NEW PRODUCTS TESTREPORT

	マウスコンピュータージャパン
	MDV A1330GT/DDR
	最新Athlon環境を採用したハイエンドPC
	TEXT：清水理史　Masashi Shimizu

フロントパネル部のグリーンのクリアカバーを開けると各種ドライブが現われる	バックパネル部はUSB、シリアル、パラレルなどを備える一般的な構成

　マウスコンピュータージャパンから、最新のAthlonプラットフォームを採用したハイエンドPC「MDV A1330GT/DDR」が登場した。その名前からも分かるとおり、DDR SDRAMとFSBクロック133MHz対応のAthlonを搭載したモデルだ。

　採用されているマザーボードは、FSB 266MHz版のAthlonに正式対応したGIGA-BYTEのGA-7DXで、試用機ではここにFSB 266MHz版のAthlon 1.2GHzが搭載されていた。このGA-7DXは、チップセットとしてNorth BridgeにAMD-761、South BridgeにVIA VT82C686Bを採用している。これは、現在発売されているAthlon用マザーボードに多く見受けられる構成だ。

　登場したばかりのプラットフォームということもあり、安定性などに不安が残るのも確かだが、AMDからの推奨も受けているGA-7DXを採用している点を考えれば、安心感も大きい。

ミドルタワーとしては比較的大型の筐体であるため、内部のスペースにははかなりの余裕がある。そのため、ユーザーの手によるアップグレードも簡単だ

　メインメモリは、PC2100に対応したDDR SDRAMで、容量は標準で128MBが搭載されている。マザーボード上にはDDR SDRAM用のスロットが2本用意されており、このうち1本は未使用のため、さらなる増設も可能だが、GA-7DXは通常のSDRAMを使用することが不可能な設計となっているため、必ずDDR SDRAMを搭載する必要がある。多少コストはかさむかもしれないが、パフォーマンスを重視するユーザーには最適な設計と言えるだろう。

　このほか、HDDには容量40GBのUltra ATA/100対応、7,200rpmのものが、ビデオカードにはGeForce2 Proを搭載したPROLINK製のPixel View X-Player proが搭載されていたが、これらはカスタマイズが可能だ。選択できるパーツの種類はそう多くはないが、CPU、メモリ容量、HDD容量、光学ストレージ、ビデオカード、サウンドカードなどが変更可能となっているので、好みに合った構成にすることができるだろう。

本機に搭載されていたFSB 266MHz対応版のAthlon 1.2GHz。このほかに選択できるCPUも、すべてFSB 266MHz版となっている

　性能重視の構成となっているMDV A1330GT/DDRだが、そのパフォーマンスを十分に発揮できるよう、ケースにはさまざまな工夫がなされている。まず目に付くのは、いたるところに配されたファンだ。フロントに取り外し可能な大型の冷却ファンを備え、リアにもマザーボードの温度を感知して機能するファンが搭載されている。これ以外にも、マザーボード上のチップセット、ビデオカードのチップ、CPUと、とにかく多数のファンがケース内に配されている。電源をONにしたときに多少風切り音が耳に付くのも確かだが、これだけ冷却にこだわった作りとなっていれば、熱による動作への悪影響はほとんどないだろう。

　また、ケース内部の3.5インチシャドーベイがワンタッチで取り外し可能となっていたり、フロントベイをスライド式のカバーで保護できるようになっていたりと、メンテナンス性にも気が配られている。ワークステーション向けのケースということで、サイズ、とくに奥行きは456mmと大きいが、拡張性やメンテナンス性に問題はないと言える。

　このように、MDV A1330GT/DDRは、最新のプラットフォームを採用しているおかげで、パフォーマンス面では文句のない仕上がりとなっている。その性能を発揮するためのケース側の工夫なども魅力的だ。とにかく最新、最速のPCが欲しいが、安定性は犠牲にしたくないというユーザーに最適な1台となるだろう。