鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第171回:6月18日~6月22日


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●キーワード


6月18日

■■ リコー、12/20/10/40倍速のJustSpeed対応DVD/CD-RWコンボドライブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010618/ricoh.htm

ZCLV(Zoned Constant Linear Velocity)
 ゼットシーエルブイ

 ドライブの回転制御方式の1つで、一定の半径ごとに、転送速度を変える方式。

 ドライブの回転制御方式には、ディスクの回転数を一定に保つCAV(Constant AngularVelocity~角速度一定)と、外周に行くにしたがって回転数を下げ、トラック方向の線速度を一定に保つCLV(Constant Linear Velocity)に大別できる。

 制御が単純なCAVは、高速なランダムアクセスに適しており、ハードディスク(HD)をはじめとするPC用のドライブにはこのタイプが多い。トラックは、外周に行くにしたがって長くなるが、オーソドックスなフロッピーディスク(FD)や古いHD、MOなどでは、トラックの長さに関係無く、内外周ともに同じ数のセクタが作られている。このため、転送速度は常に一定だが、外周ではセクタの物理的な長さが長く、記録密度が低くなってしまうため効率が悪い。大容量FDや現行のHD、230MB以上のMOなどでは、外周に行くにしたがって段階的にセクタ数を増やし、より多くのデータを記録できるようにしている。このタイプを、ZCAV(Zoned Constant Angular Velocity)、あるいはZBR(ZoneBit Recording)といい、一般にディスクの回転数が一定に保たれているため、内周よりも外周の方が高速に読み書きできる。

 CLVは、ディスクを効率よく使い、なおかつ一定の速度で転送することに主眼を置いた方式で、スパイラル状のトラックを使用するCDやDVD(DVD-RAMを除く)に採用されている。転送速度を一定に保つということは、リアルタイムなAVデータの録再生にとっては重要な要素だが、単なるデータの読み出しを前提とした場合には、必ずしもCLVである必要は無い。このため、データドライブとしてアクセスする場合には、回転数を一定に保つCAVでアクセスするドライブも多い(※1)

 一般的なディスクと異なり、CD-Rは、途切れることなく書き込み続けることを前提としている(※2)。リアルタイムに録音や録画を行なう機器以外では、必ずしも等速である必要は無いが、転送速度を一定に保つということは、Rメディアの記録にも欠かせない条件である。ただし、転送速度を一定に保つために、ディスクの内周ほど高速に回転させなければならない。具体的には、12cmのディスクの最内周は、最外周の2.3倍ほど高速に回転させなければならないため、書き込み速度の向上とともに、特に内周の書き込みが不安定になってしまう。ZCLVは、高速書き込み時に内周の回転数が上がり過ぎて不安定にならないよう、段階的に転送速度を変える。実際の製品では、切り換えは高低の2段階で、ゾーンはメディアの特性に応じて切り換わるとしている。

※1 記録密度が一定のメディアをCAVで読み出すと、回転数の上昇にともなって外周の読み出しが厳しくなってくる。このため、一定のところまではCAVでアクセスするが、その後はCLVに切り換えるタイプもあり、これをPCAV(Partial Constant AngularVelocity)と呼んでいる。

※2 一般的なディスクメディアは、メディア上にあらかじめセクタが作成され、セクタを検出してセクタ単位に書き込みが行なえるようになっている。CD-Rには、このようなプリセクタはなく、書き込みを開始したら最後まで一気に書き込むことが前提となっている。この開始(リードイン)~終了(リードアウト)をディスク単位でしか行なえないタイプをDAO(Disc At Once)。多少の継ぎ目を許容し、開始~終了をトラック単位で複数回行なえるようにしたタイプをTAO(Track At Once)。トラック内に、さらに複数の継ぎ目を許容して、小さなパケット単位で継ぎ書きできるようにしたタイプをパケットライトという。ちなみに三洋の「BURN-Proof」やリコーの「JustLink」の場合は、書き込みを中断した位置を検出し、その直後から物理的に継ぎ目無く継ぎ書きできるようにする技術である。


6月19日

■■ Microsoft、Messenger搭載のWindows XP RC1を公開
   ~Home Editionもデュアルディスプレイ対応に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010619/ms.htm

RTM
 アールティーエム

 製造工程向けにリリースされる、ソフトウェアやハードウェアのバージョン。

 製品が開発を終えて製造段階に入ることを意味し、ソフトウェアならCD-ROMやマニュアルが量産され、パッケージに納められた後、最終的な製品として市場に出荷されることになる。

 製品開発の過程では、幾度となく評価と修正が繰り返された後、最終的な製品版が作られ出荷される。もっとも初期の段階で作られる評価版をアルファ(「版」あるいは「バージョン」~以下同じ)といい、主に内部評価に使われる。完成度が上がると、外部に公開して評価を行なうこともあり、このレベルのものをベータという。さらに開発が進み、製品版としての機能が実装され、何も問題がなければそのまま出荷してもかまわないようなレベルになったものをRC(Release Candidate)といい、製品評価用として広く一般ユーザーに配布されるバージョンは、おおむねこのレベルである。いずれも、その後の修正が進むに連れて、1、2、3……と改版されて行く。

 RTMは、こうした開発工程を経て出来上がった最終的な製品版のことで、このバージョンがそのまま製造部門にまわされた後、一般ユーザー向けのパッケージやOEM向けのOPK(OEM Preinstallation Kit)となって正式な出荷を迎える。


6月20日

■■ 元麻布春男の週刊PCホットライン
   Intel系マザーボードでGeForce 3を試す
   ~3DMark 2001の描画エラーは解消~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010620/hot151.htm

アパチャーサイズ(aperture size)

(1)レンズ等の口径
 カメラのレンズや液晶パネルのセルなどの開口部の口径のことで、光を集める(あるいは透過する)能力は、口径の二乗に比例する。カメラのレンズ絞りは、このアパチャーサイズを絞ることによって光量を調節しており、数値(F値)が大きくなるほど絞られ、アパチャーサイズが小さくなる。

(2)AGPアパチャーサイズ
 AGP(Accelerated Graphics Port)ポートに装着したグラフィックスアダプタが使用する、メインメモリのアドレス空間のサイズ。

 AGPアパチャーは、グラフィックスコントローラやシステムから見える、物理的なビデオメモリがマッピングされた仮想的なメモリ空間である。AGPは、メインメモリの一部をビデオメモリとして利用する機能もサポートしており、AGPアパチャーには、グラフィックスアダプタに搭載されたメモリに加え、システム側のメインメモリも動的にマッピングされる。AGPアパチャーサイズは、これらビデオメモリとしてマッピングされる仮想アドレス空間のサイズのことで、BIOS設定でその上限を設定することができる(マザーボード次第)。

【参考】
□F値
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000224/key109.htm#F
□ディスプレイキャッシュ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991202/key100.htm#display_cache


6月22日

■■ カシオ、413万画素光学3倍ズーム搭載デジカメ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010622/casio.htm

アスペクト比(aspect ratio)
 画面や画像などの横と縦の比率(縦横比)。

 一般に「横:縦」と記述するので、「2:1」は横が縦の2倍の長さという意味。標準的なディスプレイは「4:3」、HDTV(High Definition Television)が「16:9」、写真が「3:2」。

AEB(Auto Exposure Bracketing)
 エーイービー

 設定した露出に対し、露出値を変えた複数のカットを撮影する機能。

 一回の撮影で、セットされた露出値のほかに、ズレ量分を加減したアンダー側とオーバー側のカットを1~2枚加えた、計3~5枚のカットを自動的に連続撮影する。段階露出とも。

[Text by 鈴木直美]


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