Windows 10ユーザーズ・ワークベンチ

Edgeの拡張機能サポートと使いやすくなったタッチキーボード

 Insider Previewの最新ビルド、Build 14291の配信が始まった。新しいビルドでは、Edgeへの拡張機能追加と種々の改善、そして、日本語入力周辺に若干の手が入っている。今回は、これらの点を見ていくことにしよう。

3つの拡張機能が配布開始

 Edgeについては、なんといっても、その拡張機能のサポート開始が目玉だ。Chromeはもちろん、Internet Explorerにもおよばない拡張性のなさに、本当にWebサイトを見るだけにしか使えないと思っていたユーザーも少なくないはずだ。

 Edgeを開き、右上の「…」メニューから「拡張機能」を開くと、現在読み込まれている拡張機能が一覧表示される。下部に「拡張機能を入手」というコマンドリンクがあるので、それを開くと、MicrosoftのEdgeプレビューサイトが開き、各種の拡張機能を入手することができる。

Edgeのメニューに「拡張機能」が追加された
開くと、入手や読み込みのための機能が用意されていることが分かる

 最新のBuild 14291のEdgeには最初から拡張機能の読み込みが実装され、入手した任意の拡張機能を読み込むことができる。サイトの説明によれば、Insider PreviewではないメインストリームビルドのEdgeが拡張機能の読み込みを実装した時点で、拡張機能そのものは、Windowsストアから入手できるようになるが、現時点で、メインストリームビルドのEdgeで拡張機能を利用するには、ここで拡張機能をダウンロードして手動で追加する必要がある。

 この原稿の執筆時点で、Microsoftが検証済みとして配布されている拡張機能は3種類あり、このサイトから入手することができる。それぞれ、EXEファイルとして提供されているが、これは自己解凍型の圧縮ファイルで、実行することでフォルダが生成される。展開後のフォルダを任意のフォルダ下に置いた上で、Edgeからそのフォルダを指定することで、拡張機能が読み込まれて使える状態になる。

 現時点で提供されている拡張機能は次の3種類だ。

・Microsoft Translator

 外国語で書かれたWebページを、デフォルト言語に翻訳する。50カ国以上の言語に対応している。外国語のページを開くと、アドレスバーの右側にボタンが表示され、それをクリックすることでページの翻訳が行なわれる。日本語版Edgeでは、日本語への翻訳のみがサポートされているようで、外国語を英語にといった指定はできない。日本語にするとかえって分かりにくい場合も少なくないので、できれば、翻訳後の言語が指定できるようになるとうれしい。詳細についてはここに記載されている。

新ビルドアナウンスのブログページを開くと英語表示されている。外国語のサイトを開いた時には、アドレスバーの右側に翻訳拡張機能のボタンが表示される
ボタンをクリックすると、英語のページが日本語に翻訳されて表示される

・Reddit Enhancement Suite

 ソーシャル掲示板として知られるRedditが提供するブラウザ拡張。一覧ページの次ページ自動読み込みなどがサポートされるようになる。日本語の投稿も数多くあり、日本語のものだけを抽出して表示することもできる。 いわゆる海外版の「2ちゃんねる」と例えられることも多い。

・Mouse Gestures

 マウスの右ボタンを押しながらのジェスチャで、ブラウザをコントロールする拡張。たとえば、右ボタンを押しながらページ上を左にドラッグすると「戻る」、右にドラッグすると「進む」といった具合だ。ドラッグは軌跡が表示され、その結果、何が起こるかがポップアップするので分かりやすい。各ジェスチャに任意の機能を割り当てられるなど、今回提供された拡張機能の中でもっとも細かいセッティングができる。残念ながら、2本指タップによるジェスチャ操作は認識されない。

右ドラッグジェスチャのマッピングを自由に設定できる
右ボタンを押しながらマウスを動かした時の軌跡が表示された。これは右から左にドラッグしたところ。Backがポップアップして「戻る」がこれから起こることが分かる

タブのピン留めができる

 細かいEdgeの改善としては、現在開いているタブをピン留めする機能が用意された。タブを右クリックして表示されるショートカットメニューで「タブをピン留めする」を実行することで、タブバーの左端にサイトのアイコンとしてピン留めされる仕組みだ。Edgeは、以前のビルドでお気に入りバーの表示においてアイコンのみを表示する機能をサポートしたが、その延長線上にあるものと考えることができる。いわば「スーパー超お気に入り」をピン留めしておくための機能だ。

 ピン留めされたページを開いた状態で、そのサイト内にあるリンクを開くと、アイコンはそのリンクのものに変わる。つまり、ピン留めされているからといって、そのサイトがピンとして固定されるわけではなく、一気に最初のページに戻ることはできないのだ。これは仕様として評価の分かれるところだろう。Microsoftとしては、ブックマークバーのアイコン表示を含めてどちらがユーザーの求めるものなのかを模索しているように見える。

