山田祥平のRe:config.sys
CESを支えるモバイル通信、その悲喜こもごも
(2016/1/15 06:00)

米・ラスベガスで開催されたCES 2016が閉幕した。今年も取材で渡米し、なんだかんだで年初を楽しく過ごせたし、いろいろと考えをまとめる機会も得られた。だが、渡米時の通信手段確保という点ではどうだったか。
CESはそんなに大きなイベントではない
CESは極めて大規模なイベントと思われがちだが、数字でいろいろな面を分析してみると、実際には大した規模ではないことが分かる。
例えば、その会場規模だが、ラスベガスの中心エリアにおいて、もっとも北に位置するウェストゲートホテルからプレスイベントが行なわれるマンダリン・ベイホテルまでだいたい直線距離で4マイルちょっと。キロにすると6~7kmといったところだから、東京で言うと新宿から渋谷くらいの距離に相当する。その直線上に散在するコンベンションセンターや大規模ホテルなどが会場に充てられているわけだ。
そして今年(2016年)のCESの参加者は17万人だったという。1日あたりの人数にすると5万人程度といったところだろうか。さらに展示側が3,800社で、各社10人程度が参加していたとしても4万人くらい。また、メディアは6,000人くらいだったそうだ。つまり、1日辺り、ざっくりいって10万人規模の臨時人口が砂漠の真ん中に出現するイベント、それがCESだ。
ちなみに東京ビッグサイトで開催されている日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)89」では、会期3日間の来場者数が約52万人だったそうだ。ピークでは1日20万人といったところだろうか。
もっと卑近な例でいうと、新宿駅の乗降客数は1日あたりざっくり300万人超。まさしく世界一乗降客の多い駅だ。日本のキャリアはそれを平気でさばく。大したものだと思う。
その一方で、CESの会場規模を見てみると、総展示会場面積はだいたい7万坪、約2,300,000平方mで、東京ドームの46,755平方mで換算すると約5個分、ビッグサイトの3倍規模にすぎない。
つまり、人口でCESをとらえたとき、コミケの3倍規模の広さのエリアをコミケの半分の数の人々が往来するイベントと考えることができる。コミケには各国の大手キャリアがやってきて日本のキャリアがどのようにイベント対策をしているのかを視察していくそうだが、それも分かるような気がする。
さすがのナンバーワンキャリアVerizon
とにかくCESの時には、通信手段をきちんと確保しておかないと仕事に支障が出てしまう。何をするにしてもPCやスマートフォンがいつでもインターネットに繋がり、それなりの速度でパケットが流れてくれないと話にならない。
昨年(2015年)のCESであえなく企画倒れに終わったVerizonのプリペイドプラン入会だが、昨年1年間の数回の渡米でなんとか維持するノウハウを手に入れた。Verizonは今のところ全米でもっともシェアの高いキャリアだが、3Gの形式がCDMA2000ということもあり、なかなか加入のハードルが高かった。それに自分で調達したデバイスを持ち込み、その端末を使ってアクティベイトする必要がある。
昨年ダメだったのは、前年秋に購入したSIMロックフリーの「iPhone 6 Plus」を持ち込んだところ、年初のCESの時点ではまだVerizonの対応端末のリストに入っていなかったため、プリペイドプランに加入することができなかったからだ。
だが、春にBuildカンファレンスで渡米したときにサンフランシスコに同じ端末を持ち込んだところ、無事に加入することができた。今回は、その時に入手したnano SIMを秋に購入したiPhone 6s Plusに装着して使ったがなんの問題もなく使えた。また、手元の北米版Nexus 6Pに装着しても普通に使えた。
現地で一緒になった知り合いたちの話を訊くと、彼らがAT&TやT-Mobile、Sprint利用のソフトバンクアメリカ放題のパケ詰まりを嘆く中で、特に不満を感じることなくいつでもどこでも比較的安定して通信ができていたのはさすがにナンバーワンキャリアだと思う。
実際、T-MobileのSIMを装着した別の端末では、3Gに落ちたり、それどころか圏外になってしまうような場所でもVerizon SIMを装着したiPhoneは、何事もなかったかのようにLTE接続を維持していた。もっともさすがにビュンビュンというわけにはいかず、例えばTwitterの公式アプリをスクロールさせると画像の表示でひっかかかるような感じだ。これがT-Mobileだと、画像が表示さえされなかったりする。
