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日本HP「ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX Sleekbook」

~超高解像度QHD+液晶搭載のスリムノート

日本HP「ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX Sleekbook」
発売中

価格:オープンプライス

 日本HPは、個人向けパフォーマンスノート「HP ENVY」シリーズの新モデル「HP ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX Sleekbook」を発表した。家庭内モバイルを意識したスリムタイプのノートPCで、3,200×1,800ドットの超高解像度表示に対応した14型タッチパネル液晶を搭載する点が大きな特徴となっている。価格はオープンプライス、実売価格は140,000円前後。

QHD+表示対応の14型液晶を搭載

 HP ENVYシリーズは、高性能CPUや外部GPU、高音質スピーカーの搭載など、日本HPのノートPCシリーズの中でもハイエンドに位置付けられたブランドだ。そのENVYシリーズの新モデルとなる「HP ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX Sleekbook」(以下、ENVY 14)は、14型ワイド液晶を搭載する、ENVYシリーズとしては比較的コンパクトなボディの製品だ。

 ENVY 14の最大の特徴となるのが液晶で、3,200×1,800ドットとフルHD(1,920×1,080ドット)を大きく上回る超高解像度表示に対応する14型液晶を採用している。最近では、Ultrabookを含めてフルHD超の超高解像度表示に対応する液晶パネルを搭載する製品が増えているが、3,200×1,800ドット対応の液晶を搭載する製品は、富士通の「LIFEBOOK UH」シリーズなどごく一部の製品のみで、現役ノートPCとしては最も高解像度となる。

 表示できる情報量は、フルHDの約2.78倍。デスクトップの文字サイズを100%に設定した状態では、Webページを3ページ分横に並べて表示してもまだ表示領域が余るほどで、複数のアプリを同時利用する場合でも、各アプリのウィンドウを重ならないように配置でき、作業効率を高めることが可能。ただ、文字サイズが100%の状態では表示される文字サイズが非常に小さくなり、視認性が大きく低下してしまうため、文字サイズを拡大して利用するのが基本と考えた方が良さそうだ。それでも、視認性と情報量をユーザーが自由に設定できるという点は、超高解像度液晶の大きな利点と言える。

 パネルの種類はIPS方式で、パネル表面は光沢仕様となっている。光沢液晶のため発色はまずまず鮮やかだが、全体的にやや淡い印象で、外光の映り込みも気になる。それでも、デジカメ写真などを表示させると、立体感も感じられるほどで、細部まで緻密に表示される画像に圧倒される。もちろん、近付いてみても肉眼ではドットをほとんど認識できない。視野角が広く、視点を移動させても明るさや色合いの変化が少ない点も嬉しい。

3,200×1,800ドットの超高解像度表示に対応する14型ワイド液晶を搭載
発色は全体的にやや淡い印象だが、光沢液晶のた鮮やかで、表示品質は十分満足できるレベル
デジカメ写真も細部までクッキリと表示できる
写真を表示して一部を接写したもの。細かな模様も潰れることなく表示されていることがわかる。また、ドットは肉眼ではほぼ認識できない
デスクトップで表示文字サイズを100%に設定した状態。Webページを横に3ページ並べても、まだ表示領域が余る
こちらは文字サイズを150%に設定した状態。この場合でも、表示される情報量はフルHDを凌駕する

家庭内モバイルなら苦にならないサイズと重量

 14型ワイド液晶を搭載するため、フットプリントは347×240mm(幅×奥行き)と比較的大きい。また、高さも22.0~24.4mmと、薄型のUltrabookが主流となっている現在では、やや厚く感じる。それでも、ハイエンドシリーズであるENVYシリーズとしては比較的コンパクトなボディが実現されている。

 重量は重量は公称で約2.14kg、実測で2,123g。こちらも、Ultrabookと比べるとかなり重く、実際に手に持ってみても、ずっしりと重く感じる。製品カテゴリは「HP ENVY モバイル」と、モバイル向けという位置付けになってはいるが、さすがにこのサイズと重量では、常に持ち歩くモバイルノートとして活用するのは厳しいだろう。とはいえ、家庭内で使いたい場所に持っていく、いわゆる家庭内モバイルならほぼ苦にならないだろう。

 本体のデザインは比較的シンプルだ。本体カラーは、天板とキーボード面、側面の上部はシルバー、底面がブラック。天板およびキーボード面はアルミニウム素材を採用し、質感も優れる。天板にはラバーコーティングが施されており、持ち運ぶ場合でもしっかりグリップできるのは、安心感がある。ただし、底面部は樹脂製の素材が直接感じられる点は少々残念だ。

