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第28回 : Windows 2000を見据えたノートPC



 いきなりタイトルとは異なる書き出しで恐縮だが、先日発表されたVAIOノート「PCG-C2GPS」は、なかなか出色のデキらしい。ソニーはカーナビメーカーとしても成功しているが、今回の製品はVAIOの付属ソフトとして世の中に出て以来、単体のパッケージ製品としてこまめにバージョンアップを繰り返してきたNavin'You開発陣の成果と言えるかもしれない。
 Navin'Youは商用ネットワークNIFTY-Server(現@nifty)のフォーラムでユーザーの意見を吸い上げながら、パソコンGPSの機能を熟成していた。その開発者の1人と、一昨年の末に食事を共にしたが、GPSについてたいして詳しくもない僕の意見も真剣に聞いてくれたのを思い出す。

 ハードウェアパッケージとしての「PCG-C2GPS」についてはまだ実物を見ていないのでなんともコメントできないが、自社開発のソフトウェアとハードウェアを単に組み合わせるだけではなく、融合させて商品企画をするところなどは大会社には珍しい柔軟性がソニーにはあるように思う。VAIOシリーズの一部機種には、必ずしも賛成できない製品もあるが、そうした柔軟な体質は他メーカーも範とすべきところがあるようにも思う。


■ いよいよ見えてきたWindows 2000出荷日

 以前にモバイルユーザーにとって、Windows 2000の機能が非常に有用であるとの記事を書いたことがあった。β3の抽選に漏れた人、β版など使いたくない人には関係のない話だったかもしれない。しかしやっと、英語版の出荷日が確定した。すでに米国マイクロソフトのホームページでアナウンスされているように、2月17日には店頭で販売が行なわれる。
 Windows 2000関連のニュースグループなどをウォッチしていると、β3にあったハードウェア互換性の問題も、RC2になってかなり改善されているようだ。RC2ユーザーでトラブルを経験している人をほとんど見かけない。Windows 2000 Professionalに関して言えば、かなりクオリティが向上しており、あとはリリース日に向けてドライバの整備が待たれている程度……というのが、多くのβユーザーの一致した意見のようだ。
 実際、我が家でもこれまで部分的に正しく動作しなかったデバイスが、RC2になって問題なく動くなど、互換性の面では良い印象を持っている。ACPI対応ではないノートPC(Let's NOTE/S21)にAPMでインストールした際、サスペンド中に時計が進まなくなってしまう問題もRC2では解消された。
 β3で動作しない原因の多くが、ドライバ不足とBIOS側のバグによるものだという印象を持っていたが、BIOSのアップデートをしていないにも関わらず、RC2で直ってしまったのは計算外の出来事。いよいよテストが最終段階に近づいてきているという印象を持った。


■ Windows 2000を入れますか? 入れませんか?

 ちなみにそのRC2だが、12月には10誌前後の雑誌に付録として添付されるようだ。サーバー版も含まれるのか、フル機能なのかなど、詳細については不明だが、かなりクオリティが高くなったWindows 2000の出荷前バージョンが、大量にばらまかれることはほぼ間違いない。
 もちろん、RC2は製品版ではない。製品版を購入後に上書きのアップグレードが行なえるのかどうかも定かではない(ちなみにβ3からRC2へのアップグレードはうまくいかなかった)。従って、RC2のインストールは本来使っているパーテーションとは別の場所にインストールするなどの配慮はしておいたほうがいいだろう。

 ノートPCではハードディスク容量も限られるため、それもできないことが多いと思う。可能なら古いノートPCを用意することをオススメしたい。間違っても普段使っているPCには入れようと思わないこと。特にデジタルカメラ機能など、独自のデバイスがつながっている場合は、それら機能が動かなくなる可能性が非常に高い。
 またCD-ROMを内蔵していないノートPCは、外部のCD-ROMドライブが独自タイプのPCカード(おそらくはIDE接続)で接続されている場合、インストール後にCD-ROMドライブが使えなくなる可能性が高い。PCカードのプラグ&プレイがサポートされた結果、従来のWindows NT用PCカードイネーブラは使えなくなるからだ。

 と、一通り注意事項を挙げたが、バックアップを行なってOSを入れ替える手順を熟知しているなら、是非試してみることを薦めたい。OSを入れ替えるのは面倒な作業だし、それを正式な発売日以降、さらにもう一度しなければならないことを考えると気が重いが、各種新機能は本当に優れたものだ。これまでノートPCでは使い物にならなかったWindows NTの安定性を、プラグ&プレイ機能と省電力付きで与えてくれる。
 Windows 2000の機能の中でも、前回Windows 2000を紹介したときに書いたオフラインフォルダはとりわけ便利だ。“My Documents”の中身をそっくりネットワークドライブにしてオフラインで利用するよう設定しておくと、文書にポータビリティが出る。一度使い始めると、なかなかブリーフケースには戻れない。

■ Windows 2000を入れるならどんなPC?

 どうせテストだから、どんなPCでもいいか……と思うだろうが、一度使い始めてしまうとWindows 9xに戻ることがつらくなる。インストールするならば、実用的なレベルの性能が欲しいところだ。Windows 2000をインストールするPCにもっとも必要なスペックは、おそらくメモリ容量だ。西川氏の書いたβ3のレポートでは64Mバイトでもスイスイ動くとある。確かにその通りなのだが、Office 2000などと組み合わせて使うのであれば、できれば128Mバイト程度のメモリ容量は欲しいところだ。

 ところが、実はここが一番厳しい制限と言えそうだ。CPUが少しばかり遅いのは何とか我慢できる(実際メモリが多ければPentium 166MHz程度でも動作に支障はないと感じているほどだ)のだが、メモリの不足は作業に大きな影響を与える。Pentium、MMX Pentium時代に発売されたノートPC、特にB5以下のサブノートPCは搭載メモリ量が少ない。96Mバイトならば我慢の範疇かもしれないが、64Mバイト、あるいは32MバイトといったPCでは、試しに機能を確認することはできても実用にはならないだろう。
 これはWindows 2000に限った話ではない。メモリ容量の上限が低いことで、新しいOSやアプリケーションが使えないことは多いのだ。デスクトップPCでこうした問題が起きることは少ないが、ノートPCの場合はメモリを装着できる場所が少ないだけに問題となることが多いのだ。

 このほかにも、ACPI 2.0が推奨されている省電力機能など、Windows 2000を本格的に動かすノートPCの基準は意外に厳しい。すでに各メーカーからWindows 2000 Ready PCなるものが発売されているが、来年2月のWindows 2000リリースを見計らって、最初からそうした製品に買い換えてしまうのも手だろう。お金はかかるが苦労は少ない。

 ただ、ACPI対応を含め、かなりの数の条件はBIOSやユーティリティの更新で問題は解決される。IBM、Compaq、東芝、Hewlett Packard(いずれも英語サイトで英語版のBIOSとユーティリティのみ)は、Windows 2000のβ3やRC2に対応したモジュールを配布しているので、該当する機種を持っている人は、それらを使ってWindows 2000の機能を完全な形で利用できるはずだ。
 もし、ここまで読み進めて「面倒はごめんだ」と思ったなら、素直に今のOSを使い続けるべきだろう。新しいOSに切り替えなくても、今までの機能が退化するわけではない。あるいは買い換えを検討しているならば、Windows 2000がプリインストールされたノートPCを待ってみるのもひとつの選択肢だろう。

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【6月28日】西川和久の「Windows 2000 英語版β3」特別レポート http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990628/win2kb3.htm

[Text by 本田雅一]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当pc-watch-info@impress.co.jp