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「ゲームは映画の著作物。中古ソフトの頒布差し止め」
メーカーの主張認める

10月7日 発表

 大阪地方裁判所において10月7日、大手ゲームメーカー6社(※1)が'98年7月8日に中古販売店「ファミコンショップわんぱくこぞう」を展開する株式会社アクトを提訴していた訴訟「中古ゲームソフト訴訟(著作権侵害行為差止請求訴訟)」に関する判決が言い渡された。

 判決は、原告であるソフトメーカー6社の言い分を認め、「ゲームソフトは著作権上の“映画の著作物”であり、頒布権は存在する」としたうえで、権利者に許諾のないゲームソフトの中古販売は認められないとする判決を言い渡した。

 この判決を受け、ソフトウェアメーカーが参加する社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCE)は、コメントを発表した。「裁判所は適切な判断を下した」と今回の判決を評価。また、「(この問題は)ゲームソフト分野だけの問題ではなく、急速な社会のデジタル化・ネットワーク化の中で、使用に際して劣化のないデジタル著作物すべてにわたり、その権利保護が大きな課題となっている。本日の判決を契機に日本のデジタル文化の発展に向け、さらなる貢献に邁進する決意です」としている。
 中古ソフトの問題は販売店との軋轢ではないかといった疑問に関しては「(販売店とは)対立関係にあるものではなく、むしろユーザーの皆様に優良なゲームソフトをお届けすると言う意味で『仲間』であります。今回の判決で明確になった権利関係を基本として、販売店の皆様とより良い協力関係が築かれることを切に願っております」と、従来からの「著作権を保護することで文化に貢献することが目的で、“中古市場全面禁止”ではない」との意見を繰り返した。

 なお、アクトも加入しているTVゲームソフトを専門に販売している店舗を代表する団体「テレビゲームソフトウェア流通協会(ARTS)」もホームページ上でコメントを発表。これによると「消費者の権利よりもメーカーの利益を不当に優先した判決であり、我々ARTSとしては到底納得できるものではありません。したがって、直ちに高裁に控訴して断固闘い続けます」とコメントしており、徹底抗戦の構えを見せている。

□社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会のホームページ
(10月7日現在、この情報に関する情報は掲載されていない)
http://www.accsjp.or.jp/
□ファミコンショップわんぱくこぞうのホームページ
(10月7日現在、この情報に関する情報は掲載されていない)
http://www.wanpaku.co.jp/
□テレビゲームソフトウェア流通協会のホームページ
http://www.arts.or.jp/
□ニュースリリース
http://www.arts.or.jp/news/fromarts/fromarts_0.html
□関連記事
【'98年6月12日】家庭用ゲーム会社5社が、中古ゲーム販売業者を告訴
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980612/game.htm
【3月9日】中古販売業者が全面的にゲームの頒布権を認める。ACCSが全面勝利宣言
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990309/accs.htm
【5月27日】「ゲームは“映画の著作物”ではない」エニックスが敗訴
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990527/accs.htm

('99年10月7日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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