天板部分。アルミ素材を採用し、シンプルながら質感は優れる。また、ラバーコーティングが施され、滑らずしっかりグリップできる
フットプリントは347×240mm(幅×奥行き)。14型ワイド液晶搭載のため比較的大きい
本体正面。ラッチレスでシンプルなデザインだ
左側面。高さは22.0~24.4mmと、後方がわずかに厚くなっている。カラーは上部がシルバー、下部がブラックとなる
背面。コネクタ類などはなく、こちらもシンプルですっきりとしたデザインとなっている
右側面。底面の角は前方、後方、左右とも斜めに切り取られている
底面。底面のカラーはブラック。メインメモリスロットなどにアクセスする蓋はなく、バッテリも交換不可能。底面は樹脂の素材感が直接伝わってくる
重量は実測で2,123g。軽くはないが、家庭内で持ち歩く程度であれば苦はない

バックライト付きキーボードを搭載

 キーボードは、キーの間隔が開いた、アイソレーションタイプのキーボードを採用。キーピッチは、横約18.7mm、縦約18.4mmと、わずかに縦が狭くなっているが、ピッチの差はほぼ気にならず、正方ピッチのキーボードと全く遜色なくタイピンが可能。ストロークは1.5mmとUltrabookなどの薄型ノートのキーボードよりも深く、クリック感もしっかりしており、打鍵感はかなり優れる。また、標準でキーボードバックライトも内蔵しており、暗い場所でのタイピングも快適だ。

 キー配列は、主要キーに関してはほぼ問題ないものの、Enterキーの右側にもキーが配置されていたり、カーソルキーの上下が縦の幅の狭いキーになっている点は、使っていてかなり気になった。実際に、試用中にもBackSpaceキーを押そうとしてHomeキーを押してしまったり、Enterキーを押そうとしてPgUpキーを押してしまったりといったことが何度かあった。このあたりは慣れで解消できるかもしれないが、できれば改善してもらいたい。

 ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッドを採用。面積は十分に広く、Windows 8の操作はもちろん、複数の指を使ったジェスチャー操作にも対応しており、こちらは一般的なタッチバッド同様の使い勝手となっている。

アイソレーションタイプのキーボードを採用。配列などの仕様は2012年冬モデルの「HP ENVY TouchSmart Ultrabook 4-1100」とほぼ同じ
キーボードバックライトを内蔵しており、暗い場所でも快適なタイピングが可能
キーピッチは、横が約18.7mm、縦が約18.4mmと、わずかに縦が狭いものの、ピッチの違いはほぼ認識できない
ストロークは約1.5mm。しっかりとしたクリック感もあり、打鍵感に優れる
Enterキーの右側にもキーが配置されている点は気になる
タッチパッドは、クリックボタン一体型のものを採用。面積が広くジェスチャー操作対応で扱いやすい

サブウーファ内蔵の高音質スピーカーを搭載

 ENVYシリーズといえば、Beats Audioブランドの高音質サウンド機能が特徴となっているが、もちろんENVY 14も対応している。Beats Audioサウンドコントロール機能に加え、Beats Audioブランドのステレオスピーカーと、底面にサブウーファを内蔵し、このクラスのノートPCとしてはかなり高音質なサウンドが再生可能となっている。さすがに、外付けの高音質スピーーカには負けるものの、伸びがありクリアな中高音域と、しっかりとした低音域で、ノートPCのスピーカーとしてはかなり上位の音質が実現されている。少なくとも、シャカシャカと鳴る一般的なノートPCのスピーカーとは比べものにならない音質であることは間違いないだろう。

キーボード上部にBeats Audioブランドのステレオスピーカーを搭載。Beats Audioロゴもしっかり印刷されている
底面にはサブウーファを内蔵。このクラスのノートPCとしてはトップクラスの高音質で音楽などを再生できる
Beats Audioのサウンドユーティリティにより、音質も追求できる

GeForce GT 740Mを標準搭載

 ENVY 14は、ハイエンドシリーズということもあり、スペック面もまずまず充実している。搭載CPUはCore i5-4200Uと、ハイエンドシリーズとしてはやや物足りない。ただ、標準で外部GPUとしてGeForce GT 740Mを搭載しており、3D描画能力はCPU内蔵のIntel HD Graphcs 4400を凌駕。もちろん、アプリケーションによって内蔵GPUとGeForce GT 740Mが自動的に切り替わって動作するため、性能と消費電力のバランスはしっかり保たれる。

 メインメモリは標準でPC3L-12800準拠のDDR3L SDRAMを8GB搭載。メインメモリはSO-DIMMスロットに取り付けられ、SO-DIMMスロットは2本用意されているようだが、底面にメインメモリにアクセスするための蓋は用意されておらず、増設は不可能な点は少々残念。

 ストレージは、750GBのHDDとキャッシュ用の24GB mSATA SSDを搭載することで容量と速度を両立。単体のSSDに比べるとアクセス速度が遅い場面もあり、特に起動時間はやや遅いという印象もあるが、アプリの起動などはSSD並に高速で、HDDのみのノートPCに比べると十分に快適だ。

 無線機能は、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth 4.0を標準搭載。無線LANが5GHz帯域に非対応なのは少々残念だが、Gigabit Ethernetを備えているため、高速な通信速度が必要な場合には有線LANを利用したい。

