西川和久の不定期コラム

パワフルなゲーマーノートPC!
マウスコンピューター「NEXTGEAR-NOTE i910GA1」



 4月上旬、マウスコンピューター「G-Tune」ブランドデスクトップPCの記事を掲載したが、同ブランドのノートPC、「NEXTGEAR-NOTE i910GA1」も編集部から届いた。CPUにCore i7-920XM、GPUにGeForce GTX 285M、SSDとHDDのハイブリッドなど、ゲーマーご用達のハイエンドノートPCだ。どれだけ爆速なのか興味のあるところ。早速レポートをお届けする。

●正にハイエンドノートPC

 同社のNEXTGEAR-NOTE i900シリーズは、ブロンズモデルの「NEXTGEAR-NOTE i910BA1」、シルバーモデルの「NEXTGEAR-NOTE i910SA1」、そしてゴールドモデルの「NEXTGEAR-NOTE i910GA1」と、3種類のモデルがある。HDDの構成やメモリ容量など違いがあるものの、1番大きい差はCPU。順にCore i7-720QM(4コア/8スレッド、1.6GHz/TB 2.8GHz、キャッシュ6MB)、Core i7-820QM(4コア/8スレッド、1.73GHz/TB 3.06GHz、キャッシュ8MB)、Core i7-920XM(4コア/8スレッド、2GHz/TB 3.2GHz、キャッシュ8MB)となっている。ただしBTOでは構成を変更できるため、このモデル分けは、あくまでも推奨モデルといった感じだ。

 共通仕様で最もインパクトのあるのは、何と言っても「17.3型フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の液晶パネル搭載」の部分。筆者が普段使っている初代Intel iMacの液晶パネルも17型、解像度は1,440×900ドットとすでにこの段階で負けている。これだけのパネルがノートPCに付いているとは驚きだ。もちろんGPUも強力で、GeForce GTX 285M(1GB/GDDR3)を搭載している。

 今回届いたのは、中でも最強のゴールドモデル「NEXTGEAR-NOTE i910GA1」。スペックは以下の通り。(編集部注:一部仕様が変更されています。記事末を併せてご覧ください)。

「NEXTGEAR-NOTE i910GA1」仕様
CPU Intel Core i7-920XMプロセッサ(4Core/2.0GHz,TB 3.20GHz/キャッシュ3MB)
チップセット Intel PM55 Express
メモリ 8GB/SO-DIMM(PC3-10600 DDR3-SDRAM/最大8GB/2スロット空き0)
SSD 160GB
HDD 500GB(5,400rpm)
光学ドライブ Blu-ray Discドライブ
OS Windows 7 Professional(64bit)
ディスプレイ 17.3TFT液晶ディスプレイ(光沢)、1,920×1,080ドット(フルHD対応)
GPU NVIDIA GeForce GTX 285M(1GB/GDDR3)、DVI-I、HDMI
ネットワーク Gigabit Ethernet(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)、IEEE802.11/b/g/n
その他 USB 2.0×4、eSATA×1、IEEE 1394、4in1カードリーダ、ExpressCard/54、200万画素Webカメラ、オーディオIN/OUT、ヘッドフォン出力、S/PDIF
サイズ/重量 412×279×39〜48mm(幅×奥行き×高さ)/約3.95kg
バッテリ駆動時間 約0.75時間
価格 369,600円(税込)

 CPUはIntel Core i7-920XMプロセッサ。4コア/8スレッド、クロックは2GHz、TurboBoost時は3.2GHzまで上昇する。キャッシュはL2 256KB×4、L3 8MB。GPUは内蔵していない。チップセットはIntel PM55 Expressだ。メモリは4GB×2の8GB搭載。もともとスロットが2つなので空きは無い。OSはWindows 7 Professionalがプリインストールされている。ブロンズモデルの「NEXTGEAR-NOTE i910BA1」のみWindows 7 Home Premiumであるが、メモリ容量が最低でも4GBとなっているため、全て64bit版を搭載している。

 ストレージは、160GBのSDDと500GBのHDDのハイブリッド。システムドライブはSSDで高速化、データドライブは500GBと大容量を確保。SSDは「Intel SSDSA2M040G2GC」が使われている。

 ネットワークは、有線LANはGigabit Ethernet対応、無線LANはIEEE 802.11n対応となっているものの、Bluetoothは搭載せずBTOでも選べない。その他のI/Oポート関連は、USB 2.0×4、eSATA×1、IEEE 1394、4in1カードリーダ、ExpressCard/54、S/PDIFも含めたオーディオIN/OUTなど豊富なので、一般的な用途で不足になることは無い。

 そして何より強力なのはグラフィックス周りだ。ディスプレイはフルHD(1,920×1,080ドット)の17.3型液晶パネルを搭載。光沢タイプなので映り込みはあるものの、原色系の色が鮮やかで、ゲームをするにしてもコンテンツを観るにしても楽しめる。GPUは、GeForce GTX 285M(1GB/GDDR3)を搭載し十分なパフォーマンスを確保。出力は、DVI-IとHDMIのデュアルとなっている。アナログRGB出力は無いものの(DVI-I→ミニD-Sub15ピン変換コネクタは付属)、用途を考えれば全く問題無いだろう。

