「独自の機能」、「性能の拡張性」、「音響と映像」の4点をゲーミングに求められる要素として定め、それらを満たす“ベストなゲーミングマザーボード”を目指し開発されているという。

Beauty、Performance、Acoustic+Vision、Unique Featuresの4つがコンセプト

 まず美しさについては、バックプレート部を保護するカバーのデザインが刷新されたほか、RGB LEDを搭載。LEDは8エリアに分けられており、それぞれ異なる色や、明滅/常灯/ウェーブ/温度インジケータなど光り方を設定できる。ボード端には「Accent LED Overlay」として半透明の交換可能なパーツを備え、3Dプリンタなどで好きなデザインのパーツを出力、取り付けることもできる。

 ボード搭載のLEDのほか、MOD PCなどで多用されるLEDテープの制御機能も強化されており、赤/緑/青に白を加えた4ピンのWRGB LEDテープをサポート。ピンの配列が異なる場合にも対応できるという。

 VRM部を冷却するヒートシンクには、スロベニアのPC水冷機器メーカーEKWB(EK Water Blocks)と共同開発した「EK G-Flow Hybrid Water Block」を搭載し、本格的な水冷環境を構築する際にも、別途ヒートシンク不要でVRMも冷却に組み込むことができる。

アーマーデザインを刷新
RGB LED搭載
全8エリア
Accent LED Overlay
WRGB LEDテープ対応
EK G-Flow Hybrid Water Block

 性能面では、第4世代のIRデジタル電源コントローラ、第3世代PoweIRstage ICを搭載した、22フェーズの電源構成を採用。

 PCIeでは、PLX製PCIeスイッチチップにより、Kaby Lake CPUの16レーンと合わせ、PCIe 3.0を32レーン備え、PCIe x16+x16の2-way、PCIe x8+x8+x8+x8での4-way SLI/CrossFire構成を実現した。

 また、2-way SLI時に最適な冷却を実現できるよう、スロット1とスロット5にx16ソケットが用意されており、2.5スロットを占有するクーラー搭載のビデオカードでも、余裕を持って設置できる。製品にはその場合に最適なHigh-Bandwidth(HB)ブリッジも付属する。

 ストレージについても、Z270X-Gaming 9ではSATA、SATA Express、PCIe接続M.2、PCIe、U.2コネクタと全てのストレージインターフェイスを搭載。加えて、Z270チップセットでは、3つのPCIe接続のNVMe SSDによるRAID構成に対応し、リード最大3.6GB/s、ライト最大2.8GB/sという超高速環境も実現できるとしている。

 OCでは外部のクロックジェネレータにより、BCLKを90~500MHzの間で調整可能としたことで、柔軟なOC設定に対応する。

22フェーズ電源
4-way SLI対応
スロット1と5でx16動作可能
NVMe SSD×3のRAID対応
外部クロックジェネレータ搭載

 音響および映像については、まず音響面でCreativeの「Sound Core3D」DSPとBurr-Brown製DACを搭載し、Creativeの認証を取得したSNR 120dB+を実現。さらに前面用に1基、背面のLRチャンネルごとに1基という計3基のオペアンプを搭載する。

 映像では、HDMI 2.0a対応で4K/60fpsに加え、HDR映像出力をサポートした。

音響
HDMI 2.0aとHDR

 独自機能としては、Thunderbolt 3の搭載、NICには「Killer DoubleShot-X3 Pro」を採用するほか、通常は5VのUSB給電を、ケース前面のコネクタなど、ケーブルが長かったり品質が安定していない場合などに5~5.5Vの間で調整して供給し、減衰分を補完する「USB DAC-UP 2」を備える。

 また、本体には従来の動作状況を通知する4桁のディスプレイに加え、より直感的に問題箇所が分かるよう、CPU/メモリ/ビデオカードそれぞれにエラー用のLEDを搭載。ブート通知用も備える。

 温度センサーも9カ所に設置し、ファンコネクタも8個搭載することで、さまざまな構成にマザーボードだけで対応。ファンコネクタは水冷構成時のポンプ駆動にも対応するピンも用意し、ファン制御ソフト「SmartFan5」により温度変化に追従した細かな制御を可能とした。

 PCIeスロットはステンレス製の保護パーツにより耐久性を高めているほか、メモリスロットにも同様の保護を施している。

Thunderbolt 3
Killer NIC
USB DAC-UP 2
新UEFI
LEDインジケータ
温度センサーとファンコネクタ
SmartFan5
スロット保護
独自ユーティリティソフト郡
Z270X-Gaming 9
Z270X-Gaming 7
Z270X-Gaming 5
Z270X-Ultra Gaming
Z270X-Gaming 5の実働デモ機
Z270X-UD5
Z270MX-Gaming 5
B250M-D3H
H270N-WIFI
門馬ファビオ氏制作のMOD PC