 側面ポートは、左側面にHDMI出力、USB 3.0×2ポート、SDカードスロット、右側面にヘッドフォン・マイク共用ジャック、USB 2.0×1ポート、Gigabit Ethernetを備える。ポートは豊富ではないものの必要十分で、不満はない。

左側面には、HDMI出力、USB 3.0×2ポート、SDカードスロットを配置
右側面には、ヘッドフォン・マイク共用ジャック、USB 2.0×1ポート、ギガビットイーサネットポートを配置
液晶上部には約92万画素のWebカメラを標準搭載する
付属のACアダプタは、このクラスのノートPC用として標準的なサイズだ
ACアダプタの重量は、電源ケーブル込みで実測334.5gだった

軽めの3Dゲームが快適に動作する

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark Vantage Build 1.2.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.1.0」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」の7種類。比較用として、NECの「LaVie Z PC-LZ750NSB」と、パナソニックの「Let'snote AX3(2013年夏モデル)」の結果もあわせて掲載しておく。

HP ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX SleekbookLaVie Z PC-LZ750NSBLet'snote AX3(2013年夏モデル)
CPUCore i5-4200U(1.60/2.60GHz)Core i7-4500U(1.80/3.00GHz)Core i7-4500U(1.80/3.00GHz)
チップセット
ビデオチップInte HD Graphics 4400
GeForce GT 740M
Inte HD Graphics 4400Inte HD Graphics 4400
メモリPC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GBPC3L-12800 DDR3L SDRAM 4GBPC3-12800 DDR3L SDRAM 4GB
ストレージ750GB HDD + 24GB SSD Hybrid256GB SSD128GB SSD
OSWindows 8Windows 8.1Windows 8
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score409647135211
Lightweight score272351083507
Productivity score215142582650
Entertainment score296933093811
Creativity score742890779640
Computation score126421477216968
System storage score437753295181
Raw system storage score21935183
PCMark Vantage x64 Build 1.2.0PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite1092713177N/A
Memories Suite534471858621
TV and Movies SuiteN/AN/AN/A
Gaming Suite9310904210799
Music Suite121961551918314
Communications Suite1312817266N/A
Productivity Suite1413716765N/A
HDD Test Suite171094400347023
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark ScoreN/AN/AN/A
CPU Score810394689513
Memory Score609875588812
Graphics Score305831073039
HDD Score274054374144164
3DMark Professional Edition v1.1.0
Ice Storm140352479738512
Graphics Score132442486041118
Physics Score177492457931522
Cloud Gate457339584739
Graphics Score619046745897
Physics Score238925782809
Fire Strike986552680
Graphics Score1080593738
Physics Score328536773682
3DMark06 Build 1.1.0 0906a
3DMark Score899147986196
SM2.0 Score387215042108
HDR/SM3.0 Score354820492580
CPU Score306535343676
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット399222562769
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編
1,280×720ドット47992550

 総合ベンチマークソフトのPCMark 7、PCMark Vantage、PCMark05の結果を見ると、比較機種に対して劣っている部分が多い。ただ、比較機種ではCore i7-4500Uと上位CPUを搭載していることや、ENVY 14はストレージがHDD+キャッシュ用mSATA SSDという構成になっていることなどを考えると、順当な結果とも言える。ただ、メインメモリがシングルチャネル動作となっているためか、ややスコアは伸び悩んでいるという印象。できれば、メインメモリはデュアルチャネル構成としてほしかった。

 それに対し、3D描画能力は多くが比較機種を大きく凌駕している。特に、ゲームのベンチマークテストでは1.8倍以上のスコアが記録されている。これらのテストは1,280×720ドットと比較的低解像度での結果のため、フルHD超などの高解像度表示では厳しいと思われるが、解像度を落とせば3Dゲームも十分プレイ可能と考えてよさそうだ。

 次にバッテリ駆動時間だ。公称のバッテリ駆動時間は約8時間30分とされている。そこで、Windowsの省電力設定を「省電力」に設定し、バックライト輝度を40%、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測してみたところ、約5時間54分と、6時間弱の駆動時間を確認した。公称の駆動時間には届いていないが、これだけの駆動時間があれば、家庭内で好きな場所で使う場合でも、ACアダプタを同時に持って行く必要はほぼないだろう。

コストパフォーマンスに優れる超高解像度ノート

 ENVY 14は、なんと言っても3,200×1,800ドットの超高解像度表示に対応する液晶を搭載する点が魅力だが、性能面も充実しており、スペック面のバランスはかなり優れている。また、価格も実売で14万円前後と、3,200×1,800ドット表示対応液晶を搭載するノートPCとしてはトップクラスの安価な価格を実現している点も大きな魅力。サイズや重量を考えると、常に持ち歩くモバイル用途に活用するのは難しいが、家庭内でメインノートとして使うのであれば、現在トップクラスの魅力がある。

 もちろん、広大な作業領域を確保できるため、ビジネス用途にも柔軟に対応可能。写真やゲームなど、趣味への活用にも最適で、コストパフォーマンスに優れる超高解像度表示対応ノートとしておすすめの製品だ。

(平澤 寿康)