やじうまミニレビュー

PCと連携する電子メモボード「Write2Go」

〜手書きメモをPCにサクサク取り込んで整理、Officeアプリなどとも連携

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
ブギーボード系の「Write2Go Handwriting Tablet」。添付のペンを使ってパッド上にメモを書き込むと、それが白墨のような状態で残る。Write2GoではこれをPC上に取り込み、さまざまに活用できる

 筆者は、大きめな付箋紙を使って仕事用の取材メモを作成して整理している。最初は普通のノートを使っていたのだが、電話番号や住所などの個人情報は、始めから分離されている付箋の方が処分しやすいし、最終的な原稿の流れに添ってネタの順序を並べ変えたり、アイデアをまとめたりするには、張り直しできる付箋紙を使う方が便利だからだ。

 ただ、最終的な原稿を書き始める前には机の上に多数の付箋紙が散乱することになる。この状況も美しくないが、原稿を書き終えた後は個人情報はシュレッダーにかけなければならない。再利用したいと思った情報を、ドキュメントスキャナでスキャンすることもあるが、付箋紙はのりが付いて紙も反っているので、スキャンもしにくいのだ。

 そんな中で非常に気になったのが、NEXXが2015年12月25日に発売した「Write2Go Handwriting Tablet」(以降Write2Go、実売価格は14,000円前後)だ。いわゆるブギーボード系の技術を使ったデバイスであり、パッドの手書きメモをそのままPC上に取り込め、各種アプリとの連携機能もある。ここではこのWrite2Goを使って、筆者を悩ませているメモのデジタル化をどこまで効率化できるかについて考えてみた。

パッドに書いたメモをPCにワンタッチで取り込める

 Write2Goでは本体に5インチのパッドを装備しており、ここに添付のペンを使ってメモを書くと、白墨のような軌跡がパッド上に残る。入力デバイスは先が尖っていればなんでもいいようで、指の爪先や物の角などを押しつけても手書きメモは書けた。付属のペンは細身だが、長さはちょうどいい感じだ。ペンにボタンはなく、電池も必要ない。ブギーボード系デバイスではお馴染みの構成である。サイズは136×125×16.7mm(幅×奥行き×高さ)で、CDケースよりはちょっとだけ小さい。

Write2Go本体には5インチのパッドとボタン、ペン立てを装備する
細身のタッチペンを同梱している。このペンでなくても手書きメモは書き込める

 本製品はPCとUSBポート経由で接続して利用する。また各種アプリとの連携には、当然だがPCに専用のアプリをインストールする必要がある。その意味でもPCとの接続は必須だ。基本的に単体で利用することが多いほかのブギーボード系デバイスとは、そこが違う。文字の消去には電源が必要だが、これにはボタン電池(CR2032)を使用しており、USBケーブルで接続する必要はない。ただ、ボタン電池が切れてしまっていても、USBケーブルで本体に電源供給されるので、文字の消去は可能だ。

天面にPCと接続するためのMini USBポートと、付属のペンを収納するスペースを装備する

 専用アプリをインストールして、デスクトップのアイコンから「PenPower便箋管理」を起動すると、これまで入力したメモがサムネイルで表示される。ウィンドウの一番上に並ぶアイコンのうち、一番右にあるペン入力のアイコンをクリックすると、メモ書き用のウィンドウ「筆跡モード」を表示する。この状態でWrite2Goのパッドにメモ書きを行なうと、筆跡モードのウィンドウにそのメモが表示される。

PenPower便箋管理では、今まで作成したメモが取り込んだアプリごとにカテゴリで分類されて保存される

 筆跡モードでは、線の色や太さを変更したり、消しゴムで入力されたメモの内容の一部を消したりできる。Write2Go本体には発色機能がないので白墨のような軌跡が表示されるだけだが、筆跡モード上ではカラーのイラストになる。また消しゴムで消えるのは筆跡モードのウィンドウ内のメモだけで、Write2Go本体の書き込みは消えない。

ペンでパッド上に書いたメモ(左)が、筆跡モードのウィンドウ内に取り込まれる
ペンの色や太さを変更できる

 今回はCPUがCore i7-4770Kの自作PCと、Atom Z3775を搭載するASUSの「ASUS TransBook T90 Chi」に接続して試したが、どちらでも応答性に違いはなかった。パッド上で書いたメモは、ほぼ瞬時に筆跡モードのウィンドウに反映され、鉛筆のような感覚で普通に書き込んでも描線を取りこぼすこともなかった。ただし力を入れずにサラサラとなぞるだけだとダメなので、若干力を入れた方がいいかもしれない。