 サイズは412×279×39〜48mm(幅×奥行き×高さ)、重量約3.95kgと、もはやノートPCの粋を超えている。バッテリ駆動時間も約0.75時間だ。これからも分かるように、普段持ち歩き用のノートPCではなく、蓋を閉めてパッと場所が移動できるトランスポータブルに近い雰囲気。それでもデスクトップPCとは違い、いろいろなケーブルなどが無いので、移動自体は楽にできる。

 今回のコンフィグレーションで価格は369,600円だ。BTOでは、Windows 7の各エディション、地デジ対応TVチューナ、HDD1/HDD2などの選択が可能となっている。

天板。G-Tuneのロゴが映える。質感はマットな感じで光沢感は無い 右端に若干インジケータがある 裏面。ネジを外すとパネルが外れるものの、この仕様なら特に増設するものは無さそうだ。大きなファンが2つ見える
左側面。モデム(未使用)、CATV、4in1カードリーダー、IEEE 1394、USB 2.0×1、光学ドライブ キーボードはアイソレーション・タイプ。右上にPowerスイッチ、中央はタッチ式のクイックランチャー、左側にHDDアクセスLEDなどのインジケータ 右側面。ロックポート、DVI-I、eSATA、ExpressCard/54、USB 2.0×1、各種オーディオIN/OUT
キーピッチは約19mm 背面。Gigabit Ethernet、USB 2.0×2、電源入力、HDMI
ACアダプタは巨大だ。コネクタはミッキータイプ。バッテリは11.1v、3,800mAh、42.18Wh。マイクロソフト「SideWinder X3 Mouse」が付属 ThinkPad X31との比較。17.3型と12.1型のパネルサイズの違いもあり、その差はご覧の通り

 梱包から本体を取り出した第一印象は「大きい! 重い!」だ。さすがに17.3型の液晶パネル、サイズ412×279×39〜48mm(幅×奥行き×高さ)、重量約3.95kgは、もうノートPCのレベルではなく、ある意味インパクトがある。ゲーム機と言うことでもっと派手な感じかと思っていたが、割と配色や質感はシックにまとめられている。

 ちなみにブロンズモデル、シルバーモデル、ゴールドモデルとモデル名が付いているため、天板のカラーが違うのかと思われるかも知れないが、ボディ全体がマットブラック、そしてアクセントで淵がシルバーのラインとなっている。さすがに裏はプラスチッキーだが、見える部分に関してはしっかりした質感で値段なりの雰囲気を持つ。

 キーボードはアイソレーションタイプのテンキー付き。経験上、サイズの大きいノートPCの多くは中央がたわんだりするものが多いのだが、このキーボードはそのようなこともなく、ガッチリしている。ただテンキー部分が[Enter]キーにかなり近い位置にあり(主キーと同じピッチで並んでいる)、慣れないと押してしまいそうな雰囲気だ。テンキーの「1」の下は「0」ではなく、「>」(矢印キー)になっている。従って業務用途では使い辛いと思われるが、このマシンの用途を考えれば問題は少ない。

 タッチパッドは、気持ち段差があり、感度や指の滑りなどは標準的だ。ボタンは一本バーのシーソータイプ。ただ表面は、両サイドやスピーカーの部分のデザインに合わせたのかメッシュになっており、触った感じはザラザラする。なお、「Microsoft SideWinder X3 Mouse」が標準添付。ゲームに特化した操作性と耐久性を持つ8ボタンマウスとなっている。

 液晶パネルは光沢タイプの17.3型でなかなか迫力がある。左右の視野角は割りと余裕があるが、上下方向は狭めだ。発色は原色系が映え、色温度は低めで写真なども自然に表示される。ただサイズが大きい分、バックライトを最大にしても気持ち暗めの雰囲気。1,920×1,080ドットの解像度はパネルサイズも十分大きいため文字に関しては普通に読める。

 ボディが大きい分、パームレストなど手が触れる部分はあまり熱を感じないが、ベンチマークテストなどCPUとGPUに負荷をかける処理を行なうと、後ろから結構暖かいエアーが排出される。Core i7-920XMプロセッサそしてGTX 285M搭載と言うこともあり、この点は仕方ない部分だろう。

 ステレオスピーカーは、キーボードと液晶パネルの間にある小さいメッシュの下に入っている。コンテンツなどを聴いたところ、ボディが大きいので迫力のある音を期待していたが、予想外にライトな音質で、音量も小さめだ。ただし、ヘッドフォン出力やライン出力に加えS/PDIF出力もあるため、外部DACを接続し、オーディオ機器で大迫力&高品位で聞くことも可能だ。

