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NEW PRODUCTS TESTREPORT

サンヨー
iDshot IDC-1000Z
iD PHOTOディスクに対応した静止画/動画デジカメ
TEXT:薮田織也 Oliya Yabuta



 730MBの光磁気ディスク「iD PHOTO」を記録メディアに使った、静止画、動画対応のデジタルカメラ「iDshot IDC-1000Z」が2月1日にようやく発売された。「iD PHOTO」は、デジタルカメラ用に開発されたメディア規格「iDフォーマット」に準拠する730MBの容量を持つ光磁気記録メディア。規格および記録メディアは、オリンパス光学工業、日立マクセル、三洋電機の3社で共同開発したものだ。この「iD PHOTO」ディスクを初めて採用したのが、「高精細な静止画とS-VHS並みの高画質の動画を1台で楽しめる」をコンセプトに開発された本機だ。

本体正面左下にIEEE1394端子を備えている。これにより本機をiD PHOTOディスクドライブとして使用できる 各種設定はファインダー左に用意された方向ボタンで行なう

 CCDには新開発の1/2型150万画素プログレッシブスキャンCCD「VPmixCCD」を搭載。レンズは光学3倍(35mm換算38~114mm相当、F2.4~4.4)で、記録解像度は静止画が最大1,360×1,024ドット。動画が最大640×480ドットで撮影できる。動画のファイル形式はQuickTimeだ。

 カメラ本体はハンディタイプのビデオカメラに似たデザインで、メカニカルなフィーリングは高級感もうまく演出している。ただし、ホールディングの問題とズームボタンの配置が気になった。まず、iD PHOTOディスクを装着する部分がグリップ部になっているのだが、サイズが少々大きく、グリップ感はあまりよくない。添付のグリップベルトの装着は必須だ。次にレンズ鏡筒の先頭部に配置されたズームスイッチは、この位置だとズーム操作時にレンズが上下にぶれる可能性が高く、少々使い難い。ズーム倍率を決めてから撮影する静止画の場合は問題にならないが、動画撮影時にズーム操作をすると手ブレを起こしてしまうのだ。

iD PHOTOディスクスロットは本体側部に備えられている iD PHOTOディスク。CFより二回りほど大きく、その容量は730MBとなっている

被写界深度を浅くして撮影。被写体の質感の表現力もよく、背景のボケもそれなりに味を出している
 静止画の画質は、150万画素という解像度を考えれば、まず良質と言える。被写界深度を浅くした撮影でのボケ味も演出できているし、被写体の質感もそれなりに表現できる。小口径レンズではあるが、F2.4はかなり明るいレンズだし、室内においても、デジタルカメラ特有の暗部に強い性格を活かして、アクティブに撮影できるはずだ。

 動画撮影は予想以上にきれいな画質だ。動画撮影時にCCDを垂直画素混合モードに切り換える「VPmixCCD」と画像処理チップの「HRGP」により、高感度でテレビ放送と同程度の動画の記録再生ができるという。試しに夜の室内で補助光なしで撮影した320×240ドット、30fpsの動画をテレビ上で再生してみたが、アナログビデオカメラよりもクリアで、動きもスムーズだった。


撮影した動画はQuickTime形式で保存される。その画質も良好で、デジタルならではの鮮明なものだ
 通常の静止画、動画撮影以外に、IDC-1000Zには、一定間隔で動画や静止画の撮影を行なう「インターバル撮影機能」や、動画クリップを1コマごとに撮影する「アニメーション撮影機能」などが搭載されている。また、カメラ本体に簡易動画編集機能の「EASY EDIT」を搭載し、ジョグダイアルで動画編集ができる。

 PCとのインターフェースには、IEEE1394とUSBを1個ずつ搭載しているが、動画ファイルは数十MBにもなるので、PC側にIEEE1394端子が欲しいところだ。IEEE1394接続時には、本機をPCの外部ドライブとして扱うことができる。

 1台のカメラで高画質な動画と静止画が撮影できるということは、単純ではあるが大きなメリットだ。使い勝手や周辺が充実していくことで、IDC-1000Zは一般家庭に普及するだけの能力をもっているカメラだと言える。



  • 製品名:iDshot IDC-1000Z
  • 標準価格:160,000円
  • メーカー:三洋電機株式会社
  • 問い合わせ先:072-870-4184
  • URL:http://www.sanyo.co.jp/
  • CCD:1/2型150万画素
  • レンズ:7~21mm/F2.4~4.4
  • 最大解像度
     静止画:1,360×1,024ドット
     動画:640×480ドット
  • 音声:8kHz/8bit モノラル
  • 液晶モニタ:1.8型低温ポリシリコンTFTカラー液晶
  • 記録メディア:iD PHOTOディスク
  • インターフェース:USB(専用コネクタ)×1、IEEE1394(4ピン、S400)×1、映像/音声出力×1、マイク×1
  • 電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
  • 本体サイズ:93×140×89mm
  • 重量:575g(バッテリ含まず)

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □三洋電機のホームページ
    http://www.sanyo.co.jp/
    □製品情報
    http://www.idshot.com/camera/index.html
    □関連記事
    【2000年10月2日】三洋、730MB 光磁気ディスク「iD PHOTO」搭載のデジカメ
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001002/sanyo.htm


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