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レノボ・ジャパン「YOGA Tablet 2 with Windows」

〜4つのスタイルで使えるWindowsタブレット

レノボ・ジャパン「YOGA Tablet 2-10 with Windows」

 レノボ・ジャパンの「YOGA Tablet」シリーズは、シリンダー状のバッテリを回転させることで、さまざまなスタイルで使えるタブレットである。2013年10月に発表された初代「YOGA TABLET」は、8型モデルと10.1型モデルの2製品があり、OSには、ともにAndroidを採用していたが、今回発表された新モデル「YOGA Tablet 2」シリーズでは、液晶サイズが従来と同じ8型と10.1型の2サイズに加えて、13.3型液晶搭載の上位モデル「YOGA Tablet 2 Pro」が追加された。

 さらに、8型と10.1型については、OSとしてWindows 8.1 with Bingを採用した「YOGA Teblet 2 with Windows」シリーズも追加。筐体のデザインはAndroid版とWindows版で共通だが、本体色は異なり、Android版はプラチナシルバー、Windows版は黒系のエボリーとなっている。

 今回は、このWindows 8.1 with Bingを搭載した新製品「YOGA Tablet 2 with Windows」(以下、YOGA Tablet 2 Windows)を試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

シリンダー状のバッテリが回転してスタイルが変わる

 YOGA Tablet 2 Windowsは、搭載する液晶サイズによって8型モデルと10.1型モデルの2製品が用意されているが、今回試用したのは10.1型モデルである。YOGAシリーズの最大のウリが、シリンダー状のバッテリが回転してスタンドになり、さまざまなスタイルで利用できることだ。初代YOGA TABLETでは、スタンドを閉じた「ホールドモード」、スタンドを開いて自立する「スタンドモード」、スタンドを開いてテーブルなどに斜めに置く「チルトモード」の3つのモードで利用できた。YOGA Tablet 2 Windowsはスタンドが改良され、170度まで回転するようになったほか、スタンドの中央に穴が空けられており、スタンドを170度開いて、中央の穴をフックなどに引っかけてぶら下げる「ハングモード」が追加され、合計4つのモードで利用できることが魅力だ(詳しくは後述する)。

YOGA Tablet 2 with Windowsの前面
YOGA Tablet 2 with Windowsの背面。下側が円筒形のバッテリ部で、回転させるとスタンドになる

1,920×1,200ドットのIPS液晶を搭載

 まずは、基本的なスペックから見ていきたい。YOGA Tablet 2 Windowsでは、CPUとして、インテルのAtom Z3745を搭載している。Atom Z3745は、開発コードネームBay Trail-Tと呼ばれていたCPUであり、GPUや各種コントローラも集積したいわゆるSoCである。基本動作周波数は1.33GHzだが、自動オーバークロック技術のインテル・バースト・テクノロジーにより、最大1.86GHzまで向上する。メモリは2GBで、増設はできない。ストレージは32GBのフラッシュメモリを搭載している。OSは、Windows 8.1 with Bing 32bitであり、Windows 8.1タブレットとしては、標準的なスペックと言える。もちろん、Windows 8.1が過不足なく動くパフォーマンスである。

 液晶は10.1型で、視野角の広いIPS液晶パネルが採用されている。解像度は1,920×1,200ドットで、フルHD解像度よりも縦に120ドット広いWUXGAである。液晶の発色は鮮やかで美しく、コントラストも高くて見やすい。視野角が広いため、どのモードで使っても、十分な視認性を確保している。タッチパネルは10点マルチタッチ対応であり、精度や反応についても不満はない。本体のサイズは、255×183×3〜7.2mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約629gと、10.1型Windowsタブレットとしては軽い部類だ。

 インターフェイスは、Micro USBポートとMicro HDMI出力のほか、マイク/ヘッドフォン端子が用意されている。なお、8型モデルでは、Micro HDMI出力は省略されている。また、microSDカードスロットは、スタンドを開くと現れるようになっており、カバーで覆われている。カメラは前面と背面に用意されており、前面カメラが160万画素、背面カメラが800万画素である。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0をサポートしている。インターフェイスに関しても、過不足なく搭載していると言えるだろう。

 センサー類も充実しており、加速度センサー、光センサー、電子コンパス(地磁気センサー)を備えているほか、GPSとGLONASSに対応する。GLONASSはロシアが運営している衛星測位システムで、GPSと併用することで、より精度の高い測位が可能になる。

