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NEW PRODUCTS TESTREPORT

エプソンダイレクト
Endeavor Pro-620L
Pentium III 1.0BGHz搭載で10万円を切るミドルレンジPC
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu


ケース自体は従来機Pro-600Lと同様のスタンダードなものを採用している バックパネル部のコネクタも、USB、シリアル、パラレル、サウンドと標準的
 エプソンダイレクトから、Intel 815Eチップセットを採用したミドルレンジ向けPC「Endeavor Pro-620L」が登場した。同社のミドルレンジマシンとしては、これまでVIA Apollo Pro133Aを採用したPro-600LとApollo KT133を採用したPro-720Lの2機種がラインナップされていたものの、i815E採用機は存在しなかった。MT-4000ではチップセットにi815Eが採用されていたが、これはPro-600やPro-720シリーズより一回り小型のケースを採用したローコストPCであるため、拡張性にやや制限があり、BTO(Build To Order=受注生産)におけるビデオカードなどの選択肢も前述の2機種ほど豊富ではなかった。しかしながら、本機の登場で、ミドルタワー筐体の高い拡張性と、安定性と速度に定評のあるi815Eを組み合わせた構成が可能となったわけだ。

 確かに、競合他社と比較してミドルレンジへのi815Eの採用は遅れた形になっているが、このPro-620Lは、エプソンダイレクトらしい堅実な作りが特徴で、比較的完成度の高いPCに仕上がっている。基本的なBTOオプションは従来モデルのPro-600Lとほぼ同等だが、マザーボードにはi815Eを搭載したASUSTeKのCUSL2が使用されている。このボードは、1本のAGP Proと4本のPCI、および1本のPCI/CNRスロットを備えており、十分な拡張性を持つ。BIOSはこれまで同様、エプソンダイレクト向けにカスタマイズされたものだ。

 CPUやメモリなどの基本的なスペックだが、今回の試用機では、CPUとしてPentium III 1.0BGHz、メインメモリに128MBのPC133対応SD RAM、HDD容量は40GB、ビデオカードはカノープスのSPECTRA 8400となっていた。もちろん、これらの構成はBTOによるカスタマイズが可能で、CPUは上記のほか、Pentium III 866MHzと900MHzが選択可能、メモリは512MBまで増設することができる。ただし、ミドルレンジ向けマシンとしてのバランスを考えたためか、128MBより少ないメモリ容量は選ぶことができない。また、HDDは10~60GBの範囲で選択することができ、増設ドライブとしてもう1台のHDDを組み込むことも可能だ。これ以外にもDVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブや、DVD-RAMドライブなどの光学ストレージをはじめ、サウンドカード、IEEE1394カードなども選択可能なので、自分の好みに合うPCを注文することができるだろう。


DIMMスロットは3本備えられているが、BTOによる構成では1本もしくは2本のみの仕様となるため、3本目のDIMMスロットの使用は保証されていない
 ケースは、既存のPro-600LやPro-720Lと共通のミドルタワーケースで、非常にシンプルなデザインとなっているが、内部のメンテナンス性は高い。ドライブベイは、外部5インチベイが三つ、外部3.5インチベイが二つ、これに加えてHDD専用の内部3.5インチベイが五つも用意されている。同じi815Eチップセットを採用したMT-4000と比較した場合、設置に必要なスペースは大きくなるが、拡張性ではこちらのほうがはるかに高い。

 ただし、ケースを開けるためには、ドライバーを利用して背面のネジを取り外さなければならない。最近の大手メーカー製PCは、ドライバーレスでケースを開けるものが多いが、エプソンダイレクトのケースはドライバーが必要となるものが大部分となっている。ハイエンドモデルのPro-900シリーズに採用されているケースでは、手回しネジの採用によって、この点が改善されているので、ネジだけでも同じものにしてほしかったところだ。

 とはいえ、BTOオプションの選択肢を含めて、全体的な完成度はやはり高い。また、Pentium III 866MHz、メインメモリ128MB、HDD容量10GB、i815E内蔵ビデオ、48倍速CD-ROMドライブといったミニマム構成での価格は90,000円、CPUをPentium III 1.0BGHzに変更した場合でも98,000円と、コストパフォーマンスにも優れる。これなら、ビジネスからホームユースまで、あらゆるニーズに対応できるだろう。また、カスタマイズを前提としたベースマシンとして利用するのにも向いている。どのような用途に利用するにせよ、末永く付き合っていくことができる1台だ。


  • 製品名:Endeavor Pro-620L
  • 標準価格:135,000円(5月2日現在、今回試用した下記の構成において。BTOにより変動)
  • メーカー:エプソンダイレクト株式会社
  • 問い合わせ先:0120-545-101
  • URL:http://www.epsondirect.co.jp/
  • CPU:Pentium III 1.0BGHz
  • チップセット:Intel 815E
  • メモリ(最大):128MB PC133対応SDRAM(512MB)
  • HDD:40GB
  • FDD:2モード
  • CD-ROMドライブ:最大48倍速
  • ビデオチップ:GeForce2 GTS
  • ビデオメモリ:32MB DDR SDRAM
  • 最大解像度:2,048×1,536ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:Analog Devices AD1881
  • キーボード:109キー(PS/2接続)
  • 拡張スロット(空き):AGP Pro×1(0)、PCI×4(4)、PCI/CNR×1(1)
  • インターフェース:USB×2、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、ディスプレイ(Dsub 15ピン)×1、LINE OUT×1、LINE IN×1、マイク×1、GAME/MIDI×1
  • 本体サイズ(W×D×H):217×438×439mm
  • 重量:約13kg
  • OS:Windows Me
  • 付属ソフト:McAfee Virus Scan、Adobe Acrobat Reader 4.0など

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □エプソンダイレクトのホームページ
    http://www.epsondirect.co.jp/
    □製品情報
    http://www.epsondirect.co.jp/pro-620l/
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    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010409/epson.htm


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