【ベスト10】

パーソナル向け機種のBest10を選出
今回からOver VGAをクラス分け

山田久美夫が選ぶ
デジタルカメラ・ランキング

'97/11/5版

【ランキング】

【総評】

 当初、VGAモデルが主流だった本ランキングも、高画素モデルの台頭により、今回からVGA以下のクラス(実際には総画素数41万画素クラスも含む)と、それ以上のOver VGAクラス(現時点では57万画素以上)に分割し、ランキングを掲載することとした。実際、機種選択の際には、多くのユーザーがいずれのカテゴリーかをあらかじめ選択し、具体的な機種選びをするケースが多いうえ、機種的にみても別のカテゴリーの製品として開発されているケースが多いため、今回はこのようなスタイルに踏み切った。将来的にカテゴリーを追加する可能性もあるが、当面はこの分類でのランキングとしたい。

 また、ランキング選考時にも、VGAクラスは従来よりも、VGAモデルらしい軽快感やコンパクトさ、値頃感などに重点をおいた選考になっている。

 なお、本ランキングは基本的に、すでに発売されているモデルを中心に選考しているため、今回のランキングでは「富士 DS-30」「オリンパス C-1000L」などは選考対象となっていない。

【Under VGAクラス】
順位
(前回順位)
メーカー 機種名 画質 機能 操作性 デザイン 携帯性 ソフトの
使いやすさ
コスト
パフォーマンス
選評
1
(1)
富士写真フイルム DS-20 ★★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★★ DS-20
2
(6)
リコーDC-3 ★★★1/2 ★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★★ DC-3
3
()
シャープ VE-LC2 ★★★ ★★★ ★★★1/2 ★★★★ ★★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 VE-LC2
4
(3)
ソニー MVC-FD7 ★★★ ★★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★ 注1
-
★★★ MVC-FD7
5
(8)
ソニー DSC-F2 ★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★★ ★★★★ ★★★1/2 ★★★ dscf2
6
(7)
三洋電機 DSC-V1 ★★★1/2 ★★★ ★★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★★ SANYO DSC-V1
7
()
カシオQV-70 ★★1/2 ★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★ QV-70
8
(5)
松下
キヤノン
コニカ
CardShot
Powershot 350
Q-mini
★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ Powershot350
9
()
カシオ QV-700 ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★★ ★★1/2 カシオ QV-700
10
()
東芝 アレグレット ★★ ★★ ★★1/2 ★★★1/2 ★★★★ ★★★★ ★★1/2 アレグレット

注1:FDにJPEG形式で保存されるため、ソフトウェアが付属しない。

【ランク理由】

 では、各分野でのランク理由を紹介してゆこう。

 まず、VGAクラスのNo.1は、ほとんど不動の存在となっている「富士フイルム DS-20」とした。ライバル機が続々登場する中、そろそろトップの座を譲る時期になってきたが、それでもバランスの良さという点では他を半歩リードしている感じだ。価格も手頃だし、8MBカードも流通しはじめ、富士のF-DIサービスを利用することでカメラ店などでもプリントが容易にできる点も評価できる。

 No.2は、前回のNo.6から大幅にランクアップした「リコー DC-3」。3万円代前半という価格の安さもさることながら、超小型ではないが携帯に便利なデザインも便利。また、内蔵メモリー専用機ながらも、液晶モニターやストロボもきちんと内蔵しており、レンズ前1cmまでの超クローズアップ機能や露出補正、ホワイトバランスの固定機能など凝った撮影にも十分対応できるだけのポテンシャルを備えている点を高く評価したい。すでに市場在庫のみとなっているが、カラーモデルもなかなかオシャレで、実用本位なだけでなく、遊び心を感じさせる点にも好感が持てる。

 No.3は、今回初登場の「シャープ VE-LC2」。基本的には従来製品の「VE-LC1」の機能そのままに超小型化したモデルではあるが、アルミ素材をふんだんに使った小型でシャープ感のあるボディーは、なかなかスタイリッシュ。しかも、記録再生切り替えスイッチ兼用で自分撮りもでき、携帯時にはレンズ保護も兼ねる回転式のレンズ部や、クラス最大のなかなか見やすい2.5インチTFT液晶、外付け式ながらも見え味のいい光学ファインダーなど、魅力的な機能をうまく搭載している点は高く評価できる。また、内蔵メモリー専用だが、画像転送も比較的早く、IrDA準拠の「Ir-TranP」を採用するなど、意欲的な点もいい。さらに、実販価格も4万円台半ばと手頃だ。Cyber-shotに飽きた人へ。

