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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第83回:6月28日~7月1日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


6月28日

■■オリンパス、200万画素クラス最小の「CAMEDIA C-21」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990628/olympus.htm

ホワイトバランス(WB~White Balance)

 色温度による色あいの違いを調整する機能。
 光の色を、それに相当する温度で表現したものを色温度という。色温度は、光源によって異なり、日中の太陽光のような色温度の高い光源の下では青っぽく、夕方の太陽光や電灯のような色温度の低い光源の下では赤っぽく見える。私達の目は、このような違いに順応するため、光が変わっても同じような色合いに見えるのだが、光源の特性がそのまま反映されるビデオカメラやデジタルカメラの場合には、適切な調整を行なわないと正しい色合いが得られない。色合いの調整は、赤、青、緑の3原色を混合した白が偏りのない白になるように調整するところから、ホワイトバランスと呼んでいる。

 具体的には、赤信号と青信号の増幅回路のゲインを調整してバランスをとるわけだが、古いビデオカメラでは、白いレンズキャップや白いフリップを使って、手動で調整していた。現在は、カメラ側で自動調整するオートホワイトバランス(AWB~Auto White Balance)機能を備えた製品が一般的で、通常はカメラが映像信号の中から白であろうものを推測し、その色合いを調整するスタイルが採られている(白いカバーの付いたセンサーを使って計測するスタイルのものもある)。

【参考】
□色温度
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990610/key79.htm#iro



 
■■NEC、36bit入出力の600dpiスキャナ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990628/nec.htm

モアレ(moire)

 規則性のある点や線の模様を重ね合わせたときに生ずる干渉パターン(モアレは、フランス語で木目や波形の模様のこと)。

 例えば2枚のすだれを重ね合わせると、双方の縞模様が干渉しあい、目に付く大きな縞模様となって現れる。これは、2つの波(この場合は明暗の変化)が混合した際に生ずるうなり(beat)であり、この干渉縞のことをモアレ(モアレ縞、モアレ模様)という。PCの場合には、ディスプレイの蛍光面とそこに表示した模様や画素とが干渉したり、スキャナで取り込んだ印刷物の網点(※1)と画素が干渉してモアレを生じることがある。製品によっては、これを除去する(目立たないようにする)機能が用意されている。

(※1)一般的な印刷では、インクそのもので濃淡を表すことができないため、1つの画素をサイズの異なる点の集まりでパターン化し、擬似的な階調表現を行なっている。この擬似的な画素である点の集まりを網点という。


6月30日

■■アダプテック、MP3対応CD-R/RWライティングソフト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990630/adaptec.htm

CDDB(CD DataBase)
シーディーディービー

 CDDB(現在はEscientの所有)が提供する、CD(Compact Disc)情報のオンラインデータベースサービス。

 CDのタイトルやアーティスト、曲目などをオンラインで検索できるサービスとして'93年にスタート。'95年には曲数と各演奏時間からディスクを識別し、データベースからCD情報を取得する機能(DRS~Disc Recognition Service)をサポート。無料のものから市販のものまで、数多くのCDやMP3関連のソフトウェアがこの機能に対応している。

 サービスは、未登録のCD情報をユーザーが登録し、それを共有していくスタイルで、データベースには、'99年7月現在で約39万エントリーが登録されている。ただし、当然のことながら全て英語ベースである。国内向けには、株式会社エイムが日本語に対応した(※1)CDDBサーバ(KCDBサーバ)を運営しているが、サービスの利用は同社のソフトウェアに限定されている。

(※1)CDDB自体は、ASCII(通常の英数記号にあたる7bitコード)とISO-Latin-1(WWWなどで一般に用いられている8bitに拡張されたコードセット)のみのサポートだが、同社では、EUC(UNIXで使われているコード体系)をベースに、半角かなも記述できるように拡張したコードを使って日本語の情報をやりとりできるようにしている。

□CDDB
http://www.cddb.com/
□株式会社エイム
http://www.aim-inc.co.jp/



 
■■元麻布春男の週刊PCホットライン
  ハードディスクの最近の動向
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990630/hot047.htm

CHS(Cylinder Head Sector)
シーエイチエス

 シリンダ、ヘッド、セクタの3つパラメータを使ってディスクにアクセスする方式。
 シリンダは、ディスクの記録面の同一位置にあるトラック(ディスクを同心円状に区切った区分)。ヘッドは、各面に対応する磁気ヘッド。セクタは、読み書きの最小単位となるトラックの区分のことで、この3つのパラメータを指定し、特定の面の特定のトラックにある特定のセクタにアクセスするのがCHSである。ディスクの物理的なパラメータをそのまま使ったオーソドックスなアクセス方式で(※1)、古いハードディスクでは、このパラメータ通りのジオメトリ(物理構造)となっていた。

