西川和久の不定期コラム

バッファロー「HD-PATU3S」
~Thunderbolt/USB 3.0両対応のポータブルSSD



 バッファローは10月11日に、Thunderbolt/USB 3.0両対応のポータブルSSD搭載「HD-PATU3S」を発表。11月上旬より発売する。一足早く編集部から実機が送られて来たので、先に発売された同じくThunderbolt/USB 3.0両対応のポータブルHDDモデルと比較を交えた試用レポートをお届けしたい。

●Thunderbolt/USB 3.0両対応のコンパクトな外部ストレージ

 MacにThunderboltが搭載されてから1年以上が経過し、徐々にではあるものの、周辺機が増えてきた。またPCでもIntel 7シリーズマザーボードの一部で対応ということもあり、Windows 8端末の到来と共に期待されている高速なインターフェイスだ。

 当初はその高速性を活かすためにRAID製品での採用が多かったが、ここに来てシングルドライブのHDDやSDDを搭載したポータブルストレージが登場し始めた。バッファローからは「HD-PATU3」(HDD)、そして今回のHD-PATU3S(SSD)などが投入される。両製品は、Thunderboltに加えUSB 3.0にも対応している点もポイントが高い(ただしThunderboltとの同時使用は不可)。

 HDDモデルは、容量1TBの「HD-PA1.0TU3」(33,285円)と、500GBの「HD-PA500TU3」(27,720円)、SSDモデルは、256GBの「HD-PA256TU3S」(62,370円)と、128GBの「HD-PA128TU3S」(38,850円)。それぞれ容量が2種類用意されている。今回届いたのは1TBと256GBのタイプだ。主な仕様は以下の通り。

HD-PATU3Sの仕様
インターフェイスThunderbolt×1、USB 3.0×1
対応OSThunderbolt:Mac OS X 10.6以降、USB:Mac OS X 10.5以降およびWindows 8/7/Windows Vista/Windows XP
電源Thunderboltバスパワー、USBバスパワー
容量128GB/256GB
サイズ/重量81×130×23mm(幅×奥行き×高さ)/約260g
付属品Thunderboltケーブル(50cm)、USBケーブル(50cm)、取扱説明書
価格128GB:38,850円/256GB:62,370円

 本体サイズはiPhone 4Sと比較している写真から分かるように、フットプリントは二周りほど大きく、厚みは約2倍と言った感じで、ポータブルストレージとしては一般的なサイズだ。重量は仕様では両製品とも約260gとあるが、実測したところSSDモデルの方が若干(約10g)軽い。いずれにしても、持ち運ぶには全く苦にならないコンパクトさだ。電源はどちらもバスパワーで外部供給は不要。

 カラーリングも含め外観は共に同じで、どちらがどちらか見分けが付かない。従って今回掲載した写真はHD-PATU3のみとしている。トップはホワイト、他の部分はアルミ無垢材で質感も良く、Macとデザインが合う。

 インターフェイスは左側がUSB 3.0で、コネクタの形状はUSB 3.0 microB。右側がThunderboltとなる。それぞれ50cmのケーブルが付属する。Thunderboltケーブルは、既存のRAIDタイプの製品の多くでは別売で、Apple純正の物は2mで4,800円する。50cmと短いとは言え、パッケージに付属するのは嬉しい限りだ。もちろんUSB 3.0はUSB 2.0との下位互換性があるので、速度は落ちるがUSB 2.0しか搭載していないPCやMacでも使用可能だ。

 ドライブは、HDDが5,400rpm/バッファ8MB/SATA 3Gbpsの「ST1000LM024」、SSDがSATA 6Gbps/MLCの「C400-MTFDDAC256MAM」が搭載されていた。

上面。正面左側がUSB 3.0(コネクタの形状はUSB 3.0 microB)、右側がThunderbolt底面。下の長細い部分はアクセスインジケータ付属品。50cmのThunderboltケーブルとUSBケーブル
HDDは実測で259gSSDは実測で248g。HDDタイプより若干軽いiPhone 4Sとのサイズ比較。フットプリントは二周りほど大きく、厚みは約2倍
ケースを開けたところ基板を取り出したところ。こちらは下面上面はカバーで覆われその上に熱伝導シートが貼付されていた

 両製品共、工場出荷時はHFS+(Mac OS拡張フォーマット)でフォーマットされている。1TBの場合、空き領域は999.54GB。256GBの場合、空き容量は255.75GBとなる。PCで使う場合はNTFSまたはFAT32、exFATでの再フォーマットが必要だ。

 Thunderbolt接続はMacで、USB 3.0接続はPCでと、どちらのOSでも読み書きしたい時は、FAT32かexFATでフォーマットすれば良い。ちなみに、exFATはMac側でフォーマットした方が短時間で処理が終わる。ただし現在、BootCampしたWindowsはThunderboltに非対応なので要注意だ。