左側面には、マイク/ヘッドフォン端子とMicro HDMI出力が用意されている
左側面のポート部分のアップ
スタンドを開くと、カバーに覆われたmicroSDカードスロットがある
microSDカードスロットのカバーを開けたところ
右側面には、Micro USBポートとボリュームボタン、電源ボタンが用意されている
右側面のポート部分のアップ
右側面の電源ボタンの周囲はLEDで点灯するようになっている
液晶上部に前面カメラを搭載。画素数は160万画素
背面カメラはスタンド部分ではなく、回転しない部分に搭載されており、画素数は800万画素である
YOGA Tablet 2 with Windowsの重量は、実測で643gであった

TPOに応じて使い分けられる4つのモード

 YOGA Tablet 2 Windowsの最大の特徴が、バッテリ部分を回転させることでスタンドになり、TPOに応じてさまざまなモードで使い分けられることだ。

 まず、スタンドを閉じた状態のホールドモードでは、通常のタブレットとして使うことができる。薄さを重視したタブレットでは、片手で持つときに滑りやすいことがあるが、YOGA Tablet 2 Windowsでは、シリンダー状のバッテリ部分を持つことで、片手でもしっかりとホールドできるので使いやすい。

 スタンドを80度程度開いて、立てて使うのがスタンドモードであり、YouTubeなどの動画共有サイトを見たり、スライドショーなどを閲覧するのに向いている。

 また、その状態でスタンドを奥にして斜めに置くとチルトモードになる。こちらは、適度な傾斜が付くのでソフトウェアキーボードを使って入力する際に便利だ。

 ここまでは、初代YOGA TABLETでも利用できたモードだが、YOGA Tablet 2 Windowsでは、スタンドが170度まで開くようになり、スタンドの中央に穴が空けられたことで、スタンドを最大に開いて、スタンドの穴をフックなどに引っかけて使うハングモードを新たに利用できるようになった。

 例えば、冷蔵庫の扉に付けたフックに引っかけて、レシピサイトを見ながら料理を作る際などに便利。本体重量も約629gと軽いので、マグネット式のフックでも大丈夫だ。スタンドの可動範囲を広げて中央に穴を空けるというのは、言われてみれば単純なアイデアだが、これによってYOGA Tablet 2 Windowsの利便性がさらに向上している。

スタンドを回転させて開いている様子。スタンドは最大170度まで開くが、その半分くらいの角度でも固定されるようになっている
スタンドを閉じた状態の「ホールドモード」。バッテリ部分を持つことで、しっかりとホールドできる
スタンドを開いて立てて使う「スタンドモード」。動画などの視聴に向いている
スタンドモードを横から見たところ。適度な角度で支えられている
スタンドを開いて、スタンド側を奥にして斜めに置く「チルトモード」。ソフトウェアキーボードで入力する際に便利だ
チルトモードを横から見たところ
スタンドを170度開くと「ハングモード」になる
ハングモードにしたYOGA Tablet 2 with Windowsを冷蔵庫の扉に付けたマグネット式のフックに引っかけて吊したところ

付属のBluetoothキーボードカバーを使えばノートPCライクにも

 さらに、YOGA Tablet 2 Windowsの10.1型モデルには、専用のBluetoothキーボードカバーが付属する。このキーボードカバーもよく考えられており、本体のシリンダー形状のバッテリ部分とぴったり合うような円弧状の部分があり、内蔵マグネットの磁力によって、スタンドモードの本体と合体させることができる。本体とキーボードを合体させると、クラムシェル型のノートPCと同じような感覚で利用でき、長文の入力も快適に行なえる。キーボードを装着することで、実質5つ目のモードとして利用できるわけだ。

 また、Bluetoothキーボード上部の円弧状の部分は、ヒンジで動くようになっており、キーボードを使わないときは本体の液晶面に装着することで、液晶カバーとしても使えるようになっている。キーボードにはバッテリが内蔵されているが、重量は実測で292gと軽く、本体と一緒に持ち歩いても1kg未満なので、気軽に持ち歩ける。

10.1型モデルには、Bluetoothキーボードカバーが付属する。アイソレーションタイプのキーボードで、配列も標準的なので、快適にタイピングが可能
Bluetoothキーボードカバーの背面
Bluetoothキーボードカバーの側面。左の円弧状の部分は、ヒンジで動くようになっている
Bluetoothキーボードカバーの側面には、電源スイッチと内蔵バッテリ充電用のMicro USBポートが用意されている
BluetoothキーボードカバーをYoga Tablet 2 Windowsの液晶面に取り付けたところ
BluetoothキーボードカバーをスタンドモードのYoga Tablet 2 Windowsのバッテリ部分に取り付けたところ
BluetoothキーボードカバーをYoga Tablet 2 Windowsと合体させることで、ノートPCと同じような感覚で利用できる
Bluetoothキーボードカバーと本体を合体させた様子を横から見たところ
Bluetoothキーボードカバーの重量は、実測で292gであった
Bluetoothキーボードカバーと本体の合計重量は、実測で934gであった
Bluetoothキーボードカバーを本体に合体させる様子。本体のバッテリ部とは磁力で固定される
Bluetoothキーボードカバーを液晶カバーとして装着する様子

実測で約10時間のバッテリ駆動時間を実現、性能も十分

 ACアダプタはコンパクトで軽く、携帯性は優秀である。ケーブル込みでのACアダプタの重量は実測で72gだった。

 バッテリ駆動時間は無線LAN利用時で、公称約15時間とされているが、実際にBBenchを利用して、無線LAN常時オン、液晶輝度「中」、電源プラン「バランス」に設定し、10秒ごとにキー入力のエミュレーション、1分ごとにWeb巡回を行なう条件でバッテリ駆動時間を計測したところ、9時間52分の駆動が可能であった。公称値には及ばないが、この条件で約10時間持つのであれば、1日持ち歩いて使ってもバッテリの残量を気にする必要はないだろう。

ACアダプタはコンパクトで軽く、携帯性は優秀だ
出力はUSBポートになっている
Micro USB-USBケーブルが付属する
ACアダプタとケーブルの合計重量は、実測で72gであった

 参考のためにベンチマークテストも行なってみた。利用したベンチマークは、「PCMark 7」、「PCMark 8 Ver.2」、「3DMark」、「FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」、「CrystalDiskMark 3.0.3b」である。結果は下に示した通りであり、比較のために挙げた富士通の「ARROWS Tab QH33/S」のスコアと比べても、良好な性能である(なお、ARROWS Tab QH33/Sも試作機であり、想定よりかなりスコアが低かったので、あくまで参考程度に)。

 もちろん、Core iプロセッサを搭載した2-in-1 PCなどに比べると、ベンチマークスコアは低いが、Web巡回や文書作成といった一般的な作業なら性能に不満を感じることは少ない。

【表】YOGA Tablet 2 with Windowsベンチマーク結果

YOGA Tablet 2 with Windows ARROWS Tab QH33/S
CPU Atom Z3745 Atom Z3735F
メモリ 2GB 2GB
PCMark 7
PCMark score 2408 1977
Lightweight score 1417 1202
Productivity score 1018 880
Entertainment score 1616 1245
Creativity score 4585 3420
Computation score 5513 3935
System storage score 3944 3782
Raw system storage score 1639 1397
PCMark 8
Home conventional 1071 1009
Home accelerated 1075 1016
Creative conventional 898 770
Creative accelerated 990 823
Work conventional 1381 1485
Work accelerated 1102 1164
3DMark
Ice Storm 13487 7863
Cloud Gate 1138 547
Sky Diver 460 232
Fire Strike N/A N/A
FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
1280×720ドット
最高品質
416 109
1280×720ドット
高品質(デスクトップPC)
418 104
1280×720ドット
高品質(ノートPC)
734 161
1280×720ドット
標準品質(デスクトップPC)
1078 200
1280×720ドット
標準品質(ノートPC)
1076 231
CrystalDiskMark 3.0.3b
シーケンシャルリード 161.8MB/sec 105.4MB/sec
シーケンシャルライト 72.83MB/sec 47.01MB/sec
512Kランダムリード 157.4MB/sec 101.1MB/sec
512Kランダムライト 52.00MB/sec 27.86MB/sec
4Kランダムリード 12.64MB/sec 10.41MB/sec
4Kランダムライト 12.47MB/sec 11.05MB/sec
4K QD32ランダムリード 26.32MB/sec 29.81MB/sec
4K QD32ランダムライト 15.18MB/sec 12.66MB/sec

幅広い用途に対応できるWindows 8.1タブレットの決定版

 YOGA Tablet 2 Windowsは、初代YOGA TABLETで話題となった回転スタンドをさらに進化させ、4モード(+Bluetoothキーボード)での利用を実現したことが魅力のWindows 8.1タブレットである。

 Windows 8.1 with Bingを採用することで、Office Home and Business 2013がプリインストールされていながら、実売価格は54,000円前後であり、Bluetoothキーボードが付属していることを考えると、コストパフォーマンスも高い。

 自宅や会社などで、シチュエーションに応じてさまざまなモードで使えるのは便利だ。キーボードと一緒に持ち歩いても1kg未満で、バッテリ駆動時間も長いため、モバイルノートPCとして使うにも実用的。多用途に利用できるWindows 8.1タブレットが欲しいなら、有力な選択肢となるだろう。携帯性重視なら、キーボードが付属しない8型モデルもお勧めだ。

(石井 英男)