 各パラメータには、BIOSとIDE(ATA)それぞれに以下の表のようなビット幅の制限があるため、それぞれの最大公約数をとると、1,032,192セクタ。1セクタは512バイトなので、528,482,304バイトがリミットとなってしまう。そこで、CHSを単なる制御用の論理パラメータとして扱い、ドライブ側で実際の値に変換するスタイルがとられるようになった。いわゆるEnhanced IDEと呼ばれるドライブのはしりで、BIOSのリミットである24bitをフルに使い、16,777,216セクタ(8,589,936,128バイト)の容量までサポートするようになった。

シリンダヘッドセクタ※
BIOS10bit( 1,024)8bit(256)6bit( 63)
IDE16bit(65,535)4bit( 16)8bit(255)
括弧内は最大値
※セクタは1から数えるので最大値が「63」「255」になる

 現行の機種では、CHSパラメータではなく、直接アドレス(セクタに振った連番)を指定してアクセスできるように、ディスクBIOSそのものが拡張されている(拡張INT13と呼んでいる)。これをLBA(Logical Block Address)方式といい、従来のBIOSの制約がなくなり、IDEの管理限界まで対応できるようになる。8GB以上のハードディスクは、この拡張BIOSのサポートがあってはじめて利用できる。

【参考】
□拡張INT13(Interrupt 13 Extensions)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980610/key33.htm#Int13
□ATA/ATAPI-4(AT Attachment/AT Attachment Packet Interface 4)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990114/key60.htm#ATA_4
□IDE(Integrated Drive Electronics)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980805/key41.htm#IDE


7月1日

■■AKIBA PC Hotline! HotHotレビュー by Ubiq Computing
  遂に登場したデュアルSocket 370マザーボード ~ABIT Computer BP6~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990701/hotrev17.htm

APIC(Advanced Programmable Interrupt Controller)
エーピック

 Intelが'94年にリリースした、マルチプロセッサ向けのアーキテクチャ、およびそのための割り込みコントローラ。

 デバイスが入出力処理を実行してもらうためにCPUを呼び出すリクエスト信号を、割り込み信号(IRQ~Interrupt ReQuest)といい、この割り込みを処理するモジュールを割り込みコントローラ(PIC~Programmable Interrupt Controller)という。一般に使われているPC/AT互換機では、CPUは1つだけであり、1つのコントローラ(※1)が1つのCPUとの仲介を行ない、デバイスのリクエストを処理する設計になっている。

 性能や信頼性の向上をはかるために、複数のCPUを搭載したマルチプロセッサシステムでは、デバイスからの要求を、複数のCPUに対して適切に配送する必要がある。APICは、このマルチプロセッサに適した割り込み制御を行なうためのメカニズムで、一部を除くPentium以降のCPUでは、各CPUがそれぞれローカルのコントローラを内蔵(Local APIC)。チップセット側には、デバイスからの割り込みをハンドリングする1個以上のコントローラ(I/O APIC)が置かれ(一部のチップセットは内蔵)、この間を専用のバス(ICC Bus~Interrupt Controller Communication Bus)で接続し、割り込み信号の配送を行なう。

 このメカニズムは、従来の割り込み回路とは全く別のものであり、マルチプロセッサ対応のOSがAPICを初期化し、制御を移行してはじめて、マルチプロセッサシステムとして利用できるようになる。すなわち、Windows NTのような対応OSのサポートが必須であり、Windows 95/98のような非対応OSの場合には、マルチプロセッサシステムといえども、あくまでシングルプロセッサのマシンとしてしか動作しない。

 ちなみに'95年には、AMDとCyrixが同様の割り込み配送用のアーキテクチャを発表しており、こちらは「OpenPIC」という。

(※1)実際には、初期のPCに搭載されていた8チャンネル分の割り込み回路を持つコントローラ「8259」に、後からもう1個追加した形になっている。

□MultiProcessor Specification (Intel)
http://developer.intel.com/design/intarch/MANUALS/242016.htm
【参考】
□対称型マルチプロセッシング(SMP~Symmetric Multiprocessing)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#smp
□IRQ (Interrupt ReQuest)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980603/key32.htm#IRQ

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp