買い物山脈

モンスターノートはPCゲームの夢を見るか?

〜デスクトップを凌駕するLEVEL∞のゲーミングノートを購入

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです
「Lev-17FG098-i7K-VE」

 ある晴れた日に、ふと「ゲームをバリバリ楽しめるノートPCが欲しいな……」とか思った。いつも使っているノートPCの性能に、さほど不満があるわけではない。私は2台のノートPCを使い分けている。どちらもグラフィック機能はCPU内蔵のもので、ネットやビジネスワークには充分なのだが、ことゲームとなるとやはり苦しい。普段からプレイしている「WoT」(ワールド・オブ・タンクス)や「WoWS」(ワールド・オブ・ウォーシップス)は、美しいグラフィックに関わらずかなり軽めのゲームだ。そういったタイトルであっても、ノートPCのCPU内蔵グラフィックでは正直な話「辛い」。そんな背景もあってゲームをバリバリ楽しめるノートPC、すなわちゲーミングノートが欲しくなった。

 そして、やってしまった。遥かな昔、祖母から「お前は考えが足りないから、何かする時はじっくり考えてからやるんだよ」と言われていたのに、やってしまった。結論を先に言ってしまうとパソコン工房でBTOゲーミングノートを注文したのだが、少しばかりハイになっていたためか考えなしに超ハイエンドなスペックで注文してしまったのだ。結果、なんと最終合計が437,337円というとんでもない価格になってしまった。この状況を嫁にどう説明するかを考えると、遠くへ旅に出たい気持ちである。

 が、しかし、この価格、決して高いわけではない。まずはとにかく私が注文したスペックを見て欲しい。ベースとなったモデルは「Lev-17FG098-i7K-VE」で、基本構成の価格は税別で327,980円。それを以下のようにカスタマイズすると、437,337円となるのだ。

主なスペック
CPU Core i7-6700K(4GHz)
GPU NVIDIA GeForce GTX 980(8GB GDDR5)
メモリ 32GB(8GB×4)PC4-17000 DDR4 2133 SO-DIMM
SSD 512GB Samsung SSD 850 PRO
液晶 17.3型G-SYNC対応IPSフルHD
光学ドライブ なし
OS Windows 10 Pro 64bit
その他 KINGSOFT OFFICE 2013 [バンドル版]

 上記のうち私が変更したのはメモリ、ストレージ(SSD)、OS、そしてバンドルソフトだけだ。ノートPCということで後からアップグレードする必要がないよう、メモリは32GBとたっぷり搭載した。SSDはM.2と2.5インチSSDのどちらにするか迷ったが、後でじっくり考えることにして2.5インチSSDを選んでみた。基本的にPCゲームをプレイするためのものなので、バンドルソフトなどはあまり気にしていない。

 このLev-17FG098-i7K-VEで特筆すべきは、CPUとGPUのスペックだ。標準で搭載されているものが「デスクトップPC向け」なのである! Core i7もGeForce GTX 980も「モバイル向け」、例えば「M」がつくモデルではない。チップセットもATXマザーボードなどと同じ、Intel Z170である。ということはある意味、このLev-17FG098-i7K-VEはデスクトップPCであり、モンスターと形容するに相応しいゲーミングノートPCと言える。

 ここから本製品の細部を見ていくのだが、忙しい人のためにここで結論を書いておく。「デスクトップ向けのCore i7-6700KとGeForce GTX 980を搭載し、G-SYNCに対応したIPS液晶を装備するこのLev-17FG098-i7K-VEなら、どんなにグラフィックが重いゲームであっても快適に楽しめる。ただしモバイルすることは難しい」だ。では細部を見ていこう。

サイズと重量もモンスター級

 Lev-17FG098-i7K-VEを箱から出してセットアップ後、まず思ったのが「大きくて速い、そして光る」ということだ。

 まずは「大きい」に関して。もう見た目で相当に重たいのだろうと想像はついていた。モバイルするわけではないのだから大きかろうと重かろうとゲームをバリバリ楽しめればいいのである。それでも重量が気になったので実機を計測してみた。すると本体が4.95kg、そしてACアダプタ+電源ケーブルが1.45kgというデータが得られた。両方合わせて6.4kgである。これはうちのシーズー犬より重い。

