西川和久の不定期コラム

オンキヨー「TA09C-B41R3」

〜9.7型2,048×1,536ドット液晶のAndroidタブレット

 オンキヨーは、Androidタブレット6モデルを3月8日より順次発売した。今回はその中から、9.7型2,048×1,536ドットの液晶パネルを採用した「TA09C-B41R3」が編集部から送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

9.7型2,048×1,536ドットのRetinaディスプレイ相当

 発表した6モデルは、7型エントリーモデル「TA07C-A41X1」/9,480円から、7型上位モデル「TA07C-C41R1」/13,800円から、8型モデル「TA08C-A41R1」/15,800円から、9.7型XGAモデル「TA09C-A41R3」/24,800円から、9.7型QXGAモデル「TA09C-B41R3」/27,800円から、10.1型モデル「TA2C-A41R3」/24,800円からとなっている。7型エントリーモデル(4.0)以外は全てAndroid 4.1を搭載する。

 それぞれ特徴があるものの、中でも9.7型QXGAモデル「TA09C-B41R3」は、国内メーカーAndroidタブレットで初となる、Retinaディスプレイ相当解像度のQXGA解像度(2,048×1,536ドット)のパネルを採用している。主な仕様は以下の通り。

オンキヨー「TA09C-B41R3」の仕様
プロセッサ ARM Cortex-A9(1.6GHz、デュアルコア)
グラフィックス プロセッサ内蔵ARM Mali-400 MP(クアッドコア)
メモリ 1GB
ストレージ 16GB
OS Android 4.1.1
ディスプレイ 10点マルチタッチ9.7型ディスプレイ(IPS相当)、2,048×1,536ドット
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0+EDR
その他 モノラルマイク、ステレオスピーカー、microSD/SDHCカードスロット、3軸加速度センサー、USB 2.0(MicroB)、ヘッドフォン端子、200万画素前面カメラ/200万画素背面カメラ
バッテリ/駆動時間 リチウムイオンポリマーバッテリ(7.4V、5,000mAh)/約9.5時間
サイズ 240×187×9.9mm (高さ×幅×厚み)
重量 660g
直販価格 27,800円から

 プロセッサはARM Cortex-A9。デュアルコアでクロックは1.6GHz。メモリは1GB搭載する。ストレージは16GB。microSD/SDHCカードスロットもあるので、容量不足になることはないだろう。OSはAndroid 4.1.1。グラフィックスはプロセッサ内蔵のARM Mali-400 MP。クアッドコアのGPUだ。

 インターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0+EDR、モノラルマイク、ステレオスピーカー、3軸加速度センサー、USB 2.0(MicroB)、ヘッドフォン端子、200万画素前面カメラ/200万画素背面カメラ。GPSは無いものの、一通り揃っている。

 サイズは240×187×9.9mm(高さ×幅×厚み)、重量660g。直販価格で27,800円からと、同じ9.7型XGAモデルと比較して、3千円の差しかない。解像度以外で機能的な違いは、5点マルチタッチ、モノラルスピーカー、フロント30万画素カメラ、USBがPC接続用とデバイス接続用と2ポート、HDMI Mini TypeC、リチウムイオンポリマーバッテリ(7.4V、4,000mAh)、最大駆動時間約7.5時間などが挙げられる。

 そして本機最大の特徴は冒頭でも書いたように、2,048×1,536ドットの10点マルチタッチ9.7型液晶パネルを搭載していることだ。これはiPad 3以降のRetinaディスプレイと全く同じだ。IPS相当(IPSがジャパンディスプレイの登録商標のため、同タイプをこう呼んでいる)で視野角は上下/左右170度となっている。Mini HDMIはXGAモデルのみで本製品には無く残念な部分だ。

前面カメラは上中央ではなく、右上ににある
裏面の左上に背面カメラ。質感も良い
左側面下に左スピーカー
右側面。電源ボタン、microSD/SDHCカードスロット、USB 2.0(MicroB)、電源入力、マイク、ヘッドフォン、右スピーカー
上部。音量ボタン、バックキー
下部は何も無い
重量は実測で653g
ACアダプタは70×50×35mm(最大)、重量124g。PC接続用のUSBケーブルも付属する
iPadとの比較。サイズ・厚みともほぼ同じだ

 本体サイズ/重量は240×187×9.9mm/660g。iPad 4(Wi-Fiモデル)が241.2×185.7×9.4mm/652gなのでほぼ同じ。実際持った感じもうりふたつ。質感もなかなか良く、安価だからとチープな感じは皆無だ。

 9.7型の液晶パネルは、輝度・コントラスト共に十分あり、発色も自然。視野角もIPS相当で仕様上、上下/左右170度となっており、一般的な用途において問題は無い。逆に価格を考えるとかなりコストパフォーマンスが高いパネルと言えよう。

 左側面下に左スピーカー、右側面に、電源ボタン、microSD/SDHCカードスロット、USB 2.0(MicroB)、電源入力、マイク、ヘッドフォン、右スピーカー。上に音量ボタン、バックキーを配置する。充電は専用のACアダプタが使われ、USB充電することはできない。ACアダプタのサイズは70×50×35mm(最大)、重量124gと小型だ。

 なお、XGAモデルとは違い、USBコネクタはPC接続用の1ポートしか無いが、USBホストケーブルを使えば、マウスやキーボードなどが接続できることを確認した。

 サウンドは、左右の側面にスピーカーを配置しているのでステレオ感があり、クオリティもこのクラスとしては高い。ただ(ソースにもよるが)最大出力でも迫力のある音量とはならず、本格的に楽しむにはBluetoothスピーカーなどを用意したい。

 200万画素の前面カメラと背面カメラは、試したところ、スチルカメラとして使うには画質は低く(従って作例も掲載しなかった)、あくまでも動画用と割り切りが必要だろう。

 発熱に関しては、後半のバッテリ駆動時間テストをしている時、裏側が全面的に温かくなった。とはいえ、何時間も動画を連続再生することはあまり無いため、特に問題になるほどのレベルではないと思われる。

圧巻の2,048×1,536ドットだが若干問題も

 初期起動時のホーム画面は何も配置されていない。これまでいろいろなAndroidタブレットを使ってきたが、何も無いのは初めてだ。初心者には少し難しいかも知れない。Android 4系は、スマートフォンUIとタブレットUI、どちらかを使用でき、本機はタブレットUIとなっている。

 標準搭載のアプリは、「カメラ」、「カレンダー」、「ギャラリー」、「ダウンロード」、「ブラウザ」、「マーケット」、「メール」、「音楽」、「音声レコーダー」、「音声検索」、「検索」、「時計」、「設定」、「電卓」、「Apkinstaller」、「Explorer」、「KDrive」、「Movie Studio」、「Simeji」、「Video」の計20。本機専用の特別なアプリは搭載していない。

 アプリの追加は、Google Play非対応のため、Tapnowマーケットからアプリをダウンロードするか、別途apkファイルを用意し、Apkinstallerを使ってインストールする必要がある。

 初期起動時の空きエリアは12.27GB(仕様上は約13GB)。Androidのバージョンは4.1.1となっている。なお、[電源]+[音量-]同時押しで画面キャプチャができる。

ホーム画面はタブレットUI。初期起動時ホーム画面には何も無い
工場出荷時のアプリ。Google Playには非対応。計20と必要最低限のアプリが並んでいる
ウェジェットその1。Android 4.1系では標準的なウェジェット
ウェジェットその2。本機専用のものは無い
設定/ストレージ。空き容量は12.27GB
設定/タブレット情報。Androidのバージョンは4.1.1
Tapnowマーケット。facebookなど有名どころのアプリが無い
Apkinstaller。別途apkを入手し、アプリをインストールすることもできる
ブラウザ。この解像度が9.7型に収まるのだから文字のジャギーなどは目立たない

 実際使った感じは、解像度が高い分、GPUの処理能力不足か描画や画面の切り替えが多少ギクシャクし、iPad 3/4ほどスムーズでは無い。またサイトによっては掲載している写真の一部が正方形に残ることもあった(ズームなどすれば消える)。描画に関しては動画を掲載したので参考にして欲しい。とは言え、使いにくいレベルではなく、普通に操作は可能だ。

 またそれ以上に文字などが綺麗、高解像度の写真もかなり細かい部分まで表示でき、HD/フルHDの動画も含め十分楽しめ、メリットの方が大きいと思われる。

 ただ標準搭載のアプリだけでは写真、動画、ネット関連の基本操作しかできず、apkファイルを用意し、いろいろ試してみた。

 筆者が日頃使っている「Twonky Beam」は、地デジ関連の動画以外はスムーズに再生。ただし、「RECOPLA」は対応していない機器となり起動せず。YouTubeやGoogle Map(GPSが無いので現在地は取得できない)関連は問題無く動作した。その他、ソーシャルネット系のアプリなども試した範囲では大丈夫だったが、Google ChromeでPC Watchのトップページを表示するとエラーで落ちることがしばしば。広告で使われているFlash関連だろうか。

 いずれにしてもapkファイルを用意しインストールするのは、初心者には難しい作業なので、本機の魅力を引き出すためにも、Google Playに対応して欲しいところ。

【動画】若干ギクシャクするものの、十分使える描画速度だ

 ベンチマークテストは「AnTuTuベンチマーク」と「MOBILE GPUMARK」を使用した。スコアは前者が9118、後者はRIGIDGEMSしか動かず5460。Nexus 7(4.2.2)で試したところ、12046と3180/17700/6810/3498/31188になった。AnTuTuの結果から性能はそれほど高くないと言っていいだろう。

 MOBILE GPUMARKのRIGIDGEMSしか動かないのは、GPU関連のバグなのか、2,048×1,536ドットに対応していないのか不明だが、同様にapkからインストールしたアプリで、feedlyなど、表示がおかしくなるアプリもあった。Androidとしてはあまり例が無い解像度なので、現状では仕方ないところか。

AnTuTuベンチマークのスコアは9118。Nexus 7は12046
MOBILE GPUMARK(RIGIDGEMSのみ動作)のスコアは5460/x/x/x/x。Nexus 7は3180/17700/6810/3498/31188
feedlyの描画エリアが狭い。一部2,048×1,536ドットに対応していないアプリもあるようだ

 バッテリ駆動時間は、1080pの動画を輝度・音量共に最大でリピートさせたところ、約6時間再生が可能だった。仕様上、最大約9.5時間なので、この不利な条件であれば妥当なところだろう。余談になるが、1080pの動画は等倍で再生した場合、2,048×1,536ドットの解像度にスッポリ収まり上下左右に結構なブランクができる。(iPad 3以来)改めて高解像度に驚いた次第だ。


 以上のようにオンキヨー「TA09C-B41R3」は、9.7型2,048×1,536ドットと言うAndroidとしては珍しい高解像度で、iPad 3以降のRetinaディスプレイ相当となるのが最大の魅力。また価格も27,800円からとかなり安い。

 Google Playに非対応だったり、一部高解像度に対応していないアプリがあるのは残念であるものの、この2,048×1,536ドットにグッと来たユーザーにお勧めしたいタブレットだ。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/