Verizonのプリペイドプランを維持するには
Verizonは「4G SIM Activation Kit」という商品を提供している。これを49.99ドルで購入し、自分で入手した端末でアクティベイトして使う。この手続きはIMEI入力によってWebでもできるが、街中のVerizonショップを訪れてスタッフにやってもらうのが簡単だ。
かけ放題の音声通話とセットになったスマートフォン用のプランは、
・45ドル/月で1GB
・60ドル/月で3GB
の2択だ。それで足りない場合はブリッジデータと呼ばれる追加データを購入する。こちらは、
・5ドルで500MB/30日間有効
・10ドルで1GB/90日間有効
・20ドルで3GB/90日間有効
という3種類が用意されている。
これらを購入したり、プランを変更したりといったことはWebで日本からでも簡単にできる。iPhoneなら、My Verizon Mobileというアプリを入れておけばもっと簡単だ。Webでは日本からアカウントの内容をいじろうとするときに、SMS認証が求められることがあるが、このアプリを使えばそのようなことはないようだ。
ぼくが加入した昨春の時点では、60ドル/月のプランは2.5GBで、今回もそれがそのまま維持されていた。現在はこのプランはなくなり、3GBのプランに変わっている。ところが、自分でプランを変更しない限りは新プランの適用はない。しかも、月の途中でプランを変更すると、もう一度月額料金を支払う必要がある。ここは落とし穴的システムなので注意して欲しい。40ドルのプランを途中で60ドルのものに変更すると、その時点で新たに60ドルが必要になるのだ。なので、今回は、日本に戻ってきた時点で次の渡米に備えて3GBプランに変更しておいた。
チャージ方法に難点あり
このプリペイドプランを維持するためにはプランに応じた月額料金が必要だ。そのための金額を自分のアカウントにチャージしておく必要がある。もっとも米国にいない時まで月額料金を支払うのはばかばかしいので、チャージ残高が自分の選択しているプランの金額以下になるように維持しておく。そうすれば使わない月の課金はない。渡米する前にプラン分の金額をチャージすれば、その日からプランが復活し、米国の空港に着陸した飛行機の中からすぐに使い始めることができる。
チャージはクレジットカードで簡単にできるのだが、残念ながら日本のクレジットカードが通らない。T-MobileやAT&Tは日本のクレジットカードが使えるので、この点でもVerizonのハードルは高い。仕方がないので、最初は渡米のためにプリペイドクレジットカードを購入して日本に持ち帰り、それを使ってチャージしていたのだが、その方法では手数料が馬鹿にならない。
そこで、prepaidonlineというサービスを使ってチャージをしてみた。これは、電話番号を指定するだけで、その番号に指定した金額をチャージしてくれるサービスで、手数料も税金もかからない。もちろん支払いは日本のクレジットカードでできる。ただし、最初の利用時にアカウントを作成したら、その場ですぐに電話がかかってきて、本人確認されるので、利用するなら米国内で最初の手続きをすませておくといいだろう。
なお、Verizonのプリペイドプランははチャージ金額に応じてアカウントの有効期限が延長される。金額と延長期間は次の通りだ。
・15 - 29.99ドルで30日間
・30 - 74.99ドルで90日間
・75 - 99.99ドルで180日間
・100ドル以上で365日間
チャージ金額をうまく調整して、無駄なコストをかけることなく電話番号を維持できるようにしたいものだ。
ちなみに今回のCESは、宿泊したホテルの無料Wi-Fiサービスが、それなりに安定して使えたので、7泊9日の出張期間で約1.5GB程度しか使わなかった。ブリッジデータの追加購入は必要なかった。主にiPhone、たまにテザリングでPCを繋いだ程度だ。
確かに高いとは思う。60ドルといえば今のレートで8,000円近い。音声通話がいらないのなら当然日本でWi-Fiルータをレンタルしていった方が安上がりだ。また、1日約3,000円のローミング利用でも1週間なら2万円ちょっと。この金額がもうちょっと安ければ、海外で現地SIMの調達にエネルギーを使ったりはしないのにとも思う。
それでもいつでもどこでも安定して繋がらなければ意味がない。米国のキャリアはもう少し冗長性ということを考えて欲しいものだが、そうすれば、さらに通信料金が高くなるだろうことを考えると実に悩ましい。
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