 一応、一般的ノートPCとも比べておこう。普段私がモバイルとして使っているノートPCは「ThinkPad X1 Carbon」。14型ディスプレイ搭載のスリムなノートPCだ。ThinkPad X1 Carbonの本体重量はカタログスペックで約1.18kg。なんとLev-17FG098-i7K-VEのACアダプタの方が重いのである。ちなみにこのACアダプタ、Core i7-6700KとGTX 980を駆動させるだけあって19.5Vの16.9Aで、出力330Wもある。コンセントを抜いてもしばらくは通電LEDが光り続けるのが印象的だ。

 サイズは428×308×45mm(幅×奥行き×高さ)。17.3型のIPS液晶は、もちろんフルHDの1,920×1,080ドット。発色も鮮やかだし視野角も広い。そして何より「G-SYNC対応」ということで、ゲームをするのに最適なのである。G-SYNCではディスプレイのリフレッシュレートをGPUに同期させることで(通常は逆)、より滑らかで美しい映像を表示する技術だ。特に動きのある(書き換えが多い)ゲーム画面、FPSやアクションゲームなどで効果を発揮する。

 このように大きくて重いということも、デスクトップタイプのゲーミングPC本体だけでなく、17.3型のディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイスも詰め込まれていることを考えると納得ができるというものだ。

Lev-17FG098-i7K-VEが17.3型、ThinkPad X1 Carbonが14型。親子ほどサイズが違っている
左がLev-17FG098-i7K-VEのACアダプタ、右がThinkPad X1 Carbonのもの。Lev-17FG098-i7K-VEのACアダプタは出力330W
本体と付属のACアダプタ。両方合わせて6kgオーバー
閉じた状態
底面の左にはサブウーファーが内蔵
底面を取り外してみる。ぎっちり詰まっているという印象だ。内蔵されている電動ファンは3つ
メモリスロット。DDR4 SO-DMMを最大64GBまで搭載可能
CPU部分。CPUソケットに注目。チラッと見えているそれは、明らかにデスクトップ用のLGA1151ソケットだ
この下にデスクトップPC向けのGeForce GTX 980が隠れている。冷却を徹底するため複雑に張り巡らされたヒートパイプが印象的だ

性能は当然最上位級

 そもそもCPU、GPU共にデスクトップ向けのものを搭載しており、しかもそれはCore i7-6700KとGeForce GTX 980(メモリ8GB)というのだから性能が悪いわけがない。というよりデスクトップゲーミングPCでも、スタンダードクラスだとLev-17FG098-i7K-VEに太刀打ちできないのである。実際、ベンチマーク結果がそれを物語っている。

 さらに本製品はCPUとGPUをオーバークロックできる。GPUに関しては専用のツールが付属し、CPUに関してはIntelのツールである「XTU(Extreme Tuning Utility)」をインストールして使用する。当初、私はXTUがプリインストールされていると思い込んでいて「CPUのOCがない!」と慌てのだが、XTUに関してはユーザー自身がインストールするものだった。

 OCツールは単体起動が可能になっている。だが、Lev-17FG098-i7K-VEを便利に使う上で覚えておいて欲しいのが、Fnキー+Escキーで呼び出す「Control Center」だ。標準付属するこのツールを使えば「静音」や「省電力」といったモードのプリセットを簡単に呼び出せる。CPU、GPUのOCツールをここから起動することもできるし、内蔵カメラのオン/オフといった操作も行なえる。頻繁に使うツールなのでショートカットキーも含めて、覚えておいてもらいたい。

GPU OverClockツール
Control Centerの画面。プリセットの切り替えで簡単に性能を調整できる
ファンの回転数なども管理できる
接続されているデバイス、ここではタッチバッドと200万画素の内蔵カメラの有効/無効を切り替えられる
「ゲーミング」ではCPUのOC機能が可能。IntelのXTUをインストールしなければ表示されない
これがIntelのXTU(Extreme Tuning Utility)

 もっともOCに関して言うとGPUにはさほど大きな幅はない。システムの安定性を確保した上でのOCとなると、GPUコアで+120MHzぐらいだろうか。詰めていけばもう少し上げられるとは思うが、そもそもGTX 980が搭載されているのである。OCを行なう必要性は感じない。CPUに関しても同じことが言える。もともとの性能が良いので、OCに関しては考えなくていいと思う。

