ゲーマー向け液晶「LG W2363V-WF」



品名 LG「W2363V-WF」
購入価格 27,800円
購入日 2009年11月10日
使用期間 約1カ月

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

 LG Electronicsから、ゲーマー向けを謳う23型のワイド液晶ディスプレイ「W2363V-W」が発売された。ちょうど、今までセカンドマシンで使っていた液晶に不便さを感じていたので、買い換えることにした。

●我が家のセカンドマシンのニーズにぴったりフィット
エイサーのAL2416wd

 以前このコラムで紹介したが、筆者はメインマシンでデルの30型液晶「3008WFP」、セカンドマシンでエイサーの24型ワイド液晶「AL2416wd」を使用している。今度、買い替えの対象となったのはAL2416wdのほうだ。

 1つ目の不満は、以前も述べた、HDCPに非対応である点だ。このため、地デジをフルHDで視聴することができない。筆者の部屋は、窓際にアンテナのプラグが用意されているが、部屋の模様替えをした際にメインマシンを設置した場所は、ちょうどこのアンテナ端子と対角線の位置にある場所に移動した。このため非常に長いアンテナケーブルを張り巡らせなければならなかった。

 一方、セカンドマシンは、電子ピアノ越しではあるものの、端子と一直線上に配置しているため、アンテナケーブルの取り回しがしやすい。そこで、セカンドマシンで地デジを視聴することを考えた。そのためにも、HDCP対応が必須だった。

 もう1つは、単純にW2363V-Wが謳うクイックなレスポンスを試してみたかった点だ。筆者は格闘ゲームの「ストリートファイターIV」や、FPSゲーム「UnrealTournament 3」などをたまにやるのだが、3008WFPやAL2416wdと比較して、画像処理を行なわないことでレイテンシを縮める「THRU MODE」に実用性があるのか、興味があった。

 そして、W2363V-Wには、豊富な入力系統と、DVIとHDMI同士でも利用可能なピクチャーインピクチャー(PIP)、子画面と親画面を1ボタンで入れ替える機能など、興味深い部分もあった。

 出てからしばらく品薄が続いた上、従来のAL2416wdからの置き換えだと、パネル方式がVAからTN、1,920×1,200ドット(WUXGA)から1,920×1,080ドット(フルHD)など、若干のスペックダウンもあったので、一時購入をためらっていたが、AL2416wdをほぼ3年間も使っていて古くなったこともあり、購入に踏み切った。T-ZONEでの購入価格は27,800円だった。

●豊富な入力端子と柔軟なPIP

 購入してから、家にそのまま持ち帰り、速攻開封して設置した。3008WFPの時は大きさと重さのせいでかなり苦労したが、W2363V-WFは23型で軽いため、楽々と設置できた。スタンドはあらかじめ装着されていないので、自分でスタンド底面のネジねじり込む必要があるが、難しくはなかった。

 本製品の入力端子は、DVI、ミニD-Sub15ピン、HDMI×2、そしてコンポーネントの5系統。3008WFPではS端子やコンポジット、DisplayPortなどを備えていたので、それと比較すると少ないが、それでもこの価格帯としてはかなり豊富と言って良い。

HDMI入力は側面に2基装備されている 底面にはDVI、ミニD-Sub15ピン、コンポーネント、そしてステレオミニジャックとRCAによる音声入力がある タッチセンサー部。PIPとSWAPボタンが独立しており、2画面を頻繁に切り替えるのに便利

 もう1つの特徴は、柔軟なPIP機能だ。多くのディスプレイでは、DVI入力を親画面にし、子画面としてデジタルでHDMI、アナログでコンポーネントやミニD-Sub15ピンを表示できるが、その逆ができるものは少ない。一方W2363V-WFでは、HDMIやコンポーネント/ミニD-Sub15ピンを親画面、DVIを子画面として利用することが可能だ。

 場合によってはこれはかなり便利だろう。例えば、HDMIで地デジをフル画面を視聴したり、コンポーネントでゲームをやったりしているときに、子画面としてPCを映し、Twitterやチャットで自分宛のメッセージがないかどうか確認できるわけだ。

 このPIPができない制限は2つだけ。1つはコンポーネントとミニD-Sub15ピン同士、もう1つはHDMIの1系統目と2系統目同士によるものだ。いずれも、これらの入力は内部で1系統の処理しか持たないためこうした制限になってしまったと考えられるが、それでも他のディスプレイより柔軟なPIPを実現していることは間違いない。

DVIを親画面としてHDMIを子画面として表示しているところ 子画面を左上/左下/右上/右下に表示できる

 ちなみに、タッチセンサーの反応は、この手の製品としてはかなり良く、確実に反応し、使っていてストレスを感じることはなかった。筆者はこれまでずっとボタンを備えたディスプレイしか使ったことがないため、タッチセンサーには不安を覚えていたのだが、本製品でその不安が払拭された。

 本体色がホワイトということもあり、黒のキーボードや黒のスピーカー、黒のマウスを揃えてきたセカンドマシンにはややマッチしないところもあったが、いずれにせよ使い始めたら画面しか見ないので、気にならない。ただ、市場ではブラックへの需要は必ずあるはずで、今後のラインナップに追加してもらいたい。

●ゲームにおける画質やレスポンスは良い

 繋げてからPCの画面を映してまず気になったのは、文字がやや不自然なエッジになっていることだ。やや表現しづらいが、黒い文字の周りに強烈な白いエッジがある感じだ。いろいろと設定をいじったところ、これはシャープネスを標準の5から3に下げることで解決した。

 シャープネスと書いたが、実は日本語のメニューに設定した場合、項目の中に「シャープネス」というものはなく、代わりに「画質」という設定項目がある。メニューを英語に設定すると、該当の項目が「sharpness」になったので、シャープネスで間違いはないわけだが、メニューを翻訳するときこのような不自然な日本語になってしまったのだろう。

 もう1つ気になったのは上下に対する視野角の狭さ。もともとVAからの置き換えだったので、覚悟はしていたものの、TNだとやはり上下の視野角が狭い。特にW2363V-WFでは、少しでも上から覗くと白っぽくなってしまう。幸い、下から覗いた場合は気になるほどの色変化はなく、チルト機構は装備しているので、やや上に向けることで解決した。

入力ソースにあわせて自動的に輝度を調節する機能を搭載

 ユニークな機能として、画面に入力されたソースに応じて輝度を自動調節する機能が挙げられる。環境光を測定するセンサーを内蔵し、環境光に合わせて画面の明るさを調節するディスプレイなら、他社からも出ているのだが、本製品の自動輝度調節は、明るい画像が入力されると暗く、暗い画像が入力されると明るくなるなるものだ。

 実際にONにしてみたが、デスクトップなど、明るい画像が多いときは自動的に暗くなって目が疲れにくくなったし、一方ゲームなど暗いシーンが多い場合は明るくなってオブジェクトが認識しやすくなった。シンプルだが便利な機能だと言えよう。

 次は動画を表示させてみた。確かにTNらしい、残像感の少ない表示で、見ていて気持ちいい。ただ、なめらかなグラデーション系については、静止画では気にならないものの、動画を表示させると、マッハバンドらしきものが見えてやや気になった。

THRU MODEは、タッチセンサーのゲームパッドのようなアイコンを押すことで呼び出し、ON/OFFを切り替える

 最後に、本製品のメインターゲットであるゲームで遊んでみた。まずは、THRU MODEをOFFとONに切り替えながら、ストリートファイターIVやUnrealTournament3などのゲームをやってみたが、残念ながら筆者には、画質やレスポンスに有意義な差を見いだすことはできなかった。

 もっとも、体感できなくともTHRU MODEがONの時のほうが確実に高速になっているはずだ。このTHRU MODEがONの状態で、ゲームに負けても、「これはディスプレイのせいではない、自分が悪いんだ、だから頑張ろう」と思えるようになるし、オンライン対戦なら、多少なれども対戦相手よりは有利になっている、というプラシーボ効果が前向きに働き、よりゲームに没頭できると思う。

 一方画質に関してはなんら問題がなく、高いコントラスト比が実現するメリハリのある画像と、残像感の少なさにより、オブジェクトを容易に認識することができた。ことUnrealTournament3では、何度も華麗にスナイパーライフルでヘッドショット(一撃即死)を決めることができて、気持ちよかった。

●多機能だが、ツメの甘さも気になる

 このほかユニークな機能としては、音声にあわせて光る「TRU LIGHT」が挙げられる。同機能では、HDMI、またはステレオミニジャック、RCAから入力された音声の入力レベルに反応して、ディスプレイの下部のLEDライトバーが光る仕組みだ。確かにユニークではあるが、残念ながら筆者は今のところ外部の音声切替器で切り替えているので、この機能は使っていない。

 なぜ使っていないかというと、本製品にはヘッドフォン出力しか備えていないからだ。ライン出力を装備しているなら、その先にアクティブスピーカーを繋げておけるのだが、いかんせんヘッドフォン出力では、ディスプレイ内部に設けられた回路やアンプに処理されるので、これを嫌って使っていない。結局のところステレオミニジャック対応のセレクタを使って切り替えている。

本体にヘッドフォンアンプを内蔵し、メニューから音量調節できる ヘッドフォン端子は本体左側面に装備している 筆者が別途に購入した音声のセレクタ

 もう1つ、ツメの甘さが気になったのはメニューだ。「MENU」ボタンを押すと、メニューが起動し、「▲」(上)「▼」(下)で項目を選択して、「AUTO/SET」で設定に入る。ところが、メニューの詳細設定に入った後は、なぜか項目選択が「AUTO/SET」に、「▼」ボタンが項目の設定と、操作がいきなり変わる。実に理解し難い仕様である。

親画面をそのままに子画面の入力ソースを切り替えるためには、メニューから選択する必要がありやや面倒

 また、親画面は、SOURCEボタンでどの入力を表示させるか、簡単に決められて良いのだが、子画面に関してはメニューから辿る必要がある。どうせならSOURCEで子画面のソースも選択できるようにして欲しかったところだ。

 しかし、「PIP」ボタンを押してPIPモードにしてから、「SWAP」ボタンを押せば、子画面と親画面がすぐに切り替わるので、2つのソースを切り替えるだけなら、こちらのほうが楽である。筆者は今のところHDMIとDVIの2系統しか使っていないので、この機能を活用している。


電源インジケーターをOFFにする機能があるのだが、電源がONのときにしか有効にならず、サスペンドでは常に点滅しぱなっしになる

 このほか気になった部分としては電源インジケーターの設定だ。本製品に搭載された電源インジケーターは青色LEDを採用しているためかなり眩しい。そこで、メニューでは電源をONにしてから10秒後前後で、自動的にインジケータをOFFにする設定が用意されているのだが、これがサスペンド時には効かない仕組みで、ずっと点滅を繰り返す。一人暮らしのワンルームでは、寝るときなどに部屋が暗くすると天井まで光が届いて、かなり気になった。改善して欲しい点だ。
●豊富なPIPの組み合わせに魅力を感じるユーザーにおすすめ

 この1カ月間、W2363V-Wを使っていろいろやってきたわけだが、実を言うと今のところまだ本来の目的に活用できていない。冒頭で、セカンドマシンで地デジを視聴する予定と書いたが、残念ながら筆者が利用している地デジTVチューナで、録画の失敗が続出したり、付属ソフトのアップデートをするとチャンネルのスキャンができなくなったりと、謎のトラブルが連発し、結局のところ地デジを試聴することを諦めてしまった。近々別のチューナで試す予定だ。

 また、5系統ある入力のうち、使っているのはまだ2系統しかない。今後はPLAYSTATION 3や、地デジレコーダなどをを繋げる予定でいる。

 というわけで、ざっくり一通り使ってみたが、とにかくこの製品で便利だと思ったのは、PIPの機能とSWAPの機能だ。2台もディスプレイを置くスペースがなく、1つのディスプレイで2系統の入力をよく切り替えて使うユーザーには、ぜひ購入を検討してもらいたい。

(2009年 12月 16日)

[Text by 劉 尭]

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