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キヤノン、ランサムウェア保護機能などを搭載した「ESET Internet Secyrity V10.0」

~高速軽量かつ能動的な保護を実現

ESETセキュリティソフトウェアシリーズ

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下キヤノンITS)は、同社が国内総販売元のスロバキアESET製セキュリティソフトウェア「ESETセキュリティソフトウェア」シリーズ最新バージョンを、12月8日より発売する。

 Windows向けセキュリティプログラムの最新バージョン「ESET Internet Security V10.0」では、ランサムウェア保護機能やホームネットワーク保護、Webカメラアクセス制御などの新機能が搭載され、新ラインナップの「ESET Smart Security Premium V10.0」では、暗号化機能やパスワード管理機能なども提供される。

 税別直販価格は、Windows/Mac/Android 計5台ライセンスの「ESETファミリーセキュリティ」ダウンロード版が1年5,800円、
3年9,800円。1台ライセンスの「ESET パーソナル セキュリティ」ダウンロード版が1年版3,800円、3年版7,600円。ともに1年版のパッケージ版もオープンプライスで発売される。

 新ラインアップの「ESET Smart Security Premium」は、1台ライセンス/ダウンロード版が1年版6,800円。

 対応OSは、Windows向けのESET Internet Security V10.0/Security Premium10.0がWindows 10/8.1/8/7/Vista。Mac向けESET Cyber Security V6.3がMac OS X 10.6~10.12、Android向けのESET Android Security V3.3がAndroid 2.3~7.0。

 法人向け製品として、総合セキュリティソフト「ESETオフィスセキュリティ」や、ウイルス・スパイウェア対策ソフト「ESET NOD32アンチウイルス」も用意される。


 都内で開催された記者発表会には、ESET ASIA Pte.Ltd セールス/マーケティングディレクターのパーヴィンダー・ワリア氏が登壇。

 ワリア氏は、ESETは世界180カ国で製品を提供しており、1億人のユーザーを保護している世界トップクラスのセキュリティソフトベンダーであるとアピールし、本社のあるスロバキア/ブラチスラヴァで製品開発も行なっているほか、最近では、アジア太平洋地域(APAC)のオフィスを構えるシンガポールに調査センターを新設し、中国などアジア圏発信のマルウェアなどについて分析を行なっていると述べた。

 また同氏は、全てのESET製品は、高い検出率と低い誤検知率による能動的な保護、高速なスキャンと低負荷/小フットプリントの高速かつ軽量な動作、ITプロフェッショナルが設計した使い勝手の良さ、という3要素を核に開発されていると述べ、第3者機関からの高い評価や、高い顧客満足度を受けており、大手企業でも採用されているとアピールした。

 日本市場については、個人向けセキュリティ市場においてAPACの割合は19%と世界で3番目に大きく、そのAPACの中で日本市場は約半分の規模を占めており、重要な市場であると説明。現時点では個人向けセキュリティ市場、法人向けを含むエンドポイントセキュリティ市場で国内第3位のシェアとなっているが、APACでのシェアはここ数年で急激に成長しており、日本でもトップ3入りを目指していきたいと述べた。

ESET ASIA Pte.Ltd セールス/マーケティングディレクター パーヴィンダー・ワリア氏(中央)、キヤノンITソリューションズ株式会社 プロダクトソリューション事業本部 プロダクト企画センター センター長 山本昇氏(右)、同社同事業本部 マルウェアラボ推進課課長 石川堤一氏(左)
1億人を保護
世界180カ国で提供
4つの最先端技術
3つの核要素
第3者機関からの高い評価
大手企業も採用
APACは世界で3番目に大きい市場
APACの中で日本は49%を占める
日本での個人向けセキュリティ市場シェアは第4位
法人向けを含むエンドポイントセキュリティ市場でも同様
バージョン10の機能

 製品の説明にはキヤノンITソリューションズ株式会社 マルウェアラボ推進課課長の石川堤一氏が登壇。

 石川氏は、国内で検出されるマルウェアの数は直近で急増しており、2016年第3四半期には検出数が前期比80%増の過去最高値を記録。情報搾取型の「Rovnix」や「Bebloh」、ランサムウェア「Locky」などが観測されているが、ほとんどがメールの添付によるもので、メール攻撃が激化していると説明。

 マルウェアを分析すると、2016年3月以降、半数以上がJavaScript形式などの「ダウンローダ型」で、10月にはPowerShellで作られたマルウェアも日本上陸が観測されるなど、新言語によるマルウェアも出現しているという。

 加えて、2016年の後半からは情報搾取を目的としたマルウェアが急増し、日本語でのメール攻撃が大半を占めるなど、日本を標的としたマルウェアが多く見られているとした。

 また、デジタルストーカーや覗き見行為という新たな情報搾取型マルウェアも登場しており、Webカメラを制御し、静止画や動画を送信するというものもあるという。

 カメラはPC搭載のWebカメラだけでなく、ネットに接続された無防備な監視用カメラの映像が「Insecam」などで公開されており、国内だけで1,200件以上が中継され、中には玄関の映像らしきものもあるなど、今後は個人所有のIoT機器に対するセキュリティ意識も重要となってくるとした。

国内でもマルウェアが急増
メール攻撃激化
半数以上は「ダウンローダ型」
PowerShell製のスクリプトも
情報搾取が目的のマルウェア
日本語メール
デジタルストーカー/覗き見行為
無防備カメラ
無防備なIoT機器によりボットネットの大量感染で大規模DDoS攻撃が発生する被害に

 石川氏はこれらをまとめ、今のPCの個人利用においては、メール攻撃の回避、ランサムウェア攻撃からの保護、情報の外部流出防止、家庭内ネットワークの保護という4つの要素が求められていると説明。

 V10では、メール攻撃回避に有効なスクリプトベース攻撃保護機能が搭載されており、メールに添付されたスクリプトコードを検査、駆除できる。これはダウンローダ型マルウェア対策に効果的だという。

 ランサムウェア保護には、メモリ内の発症したランサムウェアの振る舞いを検査、駆除するランサムウェア保護機能を搭載。

 情報流出防止には、Webカメラアクセス制御機能を搭載し、撮影を許可していないプログラムの撮影処理は遮断することで、覗き見行為などの脅威から保護するという。

 家庭内ネットワーク保護については、ホームネットワーク保護を搭載し、家庭用ルータの脆弱性検査や、不明な機器のネットワーク接続を把握するなどの機能を提供する。

 また、Smart Security Premium V10.0のみの搭載となるが、同社の「DESlock Plus」技術を採用した、暗号化した仮想ドライブやセキュアなUSBメモリを利用できる暗号化機能「Secure Data」、ログイン情報をAES 256-bitで暗号化し、一元管理するパスワード管理機能「ESET Password Manager」も提供される。

4つの要素
スクリプトベース攻撃保護
ランサムウェア保護
Webカメラアクセス制御
家庭内ネットワーク保護