 いくつかベンチマークを走らせてみたのだが、高負荷状態になると内蔵ファンがフルに近い状態で動作した。GPUのOCを行なうとファンの回転数はさらに上昇し、騒音はかなり大きくなる。だが、個人的にそう気になるものではなかった。ハイエンドなゲーミングノートPCを使っているという割り切りもあるし、騒音が比較的低音なため耳障りになりにくいのかも知れない。またゲームのプレイ中で、ゲームサウンドを大きめにしていれば、ファンの音などほとんど聞こえない。

ベンチマーク結果
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(1,920×1,080、最高画質)
通常 OC
DirectX 9 15,591 15,918
DirectX 11 12,611 13,160
DirectX 11(DX9相当) 16,368 16,514
3DMARK Fire Strike 1.1
11,491 12,130
CINEBENCH R15はOpenGL 74.68fps、CPU 874cb

使い勝手も、見た目も上々

 Lev-17FG098-i7K-VEに複数のゲームソフトをインストールし、しばらく使ってみた。「Fallout4」や「Rise of the Tomb Raider」、「Grand Theft Auto 5」といったグラフィック的にかなり重いタイトルから、私にとっては必須のWoTとWoWSといった軽めのタイトルまで、あれこれプレイしてみた。グラフィック面では実に快適、というより快感を感じるほどの美しさと動きである。デスクトップPC向けのGeForce GTX 980を搭載し、G-SYNCで表示しているのだから、むしろ当然のことだろう。カクついた画面、テアリングなどは一切感じない。

 そして思わずうなってしまったのが音の良さ。Lev-17FG098-i7K-VEは大きめなステレオスピーカーに加えて、サブウーファーを底面に装備している。また、HDオーディオという括りにはなるが、サウンドユーティリティとしてSoundBlaster X-Fi5がインストールされているので、音楽やゲームのシーンに合わせた音作りを簡単に行なうことが可能になっている。

 操作性に関しては言えばテンキー付きのフルキーボードは、高さに慣れてしまえばまったく問題無くゲームで使える。ただしマルチタッチ対応で指紋認証も行えるタッチパッドに関しては普通の操作だと問題ないが、ゲームを遊ぶとなると難しい。好みのコントローラーかゲーミングマウスを用意しておきたい。

 見た目に関して言えばゲーミングノートPCらしく、よく光るというのが率直な感想だ。もちろんゲーミングPCなら当然の話だが、キーボードも光る。また小ネタだが、キーボード上部の電源スイッチを押した際に、その両脇にあるインジケーターランプの光がサッと走る。

 これらのイルミネーションは付属のツール「Keyboard Backlight Application」から行なえるし、Fnキー+任意のキーでショートカットすることもできる。またこのツール自体もショートカットキーで呼び出し可能で、マクロキーの設定や、どのキーを何回押したかといった統計機能も含まれている。

G-SYNCの設定はNVIDIAコントロールパネルから行なう
ゲーミングノートPCらしく、WASDキーには白枠がある
テンキーの/、*、-などにあるマークはキーボードのイルミネーションをコントロールショートカットキー。Fnキーと同時押しで使用する
マルチタッチ、指紋認証対応のタッチパッドは良好な使い勝手だが、アクション系のゲームで使うのには無理がある。艦これなら充分だが
SoundBlaster X-Fi5でプロファイルをすぐに切り替えられる
キーボード上、中央に電源スイッチ。電源オンと同時に、このスイッチから左右に電飾が走る
ゲーミングノートPCらしく、キーボードが光る
色は付属のツールを使い、フルカラーで任意に設定可能だ
暗い中で見るとかなりのレベルが光っていることが分かる
パートごとにカラーを設定することも可能
液晶パネル裏、天板部分のスリットも光らせることができる
Keyboard Backlight Application、フルカラー対応でキーボードの電飾を設定できる
ちょっと面白いのがこのキーボード統計機能。キーを押した回数、マウスのボタンを押した回数などを記録できる

