NEW PRODUCTS TESTREPORT

	日本パーソナルコンピューター
	JP-D2110
	IEEE1394接続の外付けDVD-RAMドライブ
	TEXT：正木堅児　Kenji Masaki

DVD-RAMメディアは、カートリッジに入れたものでも、カートリッジから取り出したものでも読み書き可能

　片面に4.7GBメディアに対応したドライブが登場し、大容量のデータを保存するメディアとしてがぜん注目を集めるDVD-RAMドライブ。これまで、外付けタイプのDVD-RAMドライブは、インターフェースにSCSIかUSBを採用したものが主流であった。しかし、多くのPCにおいて、SCSIはインターフェースカードの増設が必要なため初心者は扱い難く、USBは転送速度の限界からドライブ本来の性能を発揮できないことから、DVD-Videoの再生時にコマ落ちが発生するといった問題を持っていた。これに対し、日本パーソナルコンピューターの「JP-D2110」はIEEE1394を接続インターフェースに採用しているため、接続も簡単で、速度の問題もなく快適に使用できる点が魅力だ。対応OSはWindows Me/98SE/2000およびMacOS 8.6以降となっている。

背面には二つのIEEE1394ポートを備える。PCとの接続には、どちらのポートを利用しても構わない

　筐体はグレーの外装を用いたシンプルな作りだ。8cm CDの使用はできなくなるが縦置きも可能で、スタンドが付属する。筐体背面には6ピンのIEEE1394コネクタが二つ用意されているので、本機を使ってほかのIEEE1394機器をカスケード接続することも可能だ。また、電源は付属のACアダプタから供給される。

　採用されているDVD-RAMドライブは松下製のATAPI接続ドライブLF-D210で、筐体に内蔵されたIEEE1394-ATAPI変換基板を用いることで、IEEE1394接続を可能としている。対応メディアはDVD-ROM/DVD-Video/DVD-R（ディスクアットワンスで書き込まれた3.9GBメディアのみ）/CD-R/CD-RWが主なものだが、カラオケなどで使われているCD-Gには対応していない。

インターフェース変換ボードを内蔵するという、IEEE1394やUSBの外付けストレージでは一般的なスタイルだ

　今回はWindows Meがプリインストールされた東芝のDynaBook DB65P/4MCに接続してみたが、導入は非常に簡単なものだった。PCと本機に電源が入った状態で双方をケーブルで接続すると、まず本機はIEEE1394接続のCD-ROMドライブとして自動的に認識される。DVD-RAMドライブとして認識させるためには、添付のCD-ROMに含まれるドライバをインストールする必要があるが、この状態でも本機をCD-ROMドライブとして使用することが可能であるため、別途CD-ROMドライブなどを用意する必要はない。そのため、サブノートPCなどでも容易に導入できる点は大きなメリットだ。ドライバが組み込まれると、WindowsからはリムーバブルドライブとCD-ROMドライブの二つのドライブが認識されるようになり、本機にDVD-RAMメディアを挿入した際には前者に、CD-ROMを挿入した際には後者からアクセスする。これは、ほかのインターフェースのDVD-RAMドライブと同じ仕様だ。

リージョン変更ツール「DRVRgn」では、国ごとに異なるリージョンコードを5回まで変更することが可能

　ドライバと同時にインストールされるツールには、海外のDVD-Videoを見るときに必要となるリージョン変更ツール、DVD-RAMのフォーマッタなどが含まれる。

　IEEE1394は、最大データ転送速度がUSBの約30倍にも上ぼるため、DVD-Videoなどでコマ落ちが発生することもない。PCに電源が入った状態でのケーブルの抜き差しも可能なので、必要な時に引っ張り出して、さっとデータを保存するといった使い方もできる。

「RAMDisc Tool」では、カートリッジなしメディアの書き込み設定や、ディスクの汚れ検査などを行なう

　また、UDF形式のメディアに記録したデータはWindowsとMacintoshでのデータ交換にも使用できるため、双方のマシンを使いこなすユーザーにも重宝されるだろう。

　IEEE1394端子は、昨年の秋モデル辺りからデスクトップPC、ノートPCを問わず、多くのメーカー製PCに搭載されるようになった。こういったマシンでDV編集などを行ない、大容量のファイルを扱うユーザーには、非常に便利な製品だ。