■山田祥平のWindows 7 ユーザーズ・ワークベンチ■
Windows 7の一般向け発売開始は、2009年10月22日だった。RTM(製品版完成)が7月22日だったから、そろそろ1周年を迎えるわけだ。各社から発売される秋冬向け新製品PCでも、工場出荷状態からWindows Updateで更新をかけると、アップデートに結構な時間を要するようになってきている。これは、クリーンインストールしたWindows 7でも同様だ。そろそろSP1の登場を期待したいところだ。
●アップデートと自動再起動この原稿を書いている時点で、Windows Updateを使ってWindows関連の更新プログラムの履歴を確認すると、60~70個の更新プログラム、修正プログラムが適用されていることがわかる。この一覧は、Windows Updateのウィンドウ左側にある「更新履歴の表示」をクリックし、説明文の中にあるコマンドリンク「インストールされた更新プログラム」をクリックすると、カテゴリ別に分類されて履歴が表示される。
現在のWindows Updateでは、PCの構成にもよるが60~70個程度のアップデートが行なわれる。初期導入時に要する時間もかなり長くなってきている |
Windows 7は重要な更新プログラムに関して、デフォルトで毎日午前3時にインストールされるようになっている。また、あわせて、推奨されるプログラムや、マイクロソフト製品についての更新プログラムを確認できるMicrosoft Upadateも実行されるように設定しておける。Microsoft Officeをインストールしている環境などでは、Microsoft Updateをオンにしておくといいだろう。
アップデートでは「更新プログラムを自動的にインストールする」が推奨され、それがデフォルトになっているが、その他に3つの選択肢がある。
・更新プログラムをダウンロードするが、インストールを行なうかどうかは選択する
・更新プログラムを確認するが、ダウンロードとインストールを行なうかどうかは選択する
・更新プログラムを確認しない
通常の使い方では、自動的にインストールするようにしておけばいいのだが、それでは困る場合もある。というのも、更新プログラムによっては、システムの再起動が必要になるからだ。Windows 7は、更新プログラムのインストールによって、自動再起動した場合、その時点で開いていたプログラム等を、できる限り元の状態に戻そうとするが、Windowsにパスワードが設定されている場合、ログオン画面で停止してしまうのだ。
つまり、ユーザー権限で稼働していたプログラムがあった場合、ログオンしなければ、そのプログラムは再起動されないため、たとえば、TVの録画やTwitterのタイムラインの取得などがストップしてしまうことが考えられる。
再起動後に自動ログオンされて、ロックしてくれるような仕様になっていれば問題はないのだが、現状ではあきらめるしかない。せめて、自動再起動はしないという選択肢があればいいのだが、それもない。こうしたことで困ることがあるなら、「更新プログラムをダウンロードするが、インストールを行なうかどうかは選択する」を選択しておこう。
更新プログラムを自動的にインストールすると、自動再起動が行われる場合があるので注意が必要だ |
●SSDと最適化
更新に関しては、毎日確認が行なわれるが、たとえば、HDDなどは、デフォルトで毎週水曜日の午前1時に最適化をするように設定されている。いわゆるデフラグによる最適化だ。この設定は、コンピュータを開き、任意のドライブを右クリックして、プロパティを表示させ、ツールタブで「最適化する」ボタンをクリックすると、設定内容を確認することができる。
最近は、モバイルノートPCなどでSSDが内蔵されているケースも増えてきた。たとえば、手元で評価中のパナソニックのLet'snote J9は、256GBのSSDを搭載しているが、デフォルトで最適化がスケジュールされている。
ディスクデフラグツールでは内蔵SSDの場合もスケジュールされているように見える |
ただ、スケジュールの構成を確認し、「ディスクの選択」ボタンをクリックして、その対象となるドライブを確認すると、「すべてのディスクを選択」にチェックマークがついているものの、ドライブの一覧が表示されず、内蔵SSDが最適化の対象になっていないことがわかる。HDD内蔵機の場合は、個々のドライブが表示され、それぞれに対してチェックマークで選択することができる。
実際にスケジュールの詳細を確認し、ディスクの選択をしてみると、ディスクが一覧に表示されずSSDをWindowsが認識し、最適化の対象になっていないことがわかる |
HDDの場合は、毎週水曜日にスケジュールされた自動最適化で、断片化が修正された方が都合がいいが、SSDでは最適化の必要はない。というよりも、最適化することで、不必要な読み書きが行なわれるため、結果として、デバイスの寿命を縮めてしまうことにもなりかねない。自分でSSDを換装したような場合は、念のために、この設定がどのようになっているかを確認しておくことをお勧めする。
●タスクスケジューラをうまく使おうシステム全体として、時間等を区切って自動的に行なわれるタスクは、ここまで例にあげたもの以外にたくさんある。これらは、コンピュータを右クリックし、ショートカットメニューから「管理」を実行し、システムツールの「タスクスケジューラ」で確認することができる。
GoogleやAppleのソフトウェアアップデート、Security Essentialのスキャンデータ更新、オフラインファイルの同期など、さまざまなタスクがここに登録され、時刻や特定のトリガーで自動実行されることがわかるはずだ。
ここでのタスクは自分でオリジナルのものを作成することもできる。
ウィンドウ右側の動作ペインで「タスクの作成」をクリックすると、ダイアログボックスが表示され、各種の設定、また、起動するプログラムなどを指定しておける。この仕組みをうまく利用すれば、自動再起動が行なわれた際の問題を回避することができるかもしれない。
コンピュータの管理では、タスクスケジューラを使って、各種のタスクの状況を確認したり、自分で独自のタスクを登録することができる |