その他のポイント

 Lev-17FG098-i7K-VEはデスクトップPCに負けないぐらいの拡張ポートを持っている。列記すると以下のようになる。

  • ヘッドフォン/スピーカ出力×1
  • マイク入力×1
  • ライン入力×1
  • S/PDIF出力(ミニプラグ型)×1
  • USB 3.1/Thunderbolt 3兼用ポート×1(Type-C)
  • USB 3.0ポート×5
  • ディスプレイ出力×3(HDMI×1/Mini DisplayPort 1.2×2)

 注目すべき点はやはりType-Cの「USB 3.1/Thunderbolt 3兼用ポート」だろう。現状、このポートは高速なUSBとしてしか使い道はないと思うが、Thunderbolt 3に対応した機器が登場すればさらに役立ってくれると思う。USB3 .0ポートは5つあれば充分だろうし、オーディオを光端子で出力し、外部スピーカーやアンプを高音質で使うこともできる。なお、Mini DisplayPortの1つはThunderbolt 3と排他になっている

 そのほか液晶ディスプレイ上部には200万画素のカメラが内蔵されていて、もちろんその脇にはマイクも用意されている。ゲームのボイスチャットに使ってもいいだろうし、Skypeなどで活用することもできる。さらにLev-17FG098-i7K-VEにはUHS-IIに対応したSDカードリーダが内蔵されているので、高速読み込みが可能だ。

正面から見て左側面。Killer Gigabit Ethernet×2、USB 3.0×3、そしてサウンド関連ポートが並ぶ。KillerのEthernetは付属のツールで設定可能だ
KillerのNetwork Managerが付属する
左からHDMIポート、USB 3.0ポート、そしてACアダプタ用ポート
正面から見て右側面。SDカードスロット、USB 3.0ポート、USB 3.1とThunderbolt 3を兼ねるType-Cポート、そしてMini DisplayPort 1.2×2。SDカードスロットにはダミーカードが入っている
UEFIに入ってみた。一見すると従来型のBIOSだが……
ちゃんとUEFIブートをサポート

ゲーミングPCは万能選手

 よくある誤解に「ゲーミングPCはゲームに特化したものなので、ほかの用途には向かない」というのがある。だが、ゲーミングPCは高速なCPUとGPUを備え、耐久性に優れており、あらゆる用途に向く万能選手なのである。ゲームのためのハイエンドなスペック、そして長時間ゲームを安定してプレイできる耐久性などは、ほかの用途でも効果を発揮してくれるのだ(オフィスワークでキーボードが光っても、あまり意味がないとは思うが)。

 もちろんLev-17FG098-i7K-VEもそうだ。ゲームを楽しむだけでなく、優れたグラフィック能力を活かせばムービー編集などの映像処理もラクラクとこなしてくれる。高速なCPUはエンコード作業にスピードをもたらしてくれるだろうし、メモリを大量に搭載しておけばプログラム処理などでも効果を発揮してくれるだろう。ゲームの臨場感を高めてくれる迫力あるサウンドは、楽曲を再生して楽しむことに流用することができる。

 つい先日、ある所でVRゴーグルのデモを行なうことになった。VRゴーグルの映像処理ではハイエンドなGPUが必要となるため、当初はデスクトップPCを持ち込むつもりだったのだが、それだとあまりに荷物が多くなってしまう。そこで活躍してくれたのがLev-17FG098-i7K-VEだった。GTX 980ならVRゴーグルの映像処理も余裕でこなしてくれる。

 繰り返しになるが、決してLev-17FG098-i7K-VEはスペック以上に高価なPCではない。同様のスペックをデスクトップPCで実現し、そこにG-SYNC対応のフルHDディスプレイ、光るキーボードなどを入れた値段を計算してみて欲しい。決して「安い」というつもりもないが、高いわけでもないということを理解してもらえるだろう。また、Lev-17FG098-i7K-VEには「所有する喜び」という付加価値がある。モンスターなゲーミングノートPCを持っている、使っているというのはユーザーに大きな満足感を与えてくれるはずだ。それだけのスペックを、ギュッと詰め込んだノートPC、それがLev-17FG098-i7K-VEなのである。

VRゴーグルのGALAX VISIONとLev-17FG098-i7K-VE。Lev-17FG098-i7K-VEならVRゴーグルが必要とする性能を簡単に出せる

(高橋 敏也)