 ちなみに、Windows 10では、Edgeのタブはスタートメニューにはタイルとして表示させることはできるが、それをデスクトップに置いたり、タスクバーにピン留めすることはできない。そのため、Webアプリを、スタンドアロンアプリのような感覚で使うことはできない。個人的にはそちらをなんとかして欲しいものだ。

 さらに、アドレスバーへのURL貼り付け時に、「Paste and Go」が新設された。これは、右クリックでのURL貼り付け時に、貼り付けるだけではなく、貼り付け後、そのページに移動するものだ。エンターキーを押す一手間を節約できるもので、Chromeなどでも「貼り付けて移動」としてサポートされている。

開いているタブを右クリックしたときのショートカットメニューに「タブをピン留めする」が新設された
ピン留めしたサイトはタブバーの左端に表示される

フリックキーボードで親指入力

 日本語の入力機能については、Microsoft IME使用時のみという限定的な条件があるが、ようやくコンパクトなフリックキーボードが使えるようになった。画面上の任意の位置に移動することができ、デスクトップの半分を覆うようなこともなく、スマートフォンのように片手で日本語の入力ができる。Microsoftでは、このキーボードを「親指レイアウト」と呼んでいて、設定の地域と言語における日本語のオプションで、Microsoft IMEのオプションとして、タッチキーボードを、

・かなテンキー(フリックとマルチタップ入力)
・かなテンキー(フリック入力のみ)」
・QWERTY

から選択できるようになった。

 加えて、手書き入力においては、マス目が表示されなくなり、横方向に自由に手書きすれば認識されるようになり、これまでのような窮屈感が払拭されている。

 フリックキーボードも、手書き入力も、2in1 PCをタブレットとして使っている時や、ハードウェアキーボードが備わっていても、立ったまま入力しなければならないようなケースで、1本指打法で入力しなければならないような場合にはこちらの方が高速に入力できるかもしれない。

 ただ、このフリックキーボード、大きさが変えられないこと、そして、テンキーの下部に方向キーやカナキーが配置されている点に不満を感じる。特にカナキーは、濁点、半濁点、小さい「っ」などの促音や拗音を指定したいキーの真下に位置するため、ミスタッチが頻発する。つまり、せっかくのテンキーに余計な最下行があることで使いにくくなってしまっている。既存環境を真似るのなら、とことん真似してしまって欲しいとさえ思う。

 また、サードパーティ製IMEに自由なキーボードレイアウトを許可しないのであれば、タッチキーボードはあらゆるIMEで使えるようにするべきだろう。そのあたりのポリシーがチグハグに感じる。

親指レイアウトのキーボード。サイズは解像度に依存するが画面の大部分を占めるような大きなサイズではない。画面上の任意の位置に移動できる。最下行の3つのキーがミスタッチを誘引する原因になっている
「設定」でかなテンキーの機能を設定できる

Feedback HubでMicrosoftにお願いしよう

 これまでInsider HubとWindows Feedbackアプリに分散していた機能が、Feedback Hubという1つのアプリに統合された。このアプリを使うことで、Windows 10についてのさまざまなフィードバックをMicrosoftに届けることができる。

 自分で新たにフィードバックを追加することができるのはもちろん、既に追加された意見に対して賛成票を投じることもできる。日本語Windowsについて思うことがあるなら、本当は、このような記事を書いているより、ずっと開発陣に意見が届きやすいかもしれない。だから、この連載を読んでいただいたことがきっかになって、Windowsについて感じることがあったら、ぜひ、アプリを使って積極的に書き込んでほしい。書き込みはInsiderである必要はなく、誰でも自由にできる。

 フィードバックはカテゴリを指定して追加することになるが、網羅されているようでいて、そうでもない。例えば、フォントのことを書きたいが、それについてのカテゴリをどこにすればいいのかが分からない。先日、個人的に次のようなフィードバックを送ったのだが、その際は、「デスクトップ/その他の問題」としてカテゴリ指定した。

 このリンクを開いて見ると分かるように、Edgeで開いていれば、リンクでアプリを開くことができるようになっている。

フィードバック専用のアプリが提供されるようになった

 フォントについては先週の連載コラムで取り上げたが、Twitterなどの反応を見る限り、さまざまな意見があるようだ。ぼく自身もサンプルを追加してつぶやいているので、ぜひ、ご覧いただきたい。フォントは今の日本語Windowsが抱えるもっとも重要なテーマではないかとも思っている。ぜひ、Feedback Hubを使って自分の意見を書き込んで欲しい。

 さて、来週は、Microsoftの開発者向けカンファレンス「Build 2016」が米・サンフランシスコで開催される。新しい情報がいろいろと出てくることを期待したいものだ。取材に赴き、現地から最新の情報をお届けする予定なので、ぜひ、ご覧いただきたい。

(山田 祥平)