 もう1つ注意点としては、Thunderboltはデイジーチェーン可能で、例えば、ストレージ→ストレージ→ディスプレイ(miniDisplayPort)といった接続ができる。ただ本機はThunderboltポートが1つなので、単独もしくは終端に配置することになる。

 余談になるが、後半のベンチマークテストは筆者のMac miniを使って行なった。通常、Thunderboltポートは、miniDisplayPort→DisplayPortケーブルを使ってディスプレイへ接続し、HDMI出力側と合わせて2ディスプレイ構成で運用しているものの、Thunderboltポートへこのドライブを接続したため、1ディスプレイでのテストとなった。

1TBのHD-PA1.0TU3。999.54GBの空き256GBのHD-PA256TU3S。255.75GBの空き

●各環境やインターフェイスでのベンチマークテスト

 ベンチマークテストはThunderboltを搭載するMac miniと、USB 3.0を搭載するPC、2つの環境で行なった。フォーマットは、前者がHFS+(Mac OS拡張フォーマット)、後者がNTFS。ベンチマークテストプログラムは、「Xbench」と「CrystalDiskMark(64bit版)」を使用した。

 参考までにどちらの環境もUSB 2.0へ接続してのテストも行なっている。残念ながらUSB 3.0を搭載するMacを筆者は持っていないので、Mac OS XとUSB 3.0の組合せは今回テストできなかった。

 各インターフェイスの最大転送速度は、Thunderboltが10Gbps、USB 3.0が5.0Gbps、USB 2.0が480Mbpsとなる。ストレージがSSDかHDDかで速度差が出るのはもちろん、この仕様の違いもかなり影響するだろう。

 まずXbenchについて、本命であるThunderboltでのスコアは、Results 29.53:233.19と(以降、前者がHDD、後者がSSD)、SSDの方が桁1つ違う速さとなった。シーケンシャルアクセスに関しては2倍前後の差だが、ランダムアクセスで桁1つ違うためこの差が出た様だ。

 USB 2.0接続時は、Results 23.56:Results 62.16。USB 2.0は、完全にボトルネックになっているが、同じくランダムアクセスでの差が大きいので、SSDの方が良い結果になっている。

【Xbenchの結果】
 HDD ThunderboltSSD ThunderboltHDD USB 2.0SSD USB 2.0
Results29.53233.1923.5662.16
Sequential Write [4K blocks]55.96MB/sec235.06MB/sec27.06MB/sec29.90MB/sec
Sequential Write [256K blocks]100.47MB/sec169.24MB/sec25.76MB/sec24.70MB/sec
Sequential Read [4K blocks]31.22MB/sec30.32MB/sec7.25MB/sec7.65MB/sec
Sequential Read [256K blocks]108.80MB/sec258.09MB/sec29.97MB/sec34.11MB/sec
Random Write [4K blocks]0.53MB/sec8.47MB/sec0.55MB/sec7.78MB/sec
Random Write [256K blocks]17.41MB/sec110.90MB/sec16.51MB/sec27.63MB/sec
Random Read [4K blocks]0.50MB/sec14.76MB/sec0.49MB/sec6.47MB/sec
Random Read [256K blocks]26.04MB/sec208.46MB/sec16.02MB/sec31.11MB/sec

 CrystalDiskMarkも、USB 3.0での接続は、シーケンシャルアクセスにおいてSSDがHDDよりも2倍ほど高速な結果をたたき出している。そしてランダムアクセスでは、3倍以上の差がある。

 USB 2.0での接続は、やはりインターフェイスがボトルネックとなり、シーケンシャルアクセスについてはあまり差が出なかったものの、ランダムアクセスは1桁違う結果となっている。本製品の性能を引き出すには、ThunderboltかUSB 3.0で接続するべきなのは言うまでもない。

 なお、Thunderbolt接続時は、Mac OS Xのブートドライブにもする事が可能だ。筆者が使っているMac miniのように内蔵HDDが遅い場合、SSDタイプならこのドライブからブートした方がより快適に使えるだろう。

「HD-PATU3」(HDD)USB 3.0接続
「HD-PATU3S」(SSD)USB 3.0接続
「HD-PATU3」(HDD)USB 2.0接続
「HD-PATU3S」(SSD)USB 2.0接続

 以上のように「HD-PATU3S」は、ThunderboltとUSB 3.0に対応したポータブルタイプのストレージだ。基本的にMac用だが、フォーマットし直せばWindows環境でも利用できる。

 高速なポータブルストレージを使いたいユーザーにお勧めの1台だ。