←APOLLO-JET KE-5000 ↑今月のインデックスへ VAIO QR PCG-QR1/BP →

NEW PRODUCTS TESTREPORT

松下電器産業
人 CF-X1R
AV機能と使いやすさにこだわったヒューマンなAVパソコン
TEXT:法林岳之 Takayuki Hourin


キートップは広めで、操作しやすい。ジョグホイールは回転時に「カチカチ」としたクリック感がある
 Let's noteシリーズをはじめ、ユーザーの根強い人気を集めるPCを開発する松下電器産業から、新コンセプトマシン「人(ヒト) CF-X1R」(以下、CF-X1R)が発売された。

 松下電器ではCF-X1Rの開発にあたり、「ヒューマンなパソコン」というコンセプトを打ち出している。もう少し具体的に表現すると、「人が使われるのではなく、人が使いこなせるヒューマンな操作性を持つパソコン」という意味で、ハードウェアスペックやデザインが重視されている現在のノートPCに対する同社なりの回答と言うことになる。ちなみに、「人」というネーミングは「Human」、「Interface」、「Technology」、「Operation」という四つの単語の頭文字に由来するものだ。


本体右側面部には二つのi.LINK端子を備えており、DVカメラを接続して映像を編集することもできる
 本機は、CPUにSpeedStep対応のモバイルPentium III 700MHzを採用、チップセットはIntelの440ZXMで、メインメモリ64MBを搭載する。内蔵HDDの容量は20GBで、出荷時に20GBの1ドライブとしてフォーマットされており、空き容量は16.4GBが確保されている。光学ドライブは今回試用したCF-X1Rが読み出し最大24倍、書き込み最大8倍、書き換え最大4倍速のCD-R/RWドライブを搭載しているほか、最大8倍速のDVD-ROMドライブを内蔵したCF-X1Dもラインナップされている。FDDはUSB接続の外付けタイプのものが標準で添付され、本体左側面にはSDメモリーカードのスロットも備える。


本体左側面部にはCD-R/RWドライブに加え、SDメモリーカードスロットも備えている
 液晶ディスプレイは14.1型のTFTカラー液晶を採用し、最大1,024×768ドット/約1,600万色表示が可能だが、輝度やコントラストを動的に変化させる液晶AI技術も採用されている。

 CF-X1RのボディはA4ファイルサイズだが、実際にはCDの操作パネルが本体前面に出っ張っているため、もうひと回り大きく感じる。キーボードも19mmのキーピッチを確保しており、タッチもかなり良好だ。また、AV機能、インターネット、メールなどの機能を瞬時に呼び出すアプリケーションボタンもキーボード上部に配されているため、初心者でも迷うことなく本機を活用することができるはずだ。

 ポインティングデバイスは光学式のトラックボールを採用しているが、その周りにはCF-X1Rのデザイン的なアクセントでもあるジョグホイールを備える。ジョグホイールは通常のマウスのホイール機能が割り当てられているほか、プリインストールのDVキャプチャソフト「DVキャプチャー」のシーン検索にも使うことができる。実際の操作性は非常に良好で、タッチパッドのスライドなどに比べると格段に使いやすい。


本体背面部にはS-VIDEO出力や外部ディスプレイ、シリアル、パラレルポートなどを備えている
 I/Oまわりでは、標準的なシリアルポートやパラレルポートなどを背面に、USBポートやTypeII/IIIのPCカードスロット、i.LINK端子を側面にまとめている。通信機能はV.90/56kbpsモデムなどに加え、携帯電話/PHSインターフェースも備える。音声系ではLINE入力と共用だが、光出力端子も用意されており、パームレスト部に埋め込まれたスピーカーもS-XBS回路採用スーパーウーファーを内装するなど、AVパソコンの名に恥じないスペックと言えるだろう。

 CF-X1Rは専用アプリケーションソフトも含め、ユーザーインターフェースに配慮が見られるが、製品としてのインパクトはやはりジョグホイールに注目が集まる。筆者としてはユーザーインターフェースとデザインをもう少し高い次元で融合させてほしかったが、全体的な完成度は高く、多機能で使い勝手のよいAVノートに仕上がっている。


  • 製品名:人 CF-X1R
  • 標準価格:オープン(実売300,000円前後)
  • メーカー:松下電器産業株式会社
  • 問い合わせ先:0120-873029
  • URL:http://www.panasonic.co.jp/
  • CPU:モバイルPentium III 700MHz
  • チップセット:440ZXM
  • メモリ(最大):64MB PC100対応SDRAM(192MB)
  • HDD:20GB
  • FDD:3モード(外付けUSB接続)
  • CD-R/RWドライブ:書き込み最大8倍速、書き換え最大4倍速、読み出し最大24倍速
  • ビデオチップ:ATI RAGE Mobility-M
  • ビデオメモリ:8MB
  • ディスプレイ:14.1型TFTカラー液晶
  • 最大解像度:1,024×768ドット/約1,600万色
  • サウンドチップ:ESS Allegro
  • モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
  • キーボード:87キー
  • 拡張スロット(空き):PCMCIA TypeII×2(TypeIII×1、CardBus対応、空き×2)、SDメモリーカード×1(1)
  • インターフェース:USB×2、i.LINK(S400、4ピン)×2、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、ディスプレイ(Dsub 15ピン)×1、S-VIDEO OUT×1、S/P DIF OUT(光丸型)/LINE IN×1、LINE OUT×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、ワイヤレスコムポート×1
  • 電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
  • バッテリ駆動時間:約2.1時間
  • 本体サイズ(W×D×H):310×262×40mm
  • 重量:約3kg
  • OS:Windows Me
  • 付属ソフト:DVキャプチャー、MotionDV STUDIO V2.0、WinDVD 2000、Easy CD Creator 4 Standardなど

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □松下電器産業のホームページ
    http://www.panasonic.co.jp/
    □製品情報
    http://www.pc.panasonic.co.jp/pc/hito/index.html
    □関連記事
    【10月12日】松下、AVノートパソコン「人」(ヒト)を正式発表
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001012/pana1.htm


    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp

    Copyright (c) 2000 impress corporation All rights reserved.