メモの整理は簡単、Officeでは筆跡のみを取り込み

 Write2Go本体の左上にある左向きボタンを押すか、筆跡モードのウィンドウで左上にある同じ形のボタンをクリックすると、書いていたメモがPenPower便箋管理のウィンドウ内に取り込まれる。本体のみでテンポよくメモをデジタル化して取り込めるのは、非常に便利だと感じた。

 PenPower便箋管理に取り込まれたメモは、前述の通り「便箋」という名前で取り込まれ、内容はサムネイルで確認できる。また標準では「カレンダー」、「電子メール」、「通信ソフトウエア」、「アプリケーション」、「PDFソフトウエア」という5つのカテゴリを用意し、利用したPCとの連携機能によって自動で振り分けられる。このほかにも自分でカテゴリを作り、振り分け先を変更することも可能だ。

付箋を選択して左から5番目の金槌のようなボタンを押すと、カテゴリ設定の変更が行なえる。「仕事」など任意のカテゴリも追加できる
付箋の色を変更し、重要な付箋を目立たせるようにすることも可能

 メモにタイトルを付けたり、下地の色を変更し、重要なメモを目立たせるようにもできる。複数のメモ(PenPower便箋管理上の「付箋」)を選択し、まとめて色やカテゴリを変更することにも対応する。テンポよくメモを取り、デジタル化して分類するという目的において、Write2Goは非常に使いやすいアイテムであると感じた。

 このほか、各種アプリと簡単に連携できる機能も面白かった。例えば筆跡モードでは、ウィンドウに表示されているメモ書きを直接Skypeに投稿できるボタンを用意している。このほかにもFacebook Messenger、LINEなどのメッセンジャー系アプリで、手書きメモを取り込んで相手に送信できる。

 画像を貼り付けられるタイプのアプリとも簡単に連携できる。対応していると明記されているのはMicrosoftの「Office」シリーズや、Adobeの「Acrobat」シリーズなどだが、Paint Shop Proシリーズなど画像処理系のアプリでも、新規画像として筆跡モード内の手書きメモを取り込むことができた。

 操作も非常に簡単で、筆跡モードのウィンドウに装備する「送る」ボタンや、本体上の一番左にある左向き矢印ボタンを押すと、ウィンドウを筆跡モード切り替える直前に利用していた各アプリの書類に、筆跡モードのウィンドウに表示されている手書きメモを貼り付ける。

 OfficeシリーズやAcrobatの場合、手書きで書いた部分以外は透過状態で貼り込まれる。サイズや向き、画面比などもアプリ上で自由に変更できる。矢印マークを取り込んで図表やグラフの一部を強調するために使ったり、書類に手書きのサインを取り込んだりするのに便利だ。

筆跡モードの手書きメモは、軌跡以外の部分は透過状態で取り込まれる
各アプリ上でサイズの変更や方向などを変更できる

手書きメモレベルの「扱いやすさ」を追求

 筆者が使用したものではマニュアルが英語で、PenPower便箋管理や筆跡モードにも詳しい使い方のレクチュアがないため、使い始めるにはちょっと苦労する部分はあった。しかし分かってしまえば操作は単純なので、PCに慣れたユーザーなら戸惑うことなく使い始められるだろう。パッドに書いてボタンを押すという単純な操作のみで、どんどんメモをデジタル化してPC上に取り込んでくれる。

 これまでも、ペンタブレットや小型タブレットを使い、メモのデジタル化を試したことはあった。しかしペンタブレットは、そもそもメモ書きには向いてないなと断念。タブレットとペンの組み合わせなら何とかなりそうだったが、書き心地が今ひとつなペンが多いこと、メモをうまく管理するアプリが見つからず、結局これも断念した。

 こうした過去に試した方法と比べると、作業内容自体は付箋紙を使っていた時とほとんど変わらず、しかも取り込み方法は一番簡単で、メモの応用範囲も広い。これまで試した中では、想定する用途をもっともスマートに処理できる機器だと感じた。

 ブギーボード系デバイスではWrite2Goと同様、PCとの連携機能をサポートし、パッドのサイズがもう少し大きめなものもある。しかし「アイデアを整理するための1アイテムを記す手書きメモ」という用途で考えれば、むしろこのくらいのサイズの方が使いやすい。薄型でコンパクトなので、どこにでも設置でき、収納できるというメリットは大きい。

【訂正】初出時に、文字の消去にはUSB電源の供給が必要としておりましたが、基本的に消去はボタン電池(CR2032)で可能です。ただ、ボタン電池が切れた状態ではUSB電源によって消去が可能となっています。お詫びして訂正させていただきます。

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(竹内 亮介)