山田祥平のRe:config.sys

キーボードも軽さは正義、タブレットよりずっと軽くて当たり前

 世の中で使われているノートPCの一定割合がタブレットに置き換わろうとしている。だが、多くのタブレットユーザーが、併用できるキーボードを欲してもいる。情報の消費だけではなく、生産にもタブレットを使いたいからだ。今回は、バッファローから発売されたコンパクト無線キーボードを試してみた。

キーボードはタブレットのコンパニオン

 タブレットを使うようになって、コンパニオンとして使える軽くて薄いキーボードをずっと探し続けている。いくつもいくつも製品を試してきたが、なかなか満足できるものには出逢うことはなかった。

 これまで使った中で、比較的、優れたものとしては、

1. Microsoft Wedge Mobile Keyboard
2. ELECOM タブレット用 9nove Bluetooth キーボード TK-FBP069BK

の2つがある。どちらもBluetooth接続のキーボードで、重量の割には剛性と打鍵感に優れている。また、2は、タブレットスタンド一体型で、実に、9台もの端末とペアリングしてその状態を記憶する。あのタブレット、このスマートフォン、そのiPadといった使い方には実に重宝する。

 重量は手元のハカリでは、1.が248g、2.が212gだ。1.は専用カバーが同梱され、それで覆うと自動的に電源がオフになるという機能があるが、カバーそのものが200g近くあって論外だ。だからカバーは使わない。

 それに対して2.は、タブレットを立てるスタンドを別に持ち歩く必要がない。愛用しているスタンドは100円ショップで購入したもので、持ち歩く可能性のあるカバンすべてに入れてあるが、その重量は実測で24gだ。

 この2つのキーボードは、いろいろな場面で愛用してきたし、十二分に役に立つ優れた製品だと思う。特に、双方共にWindows対応日本語キーボードであるという点でもポイントは高い。

驚異的な軽さと薄さ

 今回試したバッファローのBluetooth 3.0対応薄型コンパクトキーボード「BSKBB24」は、いろいろと目をつぶらなければならないところも多いのだが、仕様では154gなのだが、実測で実に150gを切っているという点で秀逸だ。ストレスなくまともに打てるキーボードとしては最軽量クラスではないだろうか。

 1.や2.と比べて横幅は狭い。狭ければ打鍵に支障が出るはずなのだが、US配列であることでその弱点がカバーされている。しかも薄い。厚みが6mmしかないのだ。これだけ薄いと剛性を確保できないと思いがちだがテーブルの上に置いて使う分には本体の剛性よりも、テーブルの剛性が打鍵感を左右する。そのくらい薄いのだ。そして、そのことが打鍵感を犠牲にせずにすませている。

 基本的に、このキーボードはMac OSやiOS用に最適化されている。commandキーとoptionキーがスペースキーの両側に装備されているのを見てもそれが分かる。Windows PCに接続した場合は、commandキーがWindowsキーに、OptionキーがAltキーとして機能する。つまり、WindowsキーとAltキーが2個ずつあると思えばいい。

 また、いわゆるWindows PC用のキーボードにはお馴染みのファンクションキーがない。さらにはEscキーもない。これを致命的だとするユーザーもいるかもしれない。でも、圧倒的な軽さと薄さがこれらを工夫で乗り切らせようとする。

 持ち歩きはもちろんハダカだ。ここまで薄くて軽いキーボードをカバーに入れるのは失礼だとさえ思う。ハダカのタブレットと重ねてもスクリーンを傷つけたりすることがないように、底面はもちろん、キートップが並ぶキーボード面の4隅にもゴム足が装備されている。これは、きっと重ねて持ち歩くことを想定しているのだろう。この心遣いはうれしい。

Mac US配列を見なかったことにして使う

 ぼくはこのキーボードを強引に日本語キーボードだと思って使うことにした。多くの場合はWindowsタブレットとして、富士通のARROWS Tab QH55/Mとペアで使うのだが、Windows OSは、異なるレイアウトのキーボードを別のものとして認識させるのが面倒だ。実際には、ハードウェアIDを調べてレジストリを編集すれば、キーボードごとに配列を設定できるそうなのだが、キートップと実際に入力される文字が異なることよりも、接続したキーボードごとに異なる配列を意識して入力することの方がストレスに感じるので、キートップの文字は無視して日本語レイアウトと思い込んで使っている。

 このキーボード、テーブルの上に置いた状態で左側面のスライドスイッチを使って電源をオン/オフできる点も嬉しい。製品によっては底面にスイッチが装備されていたり、Fnキーを押しながら××を押すといった操作が必要なものが多い。電源が入っているのか入っていないのかが分かりにくく、オフにしたつもりでオンにしてしまったりすることもある。でも、物理的なスライドスイッチが見えるところにあるので、ちょっとさわってみればすぐに分かる。テーブルに置いて叩いてみて、まだオンにしていなかったことに気がつくことも多いので、細かい点ではあるが使い勝手に貢献している。

 電源は内蔵のリチウムポリマー電池で、仕様上は約5カ月使えるという。これはもう電源のことは忘れていて大丈夫というのと同義だ。当然Micro USB充電なので、いざとなればタブレットから給電すればいい。

合体キーボードと外付けキーボード

 ぼくが持ち歩くタブレットは、富士通のARROWS Tab QH55/M(650g)かiPad Air(478g)のどちらかがほとんどだ。これらのデバイスの重量を考えたときに、200gを超えるキーボードを加えると、ノートPC 1台の重量に近いものになってしまう可能性がある。例えば、NECパーソナルコンピュータのLaVie Zはタッチ対応のLZ650/SSが964gだ(手元の機体は実測で936gだった)。ARROWS Tabとの違いは314gだ。

 タブレット+外付けキーボードとトータル重量がさほど変わらないのだとすれば、クラムシェルノートPCには、膝の上で使えて自立もするという代えがたいメリットがある。仕事のためにどちらかを選ぶとしたらクラムシェルを選ぶだろう。2-in-1のフォームファクタは、アイディアとしては魅力的ではあるが、タブレットとして使うにはキーボードと合体メカニズム分の重量が負担になってしまう点で不利だ。

 だから300gを大幅に下回る重量のキーボードでなければ、タブレットのコンパニオンとして選ぶ価値がないとさえ思っている。もちろん、長期の出張などで大量の文字入力が必要になるようなケースでは話は別だ。多少、重量はあっても入力しやすいキーボードをカバンの中に入れるだろう。でも、毎日の持ち歩きには軽いに越したことはない。だから、軽くて打ちやすいキーボードを探し続けているわけだ。

 タブレットの純正オプションのキーボードの中には、バッテリを内蔵して、本体のバッテリ駆動時間を延長することができたりするような付加価値を持たせていたり、合体してクラムシェルノートのように使えるものもある。こうした付加価値によって、本体の重量はかさみ、場合によってはタブレット本体より重いキーボードも存在する。

 合体キーボードを否定するわけではない。例えば、自宅ではクラムシェルとして使い、出かける時にはタブレットだけを持ち出すような使い方だって考えられるからだ。だが、合体させることができても電源は本体の端子に供給しなければならず、充電時は本体の上端からケーブルが伸びたりするものもある。QH55/Mなどはその類だ。キーボードに端子だけでも用意して、そこにアダプタのプラグを差しっぱなしにできるようになっていれば、充電クレードルのように使うこともできるのにとも思う。本体だけを持ち出し、戻ってきたらキーボードに合体させればクラムシェルになり、充電も始まるという使い勝手が考慮されていないのだ。

 合体キーボードの中ではSurfaceのタイプカバー2が秀逸だ。実測で約260gあるが、バックライトもついていて使いやすい。充電ケーブルも本体右側面下部に位置するので問題ない。でも、これを907gのSurface Pro 2に合体させると1kgを大きく超えてしまう。実測では1,150gで、この重量は、光学ドライブつきで12.5型のLet'snote MX2が実測で1,200gを下回るのでほとんど変わらない。

高まるコンパニオンキーボードの需要

 冒頭に書いたように、将来的にはノートPCの一定割合はタブレットに置き換わっていくだろう。でも、ピュアタブレットではあっても、自立すること、そして、軽量キーボードと巧妙に組み合わせられることは重要だ。そういう意味ではSurfaceは悪くない。作っている人が実際に使っているというイメージを持てる。

 ぼくらのような仕事では、テーブルがなくても膝の上で使えることは、とても重要で、だからこそクラムシェルを重宝しているわけだが、まわりを見渡せばそういう使い方は特殊な部類でもある。普通はテーブルの上で使うだろう。だからこそ、コンパニオンとしての外付けキーボードの重要性はますます高まっていくだろう。

 今回試したバッファローBSKBB24が、将来さらにブラッシュアップされることを期待したい。何しろ常用スマートフォンである「Galaxy Note 3」本体の172gよりも軽いのだ。それでいて打鍵感がきちんと確保されている。極端な話、他のアプリを併用することがまれなメモ用途にはスマートフォンとこのキーボードでも用がたりてしまうかもしれない。メモといっても記者会見やインタビューでは、けっこうな分量の文字を入力する。やはりキーボードは必須だ。最近は、記者会見会場などで、スマートフォン片手に猛スピードでメモ入力している若い記者を見かけることもあるのだが、その領域に達するのは自分には無理だと思う。

 ちなみに、発売元のバッファローでは、今のところWindows対応日本語レイアウトは予定していないそうだが、商品企画部門には要望として伝えていただいた。

(山田 祥平)