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HP、約1.7kgの14型Ultrabookワークステーションなどを国内発売
~3,200×1,800ドット/15.6型モデルも検討中
(2013/10/3 15:38)
日本ヒューレット・パッカード株式会社は3日、法人向けの新製品を発表。米国時間の9月11日に発表されたUltrabookに準拠したワークステーション「HP ZBook 14 Mobile Workstation」などのモバイルワークステーション、WQXGA対応30型液晶ディスプレイなどがラインナップされ、10月3日より順次販売が開始される。価格は全てオープンプライス。
発表に合わせて開催された記者発表会では、米Hewlett-Packard プリンティング&パーソナルシステムズグループ コマーシャル・ソリューションズ・ビジネス パーソナルシステムズグループ ワールドワイド・プロダクト・マーケティングディレクターのジョシュ・ピーターソン氏が登壇し、ワークステーションへの取り組みを説明。他社との差別化については、顧客からの意見を汲み取った製品開発や、クオリティ、効率の良いオペレーションによる出荷などを挙げた。
また、ワークステーションにおける同社のシェアについては継続して世界シェア1位を獲得できていると紹介。ピーターソン氏は「とりあえず誇りには思うが、まだ満足はしない。顧客はHPを選んで、お金を支払ってくれている」と、今後も妥協のない製品開発を続ける姿勢を示した。
ちなみに、ワークステーションの市場は一時期停滞していたが、昨今再成長を見せており、この成長は将来に渡って続くだろうとした。その成長機会となるターゲットとしては、画像/映像制作、金融業界、医療業界、教育分野、パワーオフィス、政府機関、建築/設計の分野を挙げている。
国内事情については、日本ヒューレット・パッカード株式会社 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 パーソナルシステムズ事業本部 ソリューション製品本部 本部長 小島順氏が説明。
日本市場においても、5年連続でワークステーションシェア1位を獲得しており、直近の2013年第2四半期も40%を超えるシェアを確保しており、「6年連続の1位も近い」と自信を見せた。また、「製造業が息を吹き返しているし、クリエイターも元気。IDCなどのデータを見ると日本の市場も伸びている」と、市場に対しても期待感を示している。
また、海外ではすでに発表されているものとなるが、今回投入されるモバイルワークステーションについて、これまで「EliteBook」のブランド名で提供されてきたが、デスクトップ製品で使われていた「Z」のブランドを導入。液晶ディスプレイなども含めて、「Z」を統一的なブランドとしてワークステーション製品に展開することを紹介した。
モバイルワークステーション「ZBook」シリーズ
モバイルワークステーションは、14型の「ZBook 14 Mobile Workstation」(ZBook 14)、15.6型の「ZBook 15 Mobile Workstation」(ZBook 15)、17.3型の「ZBook 17 Mobile Workstation」(ZBook 17)の3製品を発表。
ZBook 14とZBook 15については、中国ベンダーからベースとなる製品をODM調達し、東京・昭島向上で主要パーツを組み込むという「ハイブリッド生産」方式を採用。また、従来センドバック保守となっていたサポートも見直され、全モデルが3年間/休日修理付きのオンサイト保守に対応する。
世界初のUltrabookに準拠したワークステーションとなるZBook 14は、12月中旬発売。直販価格は20万円前後を予定している。
ワークステーションは性能を求められるイメージが強いが、昨今は外出先へ持ち出したいというニーズが高まっていることから製品化されたもの。国内では復興やオリンピックに伴う建設需要の高まりにより、建築分野において顧客とのミーティングや現場に持っていく、医療系で看護師がベッドサイドで電子カルテを見る、といった用途を例として挙げている。
本体サイズは339×237×21mm(幅×奥行き×高さ、最薄部)、重量約1.7kgと、同社従来モデル(EliteBook 8740w)から約34%の薄型化、約29%の軽量化を実現。マグネシウム合金やアルミニウムを用い、米国防省のMIL-STD-810Gに準拠する堅牢性も売りにしている。
主な仕様はCPUにCore i7-4600U(2.1GHz)、GPUにFirePro M4100(1GB)、Intel QM87 Expressチップセット、メモリ8GB、HDD 500GB、1,920×1,080ドット表示対応14型液晶(非光沢)、Windows 8 Pro(64bit)を搭載。
インターフェイスはIEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、Gigabit Ethernet、720p対応Webカメラ、SDカードスロット、USB 3.0×4、ミニD-Sub15ピン、DisplayPort、音声入出力などを搭載。指紋センサーの搭載も可能。バッテリ駆動時間は未公表。
ZBook 15はCPUの違いで2モデルを用意する。発売は10月中旬。
CPUにCore i7-4700MQ(2.4GHz)を搭載する下位モデルは、GPUにQuadro K1100M(2GB)、Intel QM87 Expressチップセット、メモリ8GB、HDD 500GB、1,920×1,080ドット表示対応15.6型液晶(非光沢)、Windows 8 Pro(64bit)を搭載して、直販価格は231,000円。
上位モデルはCPUにCore i7-4800MQ(2.7GHz)を搭載するモデルは、GPUがQuadro K2100M(2GB)、メモリが16GBに変更され、294,000円。
なお、ワールドワイドでは15.6型QHD+(3,200×1,800ドット)液晶を搭載するオプションが用意されるそうだが、国内では先述のハイブリッド生産方式を採ることもあり、国内での提供についてはニーズを見て検討するとしている。
インターフェイスはIEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、Gigabit Ethernet、SDカードスロット、ExpressCard/54スロット、Thunderbolt、USB 3.0×3、USB 2.0、ミニD-Sub15ピン、DisplayPort、音声入出力。
バッテリ駆動時間は最大11時間。本体サイズは381.5×257×30.5~35.5mm(同)、重量は約3.4kg。
ZBook 17もCPUの違いで2モデルを用意。
CPUにCore i7-4700MQを搭載する下位モデルは、GPUにQuadro K3100M(4GB)、Intel QM87 Expressチップセット、メモリ8GB、HDD 500GB×2、DVDスーパーマルチドライブ、1,920×1,080ドット表示対応17.3型液晶(非光沢)、Windows 8 Pro(64bit)を搭載して、直販価格は315,000円。発売は10月中旬。
CPUにCore i7-4800MQを搭載する上位モデルは、GPUをQuadro K4100M(4GB)、メモリを16GB、ストレージをSSD 512GB、光学ドライブをBDドライブへ変更して462,000円。10月下旬に発売される。
インターフェイスはIEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、Gigabit Ethernet、SDカードスロット、ExpressCard/54スロット、Thunderbolt、USB 3.0×3、USB 2.0、ミニD-Sub15ピン、DisplayPort、音声入出力。
バッテリ駆動時間は最大8時間。本体サイズは416×272.7×34~40mm(同)、重量は約4kg。
27/30型の液晶ディスプレイとデスクトップ製品
液晶ディスプレイは27型/WQHD(2,560×1,440ドット)の「HP Z27i プロフェッショナル液晶モニター」(Z27i)、30型/WQXGA(2,560×1,600ドット)の「HP Z30i プロフェッショナル液晶モニター」(Z30i)を発表した。直販価格はそれぞれ77,700円、163,800円で、10月3日より販売する。
両モデルともLEDバックライト、AH-IPSパネルを採用したことで、従来の同画面サイズ液晶に対して、約34~36%の省電力化を実現した。
主な仕様は共通しており、輝度が350cd/平方m、コントラスト比が1,000:1(最大500万:1)、応答速度が8ms(中間色)、視野角が上下/左右それぞれ178度。インターフェイスはDisplayPort、DVI-D、HDMI、ミニD-Sub15ピン。4ポートのUSB 3.0 Hubも搭載。スタンドは前5度/後20度のチルト調整、左右90度のスイベル調整、120mmの高さ調整、90度ピボットに対応する。
Z27iの本体サイズは641×242.2×540.4mm(同)、重量は7.6kg。Z30iの本体サイズは690.3×266.4×601mm(同)、重量は9.96kg。
デスクトップ製品は既存の「HP Z420 Workstation」、「HP Z620 Workstation」、「HP Z820 Workstation」のCPUをアップデート。新たに最大12コアのIvy Bridge版Xeon E5シリーズを搭載することで、24コア(Hyper-Therading有効時48スレッド)の環境を構成ようになる。