●爆速そして快適なフルHD解像度

 起動ドライブがSSDなのでOSの起動が速く、IEなどもサクサク動く。更にメモリは8GBなので、OSの動きも非常に余裕のある感じだ。最近ノートPCで多く見かける1,366×768ドットのHD解像度より更に高解像度の1,920×1,080ドットは何をするにも画面が広く快適。例えばWebのデザインは幅が1,024ドットのサイトが一般的であるが、Webブラウザをちょうど良い幅にしてもまだ896ドットも残っているので、オーバーラップせずに他のウィンドウを開くことができる。

 加えてGPUにGeForce GTX 285Mを搭載しているだけあってもっさり感も皆無。ゲーム用だけでなく、業務用途、画像、そしてCUDAが使えるので、TMPGEnc 4.0 XPressやPowerDirectorなど映像系の仕事をしてもストレスフリーで処理できる。ノートPCとしてサイズと重量(価格も)さえ気にしなければ十分以上に使える環境だ。

起動時のデスクトップ。パッと見ると1,920×1,080ドットに見えないが、実際触ると、最近多くなった1,366×768ドットより広さを感じる デバイスドライバ/主要なデバイス。SSDは「Intel SSDSA2M040G2GC」が使われている。HDDは「SAMSUNG HM500JI」 HDDのパーテーション。SSDとHDDはそれぞれOSとしてはワンパーティション。約148GBと約465GB

 プリインストールのアプリケーションで大物は、「マカフィー・インターネットセキュリティ(90日期間限定版)」、「CyberLink Blu-ray Disk Suite」程度で、非常にさっぱりした内容となっている。基本的にゲーム用と言うこともあり、あえて入れてないのだろう。なおBTOでMicrosoft Office Personal 2007、 Kingsoft Office 2010 Standardなどのプリインストールも可能だ。

CyberLink Blu-ray Disk Suite NVIDIAコントロールパネル Sentelicタッチパッド・ドライバ

 Windows エクスペリエンス インデックスは、総合で6.8。プロセッサ7.3、メモリ7.4、グラフィックス6.8、ゲーム用グラフィックス6.8、プライマリハードディスク7.8。CPUとメモリ、そしてSSDは速い。GeForce GTX 285Mは決して遅いGPUではないのだが、この構成だとイマイチパワーが足らない感じがする。

 CrystalMarkは、メモリがデュアル構成なので、バランスを崩さずシステム全体的に速いことが分かる。SSDの速度も2.5インチHDD 5,400rpmの約3倍速だ。

 BBenchは、バックライトOFF、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ONでの結果だ。バッテリの残5%で3,761秒(1時間)と、仕様上は0.75時間だったので、それよりは長持ちした。ただし、このチェック方法はGPUをあまり使わないので、ゲームなどを行なうともっと短くなることが予想される。

 YouTubeに関してはGPUアクセラレーションが効かないFlash Player 10でも1080pが30fps、コマ落ち無しで非常にスムーズに再生された。しかもドットバイドットなので、文句無しの環境だ。

Windows エクスペリエンス インデックス。総合で6.8。プロセッサ7.3、メモリ7.4、グラフィックス6.8、ゲーム用グラフィックス6.8、プライマリハードディスク7.8 CrystalMark。どのスコアもさすがといったところ。SSDは2.5インチの5,400rpm HDDと比較すると約3倍速になっている BBench。バックライトOFF、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ONでのBBenchの結果。バッテリの残5%で3,761秒(1時間)と、仕様より少し長く動いた

 上記以外のベンチマークテストとして、PCMarkとRAW現像を行なった。PCMarkの結果は「12274 PCMarks」。PCMarkは比較対象の値を持ち合わせていないので、参考までに見て欲しい。

 RAW現像に関しては、Nikon D3XのRAW画像(6,048×4,032ピクセル)、現像ソフトは「Nikon ViewNX」を使い30枚の画像を同じ条件で連続現像した。ViewNXはGPUを使わないので単純なCPUパワーでの比較となる。i7-720QM+GT230M/11分56秒、Q9950+GTX260/6分2秒、i7-920+GTX260/5分19秒に対してCore i7-920XM+GTX285M/8分9秒。デスクトップPCには負けるものの、ノートPCとしてはかなり速いことが分かる。

12274 PCMarks

 以上のように「NEXTGEAR-NOTE i910GA1」は、液晶パネルのサイズが17.3型でフルHD解像度、Core i7にGTX 285Mと、スペックだけ見るともはやノートPCとは思えないデスクトップPC並みのパワーをそのままノートPCっぽくしたマシンと言える。ゲーマーはもちろん、動画のエンコードやRAW現像にも十分威力を発揮、しかも解像度も高い。値段はかなり高価だが、とにかくハイパワーのノートPCが欲しい人にお勧めの逸品だ。

 なお本稿で紹介した「i910GA1」は完売し、SSDの容量を80GB(Intel X25-M)に仕様変更した「i910GA2」(359,940円)が発売予定となっている。