 No.4は「ソニー MV-FD7」。本機の魅力はやはり実用性と遊び心の両方を満足させる、不思議な魅力がある点。もちろん、PCユーザーにとってはハード・ソフトともに追加することなく画像を入力できる3.5インチフロッピーの採用という点はきわめて便利。そのため、外観はかなり大柄だが、もし、先だって発表された3.5インチ互換の200MBフロッピーが搭載されたら……と想像するだけでも楽しくなる。もちろん、レンズはオートフォーカス式の10倍ズームでマクロから超望遠撮影まで楽にこなせる点や、大きくて見やすい2.5インチ液晶、さらには何枚撮ってもなくならないと思えるほどのスタミナバッテリーも大きな魅力だ。ここまで尖ったモデルだけにライバルがそう簡単に登場しそうもない点も、移り変わりが激しいこの世界では安心感がある。

 No.5は先だって3世代目が発表されたばかりの「ソニー Cyber-shot DSC-F2」。いまだに色褪せることのない超スタイリッシュなボディー。クラストップといえる液晶モニターの美しさ、中遠景は甘めだが近距離撮影では十分にシャープ感のあるノイズの少ないクリアな描写性能、クラストップレベルの高速連写性能など、魅力も多い。もっとも、最新他社モデルに比べるとまだ電池の消耗が激しい点や、内蔵メモリー専用機としては高い価格設定など気になる部分も多い。性能よりも好みで選ぶ機種という感じか。いま買うよりも、10日まで待って内蔵メモリーが2倍の8MBになった「DSC-F3」か、マニアックにF3のブラックボディーを予約するほうが賢明。

 No.6は、「サンヨー DSC-V1」こと初代マルチーズ。内蔵メモリー専用機であり、35万画素クラスのなかではボディーも大きめだが、軽快感やバランスの良さではいまだにクラストップレベルの実力を備えたモデルといえる。とくに最近は実販価格が3万円台半ばまで下がってきており、サブ機や家族用に購入するといった目的に最適なモデルのひとつといえる。

 No.7は、「カシオ QV-70」。いまや実販価格が2万円を割った、超低価格モデルだ。本機はもともと大ヒット作「QV-10」の直系にあたるもので、レンズ回転機能はないが、その分コンパクトで、光学ファインダー(見え味は感心しない)を利用すれば、電池の消耗もかなり軽減できる。また、1/4VGAと画面サイズは小さいものの、メモ用と割り切れば、結構気軽で軽快なモデルといえる。

 No.8は、「キヤノン Powershot350」「松下 CardShot」「コニカ Q-Mini」の三兄弟。さすがに、そろそろ古さを感じてしまうが、機能的には十分に充実しており、補色系CCDならではのシャープ感を好む人にとっては、価格もこなれているので、結構いい選択肢といえる。

 No.9は、「カシオ QV-700」。同社初の原色系CCD採用機であり、ストロボやメモリーカード、2.5インチ液晶の搭載、約1秒という高速記録など魅力的な部分も多い。だが、外観がCP-500並みに大きく、CFカード式とはいえ独自のCAMファイル形式なので専用アプリケーションが必要だし、画像も色調が渋めで画像の輪郭もやや不自然な点が目立つなど、不満な点もある。実販価格はいまや5万円を割っているので、さほど高価な感じはないが、決め手に欠けるモデルといえる。「やっぱりQV!」という人へ。

 No.10は、「東芝 アレグレット」。国産初のCMOS素子搭載機であり、超薄型でスタイリッシュなデザインや、PCカードスロットに直接刺さるという点でも注目されるモデルだ。このCMOSという撮像素子は消費電力がCCDの約1/10という省電力であり、量産が容易で、周辺回路を一体化することもできるため、将来的にはワンチップ・デジタルカメラや、PHS、PDA内蔵型のデジタルカメラとして、その活躍が期待されるもの。実際、私自身、本機でかなりの枚数を撮影しているが、使い初めてから電池を一度も交換していないという、常識破りの面を備えている。また、付属アプリケーションを利用することで、PCカードにカメラを挿すだけで簡単に画像転送ができる点も高く評価できる。だが、画質面では、他のVGAモデルよりも劣る部分が目立つ。とくに、レンズ性能が不備なためにフォーカスが甘く、周辺部の画質や光量低下が顕著である点が残念だ。

【Over VGAクラス】
順位
(前回順位)
メーカー 機種名 画質 機能 操作性 デザイン 携帯性 ソフトの
使いやすさ
コスト
パフォーマンス
選評
1
(-)
オリンパス C-1400L ★★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★1/2 ★★★ ★★★★ C-1400L
2
(-)
コダック DC210 ★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★1/2 DC210
3
(-)
エプソン CP-500 ★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★1/2 CP-500
4
(-)
三洋電機 DSC-X1 ★★★ ★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★ DSC-X1
5
(-)
オリンパス C-820L ★★★ ★★★ ★★★ ★★★1/2 ★★★★ ★★★ ★★★ C-820L

※今後、新製品の登場、既存機種のメリット&デメリットの新規発見、実販価格の変動などにより、随時ランキングが変わりますので、ご了承ください。




【ランク理由】

 このところますます種類が豊富になってきたOver VGAクラス。ここでは800×600ピクセル、57万画素クラス以上のモデルを中心としたランキングをお届けしよう。

 No.1は、やはり「オリンパス C-1400L」。やはり実販10万円強で実効131万画素の3倍ズームモデルが入手できるという点が最大の魅力。解像度も十分に高く、CCDサイズも2/3インチと大型ということもあって、130万画素クラスのなかでもトップレベルで、A4版にプリントしても鑑賞に堪えるレベルの画像を実現している点は高く評価できる。もっとも、原色がやたら派手に写る点や明暗の再現域がかなり狭い点など、解像度以外の点で気になる部分もある。さらに、機能的にもこのクラスの本格派指向のモデルにも関わらず、ホワイトバランスがオートしかない点や、最大8MBカードまでしか利用できない点、メインスイッチを入れただけで撮影しなくてもバッテリーを激しく消耗しつづける点、128,000円のモデルと思えないボディーの作りなど、不満な点も多い。しかし、これらの欠点を補って余りある魅力を備えたモデルといえる。
 もっとも、ベータ版モデルでも明確にあったCCDの傾きは、市販品でもきちんと改善されていないようだ。つまり、光学ファインダーできちんとフレーミングしても、画面がやや斜めに傾いて写るモデルが市場に存在することを、私も経験しているし、複数のユーザーから指摘されている。“個人的には”メーカー側が購入者にきちんと告知するか、リコールに近い処置をとるべきだと思っている。人気モデルだけに、このあたりのきちんとした対応ができるかどうかは、大いに関心のあるところだ。

 No.2は、109万画素の2倍ズームモデル「コダック DC210ズーム」。標準小売価格でも81,000円、実販では6万円台半ばという、かなり手頃なメガピクセルモデルだ。残念ながら、ピントがパンフォーカス式のためか、画像の輪郭に甘さを感じるが、色や階調の再現性はきわめて良好で、写真的な美しさを感じさせる仕上がりといえる。また、ワイド系の2倍ズームはスペック上のインパクトこそ少ないものの、実際に使ってみると実に便利。とくに、スナップや屋内撮影、建物や風景の撮影など、多くのシーンで望遠系重視のズームレンズよりも実用的だ。
 もっとも、液晶ファインダーで撮影すると、シャッターを押してから実際に写るまでの時間(タイムラグという)がかなり長い点や、電池を激しく消耗する点が気になる。
 本機の場合、同じメガピクセル機でも、ハガキサイズのような実用的なサイズでのプリントに重点をおいた設計となっているため、C-1400Lのような切れ味の良さはないが、高画素モデルならではの深みのある写りは大きな魅力といえる。さらに、コンパクトカメラ感覚で気軽に撮影できる点、記録媒体がCFカードのため大容量カードが利用でき撮影枚数をほとんど気にせずに利用できるなど、“日常的に使えるメガピクセル機”という点を高く評価したい。

 No.3は、「エプソン CP-500」とした。実際にNo.4の「DSC-X1」やNo.5の「C-820L」とほぼ同列なのだが、やはりモノクロやパノラマモード、デジタルズームなど楽しめる機能が多い点や、内蔵メモリーが4MBあるためカードがフルになったときにも対応できるし、記録媒体にCFカードを採用している(といっても現時点では15MBカードまでしかサポートしていない)という実用性の高さを評価した結果、今回はNo.3とした。

 No.4は、新製品である「サンヨー DSC-X1」。本機は35万画素クラスで定評のあった「DSC-V1」をベースに開発された81万画素モデルであり、その長所をきちんと引き継ぎながら、高画素化やメモリーカード対応(スマートメディア)を実現したモデル。写りも素直で、ごく僅差ではあるが、CP-500やC-820Lよりも画質が向上している。また、なかなか高級感もあり、やや大きめだが凹凸が少ない上、レンズがカバーされるため携帯性もよく、操作性も分かりやすく、Exif記録でスマートメディアなので富士のF-DIサービスに対応できるなど、魅力的な部分も多い。だが、価格設定がやや高めな点や楽しめる機能が少ない点、最大8MBカードまでしか利用できない点など、やや気になる部分もあり、今回はNo.4とした。

 No.5は、「オリンパス C-820L」。小型軽量で携帯に便利であり、なかなかバランスのいいモデルだ。しかし、メインスイッチONで即座に液晶モニターをファインダーとして利用できない点や、スイッチを切るとストロボモードが標準設定(自動発光)に戻ってしまう点、SHQモードでの液晶モニター使用時の記録時間がかなり長い点、スマートメディアでしかも3.3V専用で最大8MBカードまでという制約があるうえ、Exifフォーマットでないため富士のプリントサービスに対応できない点などが気になり、僅差ではあるが今回はNo.5とした。

■過去のランキング

■参考記事

■注意■

[Reported by 山田 久美夫]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp