西川和久の不定期コラム

iiyama PC「14P1100-C-VG」

~6万円を切る14型2スピンドルノートPC!

iiyama PC「14P1100-C-VG」

 ユニットコムは4月7日、iiyama PCブランドモデルのノートPCを3機種発表した。今回は、下位モデルの「14P1100-C-VG」が編集部から送られてきたので、使用レポートをお届けしたい。

6万円を切って、タッチ対応も含め全部入りの2スピンドル

 今回発表されたのは、「14P1100-C-VG」、「15P3100-i3-QZ」、「15P5100-i5-SX」の3タイプ。パネルサイズやHDD/搭載メモリ容量などそれぞれ異なり、プロセッサは順に、Celeron、Core i3、Core i5搭載の2スピンドルノートPCとなる。

 特徴的なのは、「14P1100-C-VG」のみタッチ対応でWindows 8.1搭載。他2機種はタッチ非対応で、Windows 7 Home Premium搭載となることだ。今回手元に届いたのは、タッチ対応でWindows 8.1搭載の「14P1100-C-VG」。プロセッサがCeleronなのでパワーはそこそこだが、全部入りでなかなかの意欲作だ。主な仕様は以下の通り。

【表】iiyama PC「14P1100-C-VG」の仕様
プロセッサCeleron 2957U(2コア/2スレッド、1.4GHz、2MBキャッシュ、TDP 15W)
メモリ4GB(DDR3L×1、空きスロット1、最大16GB)
ストレージHDD 500GB
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
OSWindows 8.1 (64bit)
ディスプレイ14型(光沢)、10点タッチ対応、1,366×768ドット
グラフィックスプロセッサ内蔵Intel HD Graphics、ミニDsub-15ピン×1、HDMI出力×1
ネットワークGigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0+LE
その他USB 3.0×2、USB 2.0×1、SDカードリーダ、Webカメラ、音声入出力
サイズ/重量340×242×26.5mm(幅×奥行き×高さ)/約2.15kg
価格54,980円(税別)

 プロセッサはCeleron 2957U。2コア/2スレッドでクロックは1.4GHz。CeleronなのでTurbo Boostは機能しない。キャッシュは2MBでTDPは15W。ストレージは500GBのHDDと、DVDスーパーマルチドライブを搭載している。

 メモリは標準で4GB×1だが、スロット自体は2つあり、最大16GBにまで対応する。OSは64bit版のWindows 8.1。

 ディスプレイは14型、光沢タイプのHD(1,366×768ドット)解像度。先に書いたように10点タッチにも対応している。安価なモデルでタッチ対応は少なく、Windows 8系を使うにおいてポイントは高いと言えよう。グラフィックスは、プロセッサ内蔵Intel HD Graphics。外部出力用として、ミニDsub-15ピン×1とHDMI×1を装備している。

 ネットワークは、有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11b/g/n。Bluetooth 4.0+LEも搭載。このクラスだとGigabit Ethernet非対応のものが多く、NASなどへ接続しても高速にデータをやり取り可能だ。

 そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×1、SDカードリーダ、Webカメラ、音声入出力と一通り揃っている。

 サイズは340×242×26.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.15kg。14型で2スピンドルなので、まずまずのサイズ、重量だろう。価格は54,980円(税別)。全部入りと考えると、安価に抑えられていると言えるだろう。

前面。正面側面、左側に各種ステータスLED。その下にSDカードリーダがある
背面。このタイプとしては珍しくバッテリ内蔵式で着脱できない。バッテリ駆動時間が気になるところ
底面。全体を1枚のパネルで覆っており、ネジの数もかなり多い。丁寧に作業すれば外せるだろうが、今回は試していない
左側面。電源入力、ミニD-Sub15ピン、HDMI、USB 3.0×2
キーボードがアイソレーションタイプ。フットプリントが広めの割に10キーがないためレイアウトに余裕がある
右側面。セキュリティロックポート、DVDスーパーマルチドライブ、USB 2.0×1、音声入出力
斜め後ろからのカット。バッテリが着脱できないので割とスリムだ
キーピッチ。実測で約19mm
ACアダプタ。88×35×25mm(幅×奥行き×高さ)、147g

 トップカバーは光沢のあるホワイト、他はブラックでまとめられ、お洒落だ。また安価だからと言って見た目に安っぽくなく、質感も価格以上の雰囲気を持っている。

 前面正面、左側に各種ステータスLED、その下にSDカードリーダ。左側面に電源入力、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、USB 3.0×2、右側面にセキュリティロックポート、DVDスーパーマルチドライブ、USB 2.0×1、音声入出力を配置。バッテリは内蔵タイプで着脱できない。気になる駆動時間は後半で検証する。付属のACアダプタは、サイズ88×35×25cm(同)、重量147gとコンパクトだ。

 光沢タイプの14型液晶パネルは、IPS式ではないので視野角は狭めだが、正面で使う限り、特に問題にならない品質だ。ただし、明るさやコントラスト、発色などは、クラス相応と言ったところだろう。10点タッチは反応も良く、スムーズにWindows 8.1を操作できる。

 キーボードはアイソレーションタイプの10キーなし。14型でフットプリントが広く、そのわりに10キーがないため、レイアウトに余裕がある。またキー自体もしっかりしており、たわみもなく、合格レベルだ。タッチパッドのボタンは1本バータイプを採用している。パッドの面積も十分広く扱いやすい。

 発熱やノイズ、振動に関しては、2スピンドルとしては標準的。サウンドは、スピーカーが裏の手前側左右に小さいスリットがあり、間接的に音が届く。うるさいほどのパワーはないものの、それなりの音量。音質もまずまずといったところか。

 このように欠点らしい欠点も見当たらず、インターフェイス関連は全部入り。価格を考えると、うまくまとめられた1台だ。

価格を考えると十分以上のパフォーマンス

 OSは64bit版のWindows 8.1。先日出たWindows 8.1 Updateはあたっていない。このUpdateは、システムがスリムになり、64bit版でもメモリ1GB、ストレージ16GBで動作するようになったため、メモリ2GBや4GBのPCで動かすとより効果的だ。

 実際手持ちのPCで試したところ全般的に軽くなった。UI関係も手直しされているが、個人的にはこのダイエットした部分が気に入っている。Windows 8.1ユーザーはぜひアップデートして欲しい。

 HDDは500GB(5400rpm、キャッシュ8MB)の「TOSHIBA MQ01ABF050」が使われていた。C:ドライブのみの1パーティションで約455.5GBが割り当てられ、空きは437GB。光学ドライブは、「TSSTcorp CDDVDW SU-208FB」を搭載。Gigabit Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth全てRealtek製だ。

スタート画面。Windows 8.1標準そのもの
起動時のデスクトップ。プリインストール済のデスクトップアプリのショートカットが左側に並んでいる
デバイスマネージャ/主要なデバイス。HDDは500GB(5400rpm、キャッシュ8MB)の「TOSHIBA MQ01ABF050」。光学ドライブは「TSSTcorp CDDVDW SU-208FB」。Gigabit Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth全てRealtek製
HDDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約455.5GBが割り当てられている

 プリインストール済のソフトウェアは、Windowsストアアプリは特になし。あってもなくてもいいようなアプリが入っているより、削除する手間も省けて悪くない。個人的には、システム固有のアプリがない限り、こちらの方が好みだ。

アプリ画面1
アプリ画面2

 デスクトップアプリは、「Kingsoft Office」、「LoiLoScope 2」、「Norton Internet Security」、「Zoner Photo Studio 15」。こちらも少な目だ。

 下記画面キャプチャにある「Control Center」は、パフォーマンスの切り替え、パネルの明るさや音量などを調整できる。タッチパッドのドライバはお馴染み「Synaptics TouchPad」。特殊な部分もなく、扱いやすいシステムと言えよう。

Control Center
Synaptics TouchPad V7.2
Intel HD Graphics Control Panel

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2の結果を見たい。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は2コア/2スレッドと条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 4.5。プロセッサ 5.7、メモリ 5.9、グラフィックス 4.5、ゲーム用グラフィックス 4.9、プライマリハードディスク 5.9。PCMark 8 バージョン2は1651。CrystalMarkは、ALU 17319、FPU 14975、MEM 22486、HDD 12008、GDI 8166、D2D 5305、OGL 6976。

 ストレージがHDD、グラフィックスがIntel HD Graphicsと、SSDを搭載したCore i5やi7には劣るものの、例えばWindows XPが動作している標準的なPCと比較するとかなり速い。価格的にもリーゾナブルなので、個人・法人用途に関わらず、サポートが切れたことで話題になっているWindows XPからの乗り換え用としていいかも知れない。

 BBenchは、省電力、キーボードも含めバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で38,160秒/10.6時間。何と10時間を超えた。用途を考えると、バッテリが着脱できなくてもこれなら十分だと思われる。

「winsat formal」コマンド結果。総合 4.5。プロセッサ 5.7、メモリ 5.9、グラフィックス 4.5、ゲーム用グラフィックス 4.9、プライマリハードディスク 5.9
PCMark 8 バージョン2の結果。スコアは1651
BBenchの結果。設定は、バランス、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンだ。バッテリの残5%で38,160秒/10.6時間
CrystalMarkの結果。ALU 17319、FPU 14975、MEM 22486、HDD 12008、GDI 8166、D2D 5305、OGL 6976

 以上のようにiiyama「14P1100-C-VG」は、14型HD解像度でタッチ対応の液晶パネルを搭載し、DVDスーパーマルチドライブも装備している2スピンドルノートPCだ。プロセッサがCeleronなのでパフォーマンスこそそれなりだが、主要インターフェイスの抜けもなく、この構成で6万円を切るのは魅力的だ。

 安価でタッチ対応のWindows 8.1搭載ノートPCを探しているユーザーにお勧めしたい逸品といえよう。

(西川 和久http://www.iwh12.jp/blog/