鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第149回:1月9日~1月12日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


1月8日

■■2001 International CES ビル・ゲイツ基調講演レポート
  ~ Whistler、Pocket PCの音声入力をデモ ~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010108/ces02.htm

ALTAIR 8800
アルテア はちはちまるまる(はっせんはっぴゃく)

 MITS(Micro Instrumentation Telemetry Systems)が'74年にリリースした、コンピュータの組み立てキット。世界初の商用パーソナルコンピュータといわれている。

 MITSは、Ed Roberts(H. Edward Roberts~現在は医者)がニューメキシコ州のアルバカーキーに、電卓メーカーとして創設。'74年春にIntelがリリースした8bit CPU「8080」を使用し、同年、ホビースト向けのキットとしてリリースしたのが、StarTrekに登場する星の名から命名した「Altair 8800」である。

 パソコン(マイコン)の先駆けとなったこのマシンには、まだキーボードやディスプレイなどは無く、インターフェイスはスイッチとLEDのみ。メモリも標準で256byteとなっていた。当時学生だったBill Gatesが、友人のPaul AllenとともにこのAltair用のBASIC言語を開発。これが、翌'75年のMicrosoft設立のきっかけとなっている。


1月10日

■■2001 CES会場レポート
  Iomega、リームバブルHDD「Peerless」を展示など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010110/ces08.htm

MultiLevel Recording(ML)
マルチレベルレコーディング

 Calimetricsが'98年に開発した、光学ディスク向けの高密度記録技術。

 CD-ROMやDVD-ROMなどでは、ディスク上にピット(pit)と呼ばれる小さなくぼみ(ピックアップ側から見ると突起)を形成し、ピットの有無による反射光の強弱(ピットが暗くなる)を検出して、データを読み出す仕組みになっている。RやRWの場合には、このピットに相当する反射率の違いを、有機色素の化学変化(R)や結晶状態の変化(RW)によって作り出しており、再生時はROMと同様に、明暗の変化を検出している。

 これら従来の光学ディスクでは、「明」と「暗」の2つのレベルしか使用しなかったのに対し、MLでは、ピットの深さを調整するなどして、8レベルの反射率の違いを作り出す。すなわち、従来の1bit記録を3bit記録に拡張したもので、実効率で2.5~3倍の高密度化を実現する。2000年11月には、TDKがこのML技術を使った3倍密度CD-R/RW規格を発表。三菱化学、シナノケンシ(プレクスター)などとともに、2001年の商品化に向けて開発を進めている。

□Calimetrics, Inc.
http://www.calimetrics.com/


1月11日

■■プロカメラマン山田久美夫のCESデジタルカメラレポート
  低価格化指向の新製品が多数出品
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010111/ces09.htm

Digital8
デジタルエイト

 ソニーが'99年に発表した、8mmビデオテープにデジタル方式で録画を行なう規格。

 8ミリビデオは、ソニーが'80年に試作した「ビデオムービー」をもとに、業界127社から成る8ミリビデオ懇談会が'84年に標準化した、家庭向けの小型ビデオ規格である。その後'88年には、高画質化(※1)を図った「Hi-8」フォーマットをリリース。8mmの技術は、ExabyteやAIT(Advanced Intelligent Tape)等のテープストリーマにも応用されている。

 一時は、ホームビデオカメラの主流となった8mm規格だが、'95年(標準化は'94年)に登場した小型でオールデジタル(※2)のDVに押され、すっかりシェアを奪われてしまう。'99年にリリースされた「Digital8」は、このDVの記録方式をほぼそのまま8mmビデオテープ(※3)に応用したもので、音質や画質はDV相当。広帯域化のために、テープ速度を2倍に引き上げているため、記録時間は従来の1/2となっている。

 なお、Digital8自体には、従来の方式とは全く互換性が無く、従来のデッキで再生することは出来ないが、Digital8対応機では従来方式の再生もサポートされている。

(※1)輝度信号の記録録帯域が、5.4MHzから7.7MHz(ホワイトピーク値)に引き上げられている。

(※2)8mmの場合は、当初から音声の記録にアナログのFM記録方式とデジタルのPCM記録方式をサポートしていたが、映像はFM記録となっていた。

(※3)8mmビデオテープは、微細なメタル磁性体を塗布した塗布型のメタルテープと、真空蒸着した高出力の蒸着型メタルテープがあり、基本的にはどちらもサポートしているが蒸着型を推奨。

【参考】
□家庭向け各種ビデオフォーマット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000824/key132.htm#video
□DV
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980428/key28.htm#DV


CIF(Common Interface Format)
シーアイエフさいず

 横352画素、縦288ライン、30フレーム/秒の動画フォーマット。

 テレビの映像フォーマットには、日本や米国などで使われているNTSC方式、ロシアや東欧などで使われているSECAM方式、西欧や中国で使われているPAL方式があり、走査線の本数やフレーム数が異なる(※1)。テレビ電話やテレビ会議などに向けたビデオ通信技術の標準化(※2)に際し、これら異なる方式間で通信が行なえるように、共通の中間フォーマットを策定。352×288ドットの標準フォーマットをCIF、一辺を1/2(面積比1/4)にした小型のサイズをQCIF(Quarter CIF)と呼んでいる。

 なお、CIFやQCIFは、単なる静止画の画素数としても使われることがある。

【CIFとQCIF】
CIFQCIF
水平解像度輝度(Y)352176
色差(Cb,Cr)17688
垂直解像度輝度(Y)288144
色差(Cb,Cr)14472
フレーム数30(29.97)
走査方式インタレース

(※1)NTSCが走査線525本の30フレーム(60フィールド)なのに対し、PAL/SECAMは625本の25フレーム(50フィールド)。

(※2)ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector~国際電気通信連合電気通信標準化部門)のワークグループが、'80年代の中頃から標準化に着手。'90年にH.261として勧告が出されている。

[Text